ハインリッヒディンケラッカーの記事はこちらから

【アウトソール】ハインリッヒディンケラッカー Wien(ウィーン)のラバーソール(スポンジソール)を新品のうちに徹底的に見て解説しておこう!の巻

f:id:shudo_ktr:20210602160636j:image

ディンケのラバーソールってなんか自走砲?戦車?のタイヤと同じ素材を使ってるらしいから全部削れにくいっしょ!最強っしょ!!これ!!とか思ってたんですけど、全然違いました。少なくともこれに関しては。

たぶんすごい勢いで削れる予感しかしないので、新品のまっさらさらさらなうちに美しい姿を残しておこうと思います。

なんでもそうなんですけど新品の時にめちゃくちゃ写真とか動画とか記録を残しておくといいですよ。のちのちいろんな角度から比較したりできるので。エイジングとか摩耗とか劣化具合とかね。ブログとかやってないと全然役に立たない知識ですけども。笑

ということで今回は新品時の記録用の記事になります。

ちなみにどの靴の話これ?っていう方は下記から靴紹介記事をご覧くださいませ。

目次

ノルウィージャンローファーのソール構造は?

f:id:shudo_ktr:20210602160310j:image

まずはソール構造からなんですが、ノルウィージャン(ツォップナート)タイプのローファーのソールは必ずダブルソールで作られています。これはノルウィージャンの製法上ステッチ跡が大きくなるので、補強を目的としてダブルソールでしか製作できないという事情があります。

f:id:shudo_ktr:20210607185743j:image

通常ハインリッヒディンケラッカーのローファーは全てシングルソールで作られるため、ツォップナートがついた時だけの特別枠という感じですね。構造的には上からツォップナート&ウェルト、レザーミッドソール、ラバーソールという順に並んでいます。

ソール裏面全体をチェキ

f:id:shudo_ktr:20210607185750j:image

てことでまずは全体から見ていきましょうね。

前面ラバーで、ヒールはレザーの積み上げタイプです。この時点で滑り防止のラバー使用じゃなくてせめてもの柔らかさを求めたが故の結果なんだろうなっていうのがわかります。笑

ちなみにこのタイプのラバーソールが採用されている靴は少なく、このローファーと一部ルツェルンのライト系の素材の靴(スエードとかヌバックとか)に使われている印象があります。素材的にも雨靴且つ柔らかい履き心地を狙ったタイプの靴に使われてる感じでしょうかね。

f:id:shudo_ktr:20210607185801j:image

一応ラバーソールという分類ではあるのでレザーソールよりは滑りにくいです。ディンケのソールで使われるレンデンバッハは地下歩道とかのタイルでスケートができるぐらい滑るので(誇張しすぎ)、それよりは全然安心して歩けます。むしろ地下などのタイルでは何も気にせず歩けるレベルです。

ただヒール部分は他と変わらずバッキバキの飾り釘打ちまくリフトなので、グリップ力とかは全然期待できません。逆にレザーソールよりは滑らないけどラバーソールよりは油断できない、という謎の立ち位置を確立しているので珍しいっちゃ珍しいかもしれないですね。

f:id:shudo_ktr:20210607185809j:image

ラバータイプはディンケでは珍しいロゴ仕様のタイプ。修理屋さんではスポンジソールとかって言ってるのでたぶん純粋なゴムじゃなくてスポンジ系の合成素材なんだと思います。確かに触った感じラバーソール系のゴム!って感じではなく、スポンジ系のあの弾力のある手触りですね。押したら硬めのムニムニです。

実際に設置する部分に滑り止めと思われるブランド刻印が入っています。全体に入れずに真ん中だけ入れてるのでやっぱりこのロゴ刻印は一応滑り止め目的ではあるんでしょうね。「おお、これが、刻印の力…」とかそういうのを感じたことはないですけど。

f:id:shudo_ktr:20210607185747j:image

そしてこれが噂の飾り釘バッキバキトップリフトですね。こんな密集して入れる必要ある?ってぐらいには入ってので、もはやこの三角形が一つの釘に見えてきます。計5本かあ…フフフ…って現実逃避してみても実際には片足で30本入ってますからね。両足で60本ですよ。いりますそんなに?まあでもいるんですけどねかっこいいから。

ちなみにこのトップリフトのラバー部分はめっちゃ丈夫で超減りづらいです。他のディンケの靴もそうですが、結構ラフに履いたり長期間履きこんでもあんまり減ってないので、トップリフトの耐久性はいい感じです。

サイドから細かく見てみるの大事

f:id:shudo_ktr:20210607185735j:image

さらっと上の方の構造でお伝えしましたけど、一応ダブルソールなのでウェルト含めて3層になってますね。

ノルウィージャン(三つ編み)のすぐ下一層目がウェルトです。その下がレザーミッドソール。一番下の黒い部分がラバーソール(アウトソール)です。

f:id:shudo_ktr:20210607185739j:image

ヒールへのラインも積み上げがすごくきれいで見やすいですよね。ディンケのソールは横から見ても層の感じがわかって重厚感があってすごく好きです。

f:id:shudo_ktr:20210607185732j:image

つま先はこんな感じ。よーく覚えておいてくださいね。新品時のつま先。こんないい感じですけど、どれだけ削れるか見ものです。たぶん瞬殺です。

ラバーソールで多少曲がりやすいとはいえ、ゴリッゴリのノルウィージャンウェルト付きでダブルソールで且つアウトソール素材がスポンジ系とくればもう大根おろしの未来しか見えませんよね。俺の間違いであってくれ。予想よ外れてくれ。俺に敗北を教えてくれよ。頼むよ削れないで。

アウトソールに丸みを感じる

この記事で嘗め回すように見てた結果、ソールにちょっと丸みがあるのでは?ということに気が付きました。

f:id:shudo_ktr:20210607185755j:image

ボールジョイントのラインっていうんですかね?こう、横にアーチを描いてる気がするんですよ。ここに丸みを感じる。

つま先から踵側に縦にアーチがかってるのは割と普通だと思うんですけど、横もまーるくアーチになってるとこう3次元の丸みを感じますよね。立体感というか。

f:id:shudo_ktr:20210607185812j:image

他のディンケのレザーソールの靴は割とフラットであまり丸み感じなかったので、ちょっと特徴的だなあという感じがしました。もしかしたらこういう部分に立体感を持たせることで、ダブルソールの硬さを少しでも和らげて歩行を楽にしようという工夫なのかもしれませんね。でも海外のハンド系の靴の大らかさを痛感している首藤としては単純に個体差かなこれは?という気持ちの方が大きかったりしますけども。笑

とりあえずこういう立体的な作りを見るとやっぱりテンションは上がりますよね。以前エドワードグリーンのバークレーのソールを見たときにも同じように感動した記憶があります。

ソール裏のロゴをドアップで

f:id:shudo_ktr:20210607185818j:image

これは需要があるかわかりませんが一応。笑

ソール裏のディンケロゴのドアップ画像です。ほんとに一応なんですけどちゃんとデコボコしてるんですよね。笑

f:id:shudo_ktr:20210607185758j:image

果たしてこれがグリップ力につながっているかはわかりませんが、きっと僕たちの足をスリップから守ってくれているはず。それがロゴの力。きっといつかこのロゴのデコボコに感謝する日がくるのでしょう。

首藤の予想としては、割と早い段階でがっつり削れてこのロゴごとツルツルになってると思います。笑

まとめ

f:id:shudo_ktr:20210602160621j:image

そんな感じでノルウィージャンローファーのスポンジ系ラバーソール徹底解説でございました。

書き始めはどうせゴリゴリに削れて一瞬でなくなるだろうから、ちゃんと新品時の記録ぐらいブログ形式でとっておくかーぐらいの気持ちだったんですけど、ふたを開けてみれば結構ちゃんとした解説記事になったんじゃないでしょうか。これは自分でも予想外です。笑

もう新品でこのソールにお目にかかることも少なくなると思いますが、縁があって手に入れることがありましたら是非参考にしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

薄給のくせに年間100万円以上を服や靴につぎ込む30代子持ちサラリーマンです。
ハインリッヒディンケラッカーを筆頭とする東欧靴やオールデン、パラブーツなどを中心に歴代50足以上の革靴を買い漁ってきました。
主に大好きな革靴の紹介や靴磨き、ファッションレビューなどを暑苦しく語るブログです。

目次