レザーソールは本当に色々な楽しみ方ができていいですよね。
レザーの感触を全身全霊で楽しむために、某もでぃふぁいど氏みたいに完全ノーガード戦法でいくか。
それともトゥスチールを装着して爪先だけガードするか、はたまたハーフラバーで防滑&耐久を重視するか。
色々ありますが首藤は結構トゥスチールが好きだったりします。
なんか革靴履いてるううううって感じしません?めっちゃするんですよね。するもんはしょうがない。
なのでレザーソールの靴には結構すぐトゥスチール付けがちなんですが、以前チューリッヒのラバーリペアの際にトゥスチールをどうするか問題が勃発して結構悩みまして。
その時に色々聞いたり見たりしたところから、トゥスチールの違いとか付け替えについて改めて考えてみました。
ヴィンテージスチールとトライアンフスチールの違い
もう一目瞭然なんですけど、まあ違いますよね。
- 価格
- 形状
- カラー
- ネジ穴の場所
- ネジ穴の数
- ネジの長さ
探せば色々ありますけどメインはこんなところ。
色々好みや美学があると思うので、皆様ご自身の考えに沿って色々つけられていることと思います。
首藤はあまりこの違いについてよくわかっていなかったので、最初に着けるときはとりあえず靴のデザインと色の相性で決めました。チューリッヒは黒のフルブローグでシックでゴツイ感じだったので、Brift H札幌の林田さんと相談してパンチのある金のトライアンフにしたのです。
正直細かいことを気にしなければ、そんな感じで決めて全然いいと思うんですけどね。
細かい部分ではありますが違いについて触れていきたいと思います。
価格が違う
コメントいただいて気づきましたが、一番大きな違いは価格ですね。首藤すっかり忘れていたので追記させていただきます。笑
ちょっと検索すると出てくると思うんですが、結構リペアショップによってもマチマチです。同じ金額でやっているところも中にはありますが、多くはトライアンフスチールの方が高い印象です。
すごいざっくりですが金額的にこんなイメージ。
●ヴィンテージスチール:3500円~4000円
●トライアンフスチール:4000円~5000円
ショップによっては新品時と着用後の価格に変更があったりするので、今回は新品時の価格で見てます。
傾向的にはやはりトライアンフの方が500~1000円程高いですね。
おそらく原価の問題かと思いますが、現時点では耐久性にそこまで違いがあるという意見もあまり見受けられないので、この価格はスチール選びにおいてポイントになるかとは思います。
ネジ関連の違い
次にネジについてですね。取り付けるネジ関連にも違いはあります。
●ヴィンテージスチール:ネジ穴5か所、ネジ短め
●トライアンフスチール:ネジ穴3か所、ネジ長め
この部分については個人的に、違いがあるからどうだというよりは今後の交換に影響する気がするので、後程触れていきます。
形状、カラーの違い
カラーの違いについて。
首藤もすべての種類を見たわけではないので何ともですが、この部分の違いもありますね。
トライアンフは大体ゴールドなイメージです。ヴィンテージの方は大体シルバーが多い気がしますね。ヴィンテージはアンティークゴールドなど別カラーもショップによってはあるそうなので、カラーの選択肢はこちらのほうがあるかもしれません。
ちなみにトライアンフのゴールドに惹かれてスチールをつける場合は気を付けてください。履いてソッコーで削れてシルバーになりますので、ゴールドカラーは維持できません。笑
最終的には全部大体同じカラーリングになるので、その点だけは覚えておきましょう。
形状については見たままですね。
トライアンフの方が変形扇形というか、台形っぽい形になっています。
いつも見るたびに、これに沿ってソールをカットするのってめんどくさそうだなって思います。笑
ヴィンテージの方は綺麗な横長の半円形ですね。トライアンフに比べる横の長さがだいぶ違います。この部分の違いが大きいかもしれません。
サイズや物によるとは思いますが、セミスクエアトゥにヴィンテージスチールを装着すると、結構スチールを削ることになるためビスの部分がかなり先端まできてしまうことがあるようです。
この辺りは靴によっても違うと思いますので、つけてもらうショップと相談でしょうね。問題ないと言われればヴィンテージでも全然いいでしょうし。
またショップによっては、トライアンフはヴィンテージに比べて形状的な理由から錆びやすいのでお勧めしない、というようなところもあったりするそうですね。
それぞれの特徴まとめ
上記の比較からそれぞれの特徴をまとめてみます。
●ヴィンテージスチール
価格:3500円~4000円
ネジ:ネジ穴5か所、ネジ短め
ショップによってはカラー選択肢がある
横長の半円形
セミスクエアトゥの靴には向かない場合がある
●トライアンフスチール
価格:4000円~5000円
ネジ:ネジ穴3か所、ネジ長め
ゴールドがかっこいいがすぐに削れてシルバーに
変形扇形(台形っぽい形)
錆びやすい可能性あり?
最初にスチールをつけるときどちらにするか、という部分については、この辺りの比較を参照いただくとよろしいかと思います。
尚、実際にスチールをつける場合にはその時期や目的、または今後の展望によっても選ぶ基準は変わってくるかと思いますので、次はそのあたりを書いていきますね。
悩む冬仕様カスタム…
今回ラバーを貼るにあたって、このスチールどうするか問題が勃発しました。
割とつけて間もないですし、まだまだ摩耗も少ないので使える印象です。
道としては3つ。
- 潔く取ってラバーのみにする
- このスチールを付けたままラバーを貼る(スチール部分はラバーをカットする)
- 新たにラバーと同時にスチールを付けなおす
結局は一番冬仕様に向いてるってことから1にするんですけど、結構悩みましたねぇ。
2についてはスチールの形に沿ってラバーをカット。んでそのままだとラバーの厚みで段差が出来るので、出来るだけ目立たないように切れ目の部分から薄くなだらかにしていって自然に馴染ませる、みたいな作戦を提案されましたが、結構技術がいることなのでうまくいくか微妙というところと、望み通りな仕上がりになるか確約できない、というところからやめにしました。
3についても、こっちも潔く全とっかえすっかみたいな意見もあったんですが、そもそも冬仕様にするなら錆びる可能性が高いのでスチール自体お勧めしないというのと、スチール交換(その時はトライアンフからヴィンテージを想定)をすることで耐久性がちょっと落ちるかも、という話になりやめることにしました。
スチール交換で耐久性は落ちる?
言われてみれば確かにそうなんですが、トライアンフからヴィンテージのスチール交換て耐久性的にどうなんだろう?と素人ながら思ってしまいました。
スチールってソールと同じ高さにするために、スチール厚さ分革を削って装着しますよね。
そして交換する時は、当然アタッチ(革の補強)をして付けなおしをしたりすると思うんですけど、ここで気になるのがネジの長さです。
明らかにトライアンフの方が長いんですよね。
なので、今回のようにトライアンフ(ネジ長い)からヴィンテージ(ネジ短い)に交換をしようとすると、ネジ穴の位置と数が違うとはいえ、補強革の上から付けることになるので、この短めのネジでは最初に装着するよりやはり耐久性の面で少し不安が残るのでは…?と思ったりするわけです。
まあお話を聞いたところ、それでネジが取れたとかスチールが取れたという相談は受けたことはないと仰ってましたので、そこまで心配する話ではないかもしれないんですけどね。
逆にトライアンフ→トライアンフへの交換ていうのも、同じネジ穴使ってるのでそれこそ耐久性心配な気がするんですけどどうなんでしょうね。笑
ネジ穴を木くずで埋めるって言ってたかな?すいませんちょっと曖昧なんですけど、それで同じネジ穴を使って止めるのって…?微妙…?
このあたりは、修理のやり方やリペア職人さんの観点、肌感覚で実際の交換時の耐久性はどうなのかを聞いてみたいですねぇ。今度ちゃんとインタビューしてみようかな。
首藤が経験してないだけで、革靴を長く履いてらっしゃる方は10年20年と同じスチールで交換し続けて問題なく履けている方もいらっしゃると思います。そういう方からすると何を些細な心配をと笑われるかもしれませんが、出来るならコストカットしたいのが正直なところ。笑 スチールの交換までの寿命を延ばせるに越したことはありません。
どういう順番で付けるのがベスト?
上記を踏まえて首藤的にはどういう付け方をするのがベストなのか、自分なりに考えてみました。結果はこちらドン。
●シングルソール
- まずはノーガード戦法
- アタッチ不要ぐらいまでギリ粘ってヴィンテージスチール
- 充分な摩耗を確認してからのトライアンフスチール
●ダブルソール
- 最初からヴィンテージスチール
- 充分な摩耗を待ってからのトライアンフスチール
- 最後はスチールを取ってアタッチしつつのハーフラバー
シングルとダブルで分けてみました。トリプルは一生オールソールないと思うのでそのままです。
まずシングルについて、これはオールデンでも経験済みですがかえりがいいので最初はノーガード戦法でいこうかなと思います。爪先の削れが顕著になってきたらギリギリまで粘ってヴィンテージスチールつけます。その後は寿命が尽きるのを待ってトライアンフに移行ですね。
ダブルについては、これはROMの悲劇で経験済みなので絶対最初からスチールつけます。ヴィンテージ付けたから交換時期がきたらトライアンフに移行です。そしてトライアンフが寿命を迎える頃には、充分にソールにかえりがついたことかと思われるので、敢えて全部取ってアタッチしつつのハーフラバーでもいいのかなと思ったりしてます。
レザーソールの感触を楽しむならトゥラバーやトゥのレザー補強だけでもいいかもしれませんね!
両方で共通しているのは、スチールはヴィンテージ→トライアンフの流れにしていること。
大した違いはないのかもしれませんが、ネジの長いトライアンフを後に付けることで、スチール交換での耐久性を少しでも上げれないかなーという考えからです。浅はかな素人の悪あがきで結構!でもちゃんと意味あるのか今度聞いてみます。笑
雨雪靴にするなら最初のリペアに注意!
トゥスチールって一回付けたらそうそう減るもんじゃないと思うんですけど、付ける時期や用途によっては損することあるので注意ですよ!首藤みたいに。
レザーソールの感触を楽しみたい!ということでダブルソールにスチールを付けましたが、数か月後に雪が降り履けなくなってしまいました。
その後雪道仕様にカスタムをするためにスチールを取って冬用ラバーを貼ったので、実質3~4か月しか履けてないことになります。まだまだスチールの寿命はあったのにもったいない…なんてことになるわけですよ。
自分の持ち靴や増えていく靴によって役割は変わったりするのでまあこれはこれでしょうがないかなとも思うんですけど、出来ればこういった、コストを減らすというか最大限パーツの寿命を全うしたいということであれば、靴の購入時点で狙いを定めておくといいかもですね。
例えば今回のチューリッヒであれば冬でも履けるようにするんだったら、最初は夏用のハーフラバーを貼って、雪が降ったらラバーを冬仕様に貼りかえるなどすればコストは半分以下に抑えられたかもしれません。
レザーソールの感触を楽しむ用の靴にしたいということであれば、スチールはそのままに冬眠させて春以降履けば余分な出費は省けますし。
その辺りはもし可能なら、ちょと考えておくといいかもですね。
おまけ:自分でトゥスチールを付けることもできる?
ちなみにトゥスチールって基本的に修理屋さんに持って行って付けてもらうみたいなイメージだと思うんですが、一応自分でも付けることも可能です。
それがこちらの3商品。
ヴィンテージスチールやトライアンフスチールは、基本的にスチールの厚さ分の革を削って取り付けるので仕上がりはフラットな状態になります。
しかしながらこれらの3商品は革を削ることなくそのまま自分でドライバーで取り付けが可能となるので、素人でも簡単に爪先保護が出来てさらに安上がりでハッピーってわけですね。
首藤は使ったことがないので何とも言えないのですが、正直かなり魅力的ではありますよね。
おそらくスチールが出っ張っている関係上カチカチ音は結構すると思うのですが、それを差し引いて余りあるコスパの良さ。
1000円ちょっとで本来の目的である爪先保護が果たされるなら確かに安上がりではありますね
まあ当然のことながら仕上がりの美しさや自然さ、そして歩行感の良さというのは間違いなくプロにお願いした方がいいとは思いますが、興味がないとは言い切れません。
コスパを重視される方やそこまでお金かけなくてもいいからとりあえず爪先は保護して修理までの時間を先延ばしにしたい、みたいな目的であればかなり有用なんじゃないでしょうか。
首藤も一度は試してみたいです。
どの靴で試すかはかなり要検討事項ですが…笑
まとめ
今のラインナップはまだまだスチール交換の心配のない靴ばっかりですけど、それでも今回の経験から結構最初が肝心だなと思うんですよね。
下手にスチールつけちゃうと、やっぱり冬用へのカスタムはしづらかったりしますし。
首藤も失敗しながら覚えてきたというのと、補強によってそろそろラインナップも増えてきたので、次回以降は最初から目的や用途を絞ったリペアが出来るかなーと思っています。いや、思いたい。そうありたい。
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コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは!私も基本スチールつける派ですが、トライアンフはヴィンテージよりも1000円くらい高い印象があり、一回もつけたことがないんですよね…今のところ雪国カスタムはしなくてすみそうですが笑、2つの違いなど、色々参考になりました。ありがとうございます!
kaisei_yaさん
そういえば値段のことすっかり抜けてました!笑
違いってそこが大きいですよね、追記しようと思います!ありがとうございましたー!