https://www.e-begin.jp/article/48812/
PARABOOT(パラブーツ)…
それは革靴初心者から玄人まで広い層から愛される革靴ブランド。
多くの革靴ラバーが所有しているパラブーツですが、人によって目的や用途は様々です。
革靴初心者は、靴沼本格革靴デビューへの登竜門として。玄人革靴ラバーは、柔らかな履き心地からくる快適さや雨雪専用靴として。パラブーツファンは、あらゆるシーンでの利用を求めて。
中でも現代革靴シーンにおいて、ミスターパラブーツと呼んでも過言ではないモデルが今回取り上げる「シャンボード(CHAMBORD)」だと思います。
パラブーツが気になった人なら誰しもが所有を夢見るシャンボード。しかしながらこれ程サイジングが難しい靴も中々ありません。試着しては諦め、様々な靴を経験してはまた試着して夢破れ、という方も少なくないのではないでしょうか。
今回はそのシャンボードの華々しい人気の裏に潜む難しさと、サイズ選びや購入を決める際のポイントについて首藤なりにまとめてみましたので、シャンボードの購入を検討されている方は是非ご一読ください。
シャンボードの特徴!
https://paraboot.shop/products/chambord-cafe?variant=39938655158404¤cy=JPY&utm_medium=product_sync&utm_source=google&utm_content=sag_organic&utm_campaign=sag_organic
「パラブーツといえばシャンボード」と言ってもいいぐらい、ブランドの代表作となったこのシャンボードですが、丸みのあるポッテリとした特徴的なシルエットながらどこかスタイリッシュで誠実な佇まいが特徴的です。
実際にどんな服にも合わせやすく、上品なスタイルやカジュアルなスタイルと幅広くコーディネートが可能です。
作りとしては「ノルウィージャンウェルト製法」を採用し、堅牢性と防水性を高めつつ、ソールには自社製のソール「PARA-TEX(パラテックスソール)」という天然ゴムを原料にした独自で開発したソールを使用しており、履き心地にも気を配ったまさに名作と呼べるスペックを備えています。
シャンボードの特徴まとめ
- Uチップのポッテリした唯一無二のシルエット!
- スタイリッシュで誠実な佇まいから、カジュアルでも上品なスタイルでも溶け込む!
- ノルウィージャンウェルト製法+パラテックスソールで防水性はばっちり!
- フランスの宝石リスレザーは耐水性も高くエイジングも楽しめる!
色々書きましたが何よりこのデザインですよね。本当にかっこかわいいです。
こんなポッテリした感じなのに、ジャケパンに合わせたら何故かめちゃくちゃスタイリッシュなんですよねぇ。
シャンボードのサイズ感とサイズ選び
気になるのはやっぱりサイズ感ですよね。
まずシャンボードはサイズ表記より気持ち大きめです。且つ捨て寸が短くかなり甲が高く設定されていますので注意が必要です。
https://item-shopping.c.yimg.jp/i/n/sneak_prb-099413_5
サイズ選択はハーフサイズ小さめが吉?
一応上記がサイズ表になりますが、正直あんまりあてにならないかもしれません…。笑
ちなみに首藤は両足約25.1cmのDウィズで通常UK6.5を履くんですが、シャンボードのサイズはUK6.0になります。
上の表の通りなら6.5なんですけどね…。尚、パラブーツ公式サイトのサイズチャートの機能を使うと、おススメは7.0と出てきます。笑 また通常首藤よりハーフサイズ大きいサイズを選択される方でも、シャンボードは6.5ではなく7.0だったりします。
もうバラバラ。ホントに人によって全然違います。パラブーツ自体が結構他ブランド比べてサイズ感はバラバラな印象ですが、シャンボードは特に通常とサイズ選択が違ってる気がしますね。
甲低さんとは相性が悪い?
ちなみに、首藤は甲低の踵小さめな足をしているので、中々にシャンボードの木型との相性が悪いです。笑
シャンボードはポッテリした見た目に反して、ウィズ(幅)は意外にシャープな木型だったりするのでサイズのフィット感は割といい感じ。6.0でレングスやウィズは非常にナイスなフィット感なんですが、如何せん甲の高さが合いません…。
そのため試着時で中々の羽根の閉じ具合となり、おそらく履いていくとすぐに羽根が閉じてしまいます。しかしながらサイズを下げると今度は爪先がついてしまうという、典型的な木型が合わないパターンなわけですね。まあそれでもタンパッドの追加やハーフインソールなどで調整できるレベルではあると思います。
ググってみると同じような方がいて安心するところですが、やはりシャンボードの甲が高い(羽根が閉じてしまう)というのは共通認識なようです。
ちなみに羽根が閉じるとなぜよろしくないかと言うと、もうこれ以上靴紐でフィット感を調節することができないからです。甲に隙間が出来たまま羽根が閉じてしまうといくら靴紐をきつく縛ってもフィット感を上げることができないですよね。
革靴は履き込むとインソールが沈み込んだり革が伸びてきたりするので、革靴を買うときは最初はしっかり羽根が開いている状態で買うことが好まれるわけです。履いてくうちにこれらの理由でどんどん羽根は閉じてきますからね。
沈み込みはないけど革が伸びやすい
さらにちなみに所謂「沈み込み」についてですが、首藤が直営店に行った時には「中物はコルクではなくゴムが入っているのでグッドイヤーのような沈み込みはない」という話を聞きました。
しかしながらネット上ではパラブーツは沈み込みが激しいという内容をよく目にします。おそらくこれは、リスレザーの柔らかさによる通常以上の革の伸びが原因ではないかと思われます。
ゴムとはいえある程度沈み込みはするのでしょうけど、公式が言っているのであればコルク程沈むのも考えにくい。であればやはり革の伸びによって沈み込みと同等(もしくはそれ以上)のサイズ変化が起こり、時間とともにサイズが緩くなるという現象に繋がるのではないかと首藤は推察しています。パラブーツじゃなくても革靴のアッパーはある程度伸びていくものなので、リスレザーはそれが顕著に現れるのではないかなーという予測です。
このことからも、履き慣れてくるとサイズ感は緩くなってくるのは間違いないと思われるので、ハーフサイズ(場合によってはワンサイズ)小さめを買う必要がありますね。(爪先ズドンにならない範囲内で)
やはり試着がめちゃ大事!
首藤が文章でサイズ感を伝えられるのはこれぐらいなもんで、あと言えるのはイギリス靴などのように何となくいつものサイズ感をもとに見切り発車で購入すると、失敗する可能性がありますよということぐらいでしょうかね。(これは革靴全般に言えることですがパラブーツは特に、ということです)
幸いなことにパラブーツは比較的取り扱いも多いですから、直営店が近くにある方は直営店へ、ない方はお近くのセレクトショップなどで展開されていないか調べてみましょう。シャンボードは大体あると思います。
以上よりパラブーツは正直かなり人によってマイサイズに差が出るブランドだと思いますので、出来ればお店でしっかり試着されることをお勧めします。(立ち上がったり皺を付けないように歩かせてもらったり)
購入の是非を考えるうえで、普通の革靴以上にまずは試着が第一ですよ!ということを首藤はお伝えしたい!!
シャンボードのサイズ感で考慮することまとめ
- サイズ感は0.5~1.0ぐらい大きめ?(首藤は通常UK6.5のところ6.0がマイサイズ)
- 捨て寸が短く甲がかなり高め、ウィズは意外にシャープ
- 中物はコルクではなくゴムなので沈み込みはほぼない(直営店談)
- リスレザーは柔らかいため経年変化で革は通常より伸びやすい印象
- ある程度なら厚手の靴下、インソールやタンパッドで調整が可能
- 足型によってサイズがかなり異なるのでしっかりめの試着がおすすめ
シャンボードを購入するか否か…その決め方!
シャンボードの試着をしてきたけど、首藤の書いてた通り甲が高かった…。
甲がガバガバだった…羽根が最初から結構閉じ気味だった…。
…でもやっぱりかっこいいんだよなぁ…欲しいなぁ…どうしたらいいかなぁ…と迷っているそんなアナタ。
そんな迷えるアナタのために、あくまで個人的な見解となりますが、購入を決定するたった一つのポイントをご紹介したいと思います。
それがこちら。
木型と足の相性 ≦ シャンボードへの情熱
はっきり言ってこれに尽きるのではないでしょうか。当たり前且つ雑で申し訳ないんですが。笑
でもほんとこれしかないと思うんですよ。とは言えこのままじゃちょっと乱暴過ぎるので「シャンボードへの情熱」という部分を説明していきますね。
シャンボードへの情熱って?
シャンボードのサイズ感&フィット感として特徴的なのは、やっぱり甲の高さだと思うんですよね。
上述の通りレングスやウィズがしっかり合っていても、羽根が最初からかなり閉じ気味…なんていうのがよくあるパターンなわけです。
万が一シャンボードが欲しくて、甲高の木型が足に合っていない場合、それを上回るシャンボードへの情熱や思い入れがあるかどうかで、購入を決めるべきだと思います。
例えば、初めて革靴で欲しいと思ったモデルとか、憧れの人が履いていて同じモデルが欲しいとか、欲しすぎて夢に出てくるレベルとか、シャンボードがないと自分の理想のコーデが完成しない…!とかそういうのですね。
そういった思い入れが木型との嫌相性(デメリット)を超えてくるかどうかで、購入を決定するべきだと思います。
シャンボードにかける思いや情熱が、いったいどれ程自分の中にあるのか、改めて問いかけてみて欲しいわけです。サイズが合っていても羽根が閉じてしまう場合や、厚手の靴下でもまかないきれない場合にはお金をかけて調整する必要があります。
それはタンパッドの装着であったり、インソールの追加であったりするわけですが、自分で購入するにもプロの修理屋さんにお願いするにしても少なくないお金がかかるわけです。
またもしかしたら今後革が伸びてきて馴染み切ってしまえば、そんな調整でもカバーしきれないほど合わなくなってくるかもしれない。そういった懸念点すら乗り越えて調整でもなんでもドンと来いやで!それでも履きたいんやで!と思うのであればもうそれは運命です。買って後悔しないでしょう。
実際に首藤はパラブーツではないですが、そんな靴を一足迎えたことがあります。
VASSというハンガリーの革靴なのですが、個人輸入で購入しいざ届いてみると、ハーフサイズ大きく甲も結構ガバガバだったんですよね。
これは単純に試着が出来なかったのでサイズミスをしたわけですが、ただのサイズミスじゃなくて木型自体も結構甲高だったので、甲部分に関しては首藤の足に合っているとは言えないものでした。
そんな木型の相性が良くない&サイズミスの靴でも特別な思い入れがありその気持ちが勝ったので、お金をかけてサイズ調整をしてでも履こうという結論に至ったわけです。一度しっかりデメリットを受け止め、冷静に思い入れの度合いを分析して、これからも履き続けられるのかを考えた結果でした。
※ちなみに金額は上記記事にも記載がありますがタンパッド+インソール追加で6600円でした。それぐらい安いものだと思えるほど絶対に履きたいと思ったわけです。またこの金額が高いか安いかはその靴への情熱に比例すると思いますので、一つの参考にしてみてください。
とまあそんな感じで、この首藤の言うシャンボードへの情熱もしくは思い入れというのは、改めて欲しい理由を可視化、もしくは数値化してみましょうということなわけです。
ちなみにこのVASSの靴は最終的に靴棚整理で手放してしまったというオチが付きます。笑
革靴が増えてくると売ったり買ったり買い替えたりなんてことが増えてくるので案外そんなもんにだったりもするんですが、足数もそこまでなくこれからパラブーツに思いを馳せて購入をする方は是非この情熱の数値化を今一度考えてみることをお勧めしますよ。
そこまでサイズやフィッティングって気にした方がいいの?
ぶっちゃけて言うと所謂靴バカと呼ばれる人種の人たちは、ここまでシャンボードのサイジングを気にしてない方の方が多いと思います。笑
理由としては、登山靴というパラブーツのルーツ故そこまでシビアなフィッティングを求めていないこと、スニーカーのように履くのを想定していること、複数高級靴を所有しているためサイズ調整に慣れていること、サイズに失敗すれば(沈み込んで合わなくなれば)手放すことを検討していること、などが挙げられるかと思います。
様々な高級靴を経験し所有することで、そのブランドに求める機能性やフィッティングが明確化するため、許容範囲が広くなっているというのもあると思います。
かくいう首藤も致命的にシャンボードとは木型が合わないことは重々承知ですが、厚めの靴下やその他サイズ調整を前提として、いつか縁があればシャンボードはゲットしたいなぁなんて思っていたりします。スエードのシャンボードなんてかわいくていいですよね。
ハインリッヒディンケラッカーやその他ブランドでバチバチのフィッティングとなる靴はもう間に合ってたりするので、リラックスフィットで履ける役割を求めてシャンボードを手に入れたいと思うことがあるわけです。
タイトルの通り今回の購入思考法は、革靴初心者の方や初めてのパラブーツチャレンジを検討されている方向けになります。
最初から靴バカ紳士の皆さんみたいにどっしり構えられている方なら全然気にしなくていいと思いますが、経験値が低いとご自身で考えられている方なら、今回の思考法は試してみる価値ありだと思いますよ。
足に合うUチップが欲しい!という細足・甲低さんには断然RENDO(レンド)がおすすめ!
上記を踏まえて考えた結果、やはりシャンボードへの情熱が木型の相性を超えられなかった方。
パラブーツというブランドに拘らなければ、もうちょっと安い価格帯で細足・甲低向けの最高の履き心地の靴がありますのでご紹介しますね。
同じポッテリ系Uチップなら断然”RENDO(レンド)”のGB001がおすすめです!
リンクから見てくださいこれ。めっちゃかっこよくないですか?ズッシリとした見た目に反してフィット感は素晴らしいなんてもうこれはもう。完全にこれはもう。欲しいですよね。大好きですRENDO。
RENDO(レンド)って?
RENDO(レンド)は靴の街 浅草発のメイドインジャパンブランドで、日本人の足の特徴(細足・小さめの踵など)を踏まえて作られているのが特徴的です。ここ最近Twitterやインスタなどでもかなり人気が出ており、マジモンの靴好きたちを虜にする実力派なブランドですね。
首藤も一度足入れをさせてもらったことがあるのですが、このGB001は爆裂フィットでした。恐ろしいほど気持ちのいいジャストフィット。もちろん羽根の開きもバッチリです。幅狭・甲低・小踵の3拍子揃った首藤が恐ろしいぐらいフィットしていたので、本当によく考えられた木型なんだなと思いました。
完全に主観にはなりますが、レンドなら甲が高くてシャンボードを諦めた方の心を満足させるフィット感を持っていると思いますよ!
パラブーツのブランドネームというか、パラブーツというブランド自体にも魅力を感じられている方には、中々日本のブランドの靴を買おうという方に気持ちは向きづらいかもしれません。
しかしながら、首藤的には是非この爆裂フィットを体験していただきたいですね。
色んなこだわりを吹き飛ばすほどのジャストフィットで、ああ、革靴ってこんなにフィットすると気持ちいいんだ、ということを教えてくれるブランドです。…褒めすぎですかね?笑 でも実際に首藤は履いた時本当にそう思ったので、事実しか言っておりませんよ!
幸いAmazonにも在庫はまだあるようです!
レンドはAmazonプライムの対象なので、Amazonで購入すれば、購入者都合(サイズ違い・イメージ違い等)での返品が無料でできます。首藤は最近この仕組みをちゃんと知りました。笑
サイズについて心配な方は、2サイズ分とりあえず購入して合わなかった方を返品するなど、試着感覚でお買い物をすることも出来るようですよー!(勿論試着は履きジワを付けない汚さないなど慎重に行いましょう!これ鉄則!)
レンドは他にもいい靴いっぱいあるぞ!
ちなみにRENDOはUチップだけでなく、通常のプレーントゥ、ダブルモンク、ストレートチップなどもめちゃくちゃお勧めです。フィット感に定評がある木型770はもちろん履き心地最&高です。シャンボードからは少しずれてしまいますが、お勧めなので是非見てみてください。
ちなみに首藤も一足木型770の靴を持っています。超絶変則的なのであまり参考にならないかもしれませんが…笑
さらにRENDOは既成靴だけでなく定期的に全国各地でオーダー会を行っており、革やデザインを選べるMTO注文をすることができます。その辺りもご興味があれば是非どうぞ。
まとめ
今回はサイズ感や木型の相性から、シャンボードの失敗しない(後悔しない)買い方についてまとめてみました。
甲が高すぎて合わないなど木型と足の相性が悪い場合、そのデメリットから目を背けて勢いで購入するのではなく、デメリットをしっかりと受け止めてそれでも購入したいかどうかを改めて一度考えてみましょう、ということが本旨になります。
これ当たり前の話ではあるんですけど、靴を買うときって意外にこういう部分をおろそかにしがちだったりしないかなーと思うんですよね。自戒を込めて。笑
デザイン好き好きーパラブーツ流行ってるしいいっしょーという勢いだけで買ってしまうと、後々手放すことになってしまったりやっぱりサイズ合わない…と後悔してしまう気がするのです。
シャンボードを含めパラブーツは本当にいい革靴です。しっかりケアして10年も20年も履いてらっしゃる方もたくさんいます。もちろんもっと年代物の逸品もゴロゴロしてます。
そういった付き合い方が出来る革靴を買うのは、金額的にもやっぱり大きな買い物だと思いますので是非後悔しない買い方をしてほしいと思います。
まあ革靴は経験値だ!っていうのもご尤もなので、どんどん失敗するべきというご意見も正直頷けちゃうところはあるんですけど。笑
それでも長い時を共に過ごす初めての一足は、最高の条件で買ってあげて欲しいなぁと首藤は思うわけです。
シャンボードの購入に迷った際は、ちょっとだけ上記を参考にしてみてください。