ディンケラッカー解体新書!
とか適当にかっこつけた名前つけてますが、ディンケのまとめ記事のタイトルをこれで統一したいと思います。
とりあえず首藤が知ることが出来たディンケの知識をまとめたいと思いますよ。
ディンケについてはこれを見れば(ある程度)大体わかる!みたいなまとめに出来たらなーと思ってます。
第一弾は、ハインリッヒディンケラッカーのソール一覧!
ディンケのソール一覧ってあんまりないなーと思ったのでまとめてみました。
やはりディンケのソールと言えばトリプルソールが有名ですが、意外に他にも結構種類があるのです。しかも癖多数です。笑
ちなみにこの記事は新たなソールが確認でき次第追加されていきます。
※こういうまとめ系はある程度の範囲内でしか確認できず、過去のモデルなどはわからないので、調べられるものだけに限られますので予めご承知おきくださいね。
前提:レザーソールとラバーソールについて
出典:https://www.lederfabrik-rendenbach.de/1/rendenbach-tannery/
ハインリッヒディンケラッカーで使われるレザーソールの底材は、すべてドイツのジョーレンデンバッハのものが使われています。あのソールの裏に「JR」とマークがついてるやつですね。
個人的にあのJRのロゴマークめっちゃかっこよくて好きです。
レンデンバッハは底材として高級な部類に入ります。正直ネットでの意見を見ると賛否分かれるようですので、結構好みはあると思いますが。
しかしながら並み居る高級紳士靴ブランドで、ハイグレードのラインにレンデンバッハの底材が使われていることから、やはり一般的に非常に価値のあるものだと認識されている気がします。
このジョーレンデンバッハのソールは、所謂「オークバークソール」と言われるもので、原皮の状態からタンニンで鞣されたものです。 このタンニン鞣しを、なんと1年間かけて行うという半ばイカれた製法により、革の繊維の目が詰まった丈夫で減りにくいソールに仕上がっていくのです。
じっくりしっかり仕上げれられたレンデンバッハのソールは、通常の底材よりも硬く、それ故相当な耐久力を誇ります。 素材としての硬さは最高レベルですが、しなやかさも備えているので、馴染んでいけばしっかりかえりが付いてくるのも特徴的です。(普通よりちょっと時間はかかりますが)
ディンケでは基本的にすべてのレザーソールはヒドゥンチャネルで縫い付けられています。RIOやBUDAみたいに一番下の底材がセメント接着となっているモデルもありますが。その他ラストにおいてもオープンチャネルのモデルはないので、原則すべて縫い目はない見た目となりますね。
またラバーソールについてですが、ディンケでは一般的な革靴に使用されているダイナイトやリッジウェイなどのモデルはなく、オリジナルのラバーソールが採用されています。
このオリジナルラバーソールには、OKギムウィック社(読み方諸説あり)というところで作られる、ドイツの軍事用の自走砲に使用されるタイヤの素材と同じものが使用されています。簡単に言うと戦車です。
引用:http://barbarossa.red/tankothermilitallyvehicle/
※あくまで自走砲のイメージです
完全にオーバースペックな素材で作るあたり、ドイツ感があって最高さが滲み出ていますね。超最高です。かっこいい。
代理店の説明によると超絶な耐久性を誇るラバーソールであり、他社のものとは一線を画すレベルであるようです。(滑る滑らないはまた別の話ですけども)
ということで、上記がディンケで使用されるレザーソールとラバーソールのざっくり事前知識になります。これをもとに各ソールをご紹介していきますよー!
レザーソール部門
トリプルソール
まずはご存知アイコンとも呼べるトリプルソールです。
トリプルソールが採用されているラストは、RIOとPARISの2種のみとなります。(写真はRIOのソール)
ジョーレンデンバッハの底材が3枚分積まれ、なんと厚さ合計1.5cmのソールの出来上がりです。ソールの2層目まではハンドソーンウェルテッドで取り付けを行い、3層目をセメント接着しています。(最近RIOの断面図でこの縫い付けに疑問の声が上がりましたが確証はないので公式の説明に則ります)
ちなみにRIOには上記のようにデフォルトでトゥスチールが装着されていますが、PARISは飾り釘のみとなります。理由は全くの不明。笑
ダブルソール
Heinrich Dinkelacker BUDA(ブダ)のソール
続いてダブルソールです。
こちらがハインリッヒディンケラッカーのレザーソールの中で言うと一般的なソール仕様となります。というかディンケのレザーソールモデルの場合、上記のRIOとPARIS、またローファーのモデルを除けば、このダブルソールが標準仕様となります。
BUDAもツォップナートが搭載されていてダブル以上にゴツく見えますが、ソールはダブルソール仕様ですね。
すごくないですか?二回言いますけど、レンデンバッハのダブルソールが標準仕様なんですよ?笑
逆に言うと、通常の紐靴にシングルソール仕様の靴はないということになりますね。なんというか、合理的なというか、ここにも力強いドイツさを感じてしまいます。笑
通常の革靴であればダブルソールなだけでゴツめとか、かえりが気になるとか言われているレベルなのに、ディンケのこのスタンダードさはやはりちょっと異質なんだなと思います。
RIOやBUDAのフルブローグが戦車なんて呼ばれ方をしていてそれが目立っていますけれども、なんというかディンケは全体的にかなり強靭なラインナップになっています。
こちらはZURICH(チューリッヒ)のソールです。
ツォップナートのないダブルソールですが、それでもやはりゴツさは否めないですね。最高です。
シングルソール
出典:https://www.heinrich-dinkelacker.com/wien-plain-bc-1.html
シングルソールはローファーにのみ採用されています。
日本の代理店別注品であるノルウィージャンローファーは例外的にダブルソールが採用されていますが、基本的にディンケのローファーは柔らかさや馴染みやすさを重視して、シングルソールで作られています。
ローファーは他にもラバーソールでの展開も多いので、ディンケのシングルソールはローファーのベーシックでありながらも全体的に見ると限定的な展開であると言えますね。総合するとシングルソール自体のモデルは結構少ないと思います。
純粋なシングルソールのローファーは、WIENの良さを一番に体感できるモデルだと思いますので、是非一度は噂の履き心地を体験してみたいところです。
ラバーソール部門
ラバーラグトレッド(ラバーソール)
・Double Sole with Rubber Lug Tread
A water-repellent outsole with a rubber lug tread reinforces the leather midsole — ideal for cold, wet conditions. Featuring unique sole construction with leather strips woven into the welt.
ラバーラグトレッドを備えた撥水性のアウトソールは、革のミッドソールを補強します。寒い、濡れた状態に最適です。 革のストリップをウェルトに織り込んだユニークなソール構造が特徴です。
出典:https://www.heinrich-dinkelacker.com/buda-full-brogue-h.html
正式な呼び方がわかりませんが、公式サイトではこのラバーソールはDouble Sole with Rubber Lug Treadと記載されています。
ディンケで採用されるメインのラバーソールですね。
こちらが皆さんが想像されるディンケのラバーソールかと思います。あの戦車の素材が使われているという例のやつですね。笑
ラバーソールにしてはそんなに厚さはなく、ゴムもかなり固めの印象を受けます。パラブーツのソールやリッジウェイなどとは全然違う感触です。
恐らく防滑より耐久性にステータスが全振りされているタイプのラバーソールかと思われます。
こちらはオイルドヌバックやウォーターバッファー、グレインレザーなど雨に強いor耐久性のあるアッパーのモデルや、ブーツモデルに多く採用されていますね。
オイルドヌバックのモデルなんかだと、ほとんどが雨靴としての用途となるため高確率でこのラバーラグトレッドが採用されています。
ある程度固さはありますが、ラストが足にマッチしていれば気にならないレベルですね。柔らかめのラバーソールのグニグニとした感触はなく、どちらかと言えばハーフラバーを貼ったレザーソールに近い感触かと思います。
代理店のブログによると5年履き込んでも、トップリフトのブランドロゴが消えていないという化け物レベルの耐久性を誇るらしいので、ソールに耐久性を期待されている方にはうってつけなのではないかと思います。
首藤はトリプルソールと並んで、このラバーソールが非常にディンケらしい仕様なのではないかと思っています。
フレキシブルラバーソール
次にフレキシブルラバーソールのご紹介ですね。
こちらは一見すると上記のラバーラグトレッドの色違いのように見えます。
首藤も履いたことはないのではっきりとはわかりませんが、公式サイトの説明が異なっています。
・Double Sole with Flexible Rubber Sole
A water-repellent and extremely flexible rubber lug sole reinforces the thin leather midsole. This double sole is perfect for warm weather.撥水性のある非常に柔軟なゴム製のラグソールが、薄い革のミッドソールを補強します。 このダブルソールは暖かい気候に最適です。
上記のラバーラグトレッドが寒い気候に適切であるとあったのに対し、こちらは暖かい気候に最適ですとあります。
またミッドソールが薄いことと、撥水性・柔軟性が強調されているようです。
ソール自体がラバーラグトレッドと色違いなだけで、同じソールなのかは現時点では不明ですね。なんともです。
ただローファーやスエードのルツェルンなどライトな靴に使用されているイメージがあるので、説明文が異なるだけのような気もしますね。 個人的にはカラーとミッドソールの厚みの違いだけで、ソール自体は同じものなのでは?と睨んでいます。
万が一別物であったとしても代理店のブログには、このフレキシブルラバーソールも自走砲の素材であると書かれているので、同様の耐久性は期待できるのではないかと思いますよ。
むしろ柔軟性がある分こちらのが方が柔らかさを感じられていいかもしれないですね。
いちラッカーとして両方履き比べてみたいところです。
ロゴプリントラバーソール
次に便宜上勝手に名付けてますが、ロゴプリントラバーソールです。
そもそもロゴなのかも不明ですが、ラバー素材に狂ったようにHeinrich Dinkelackerと文字プリント(刻印?)されているタイプのソールですね。
ちなみにハーフラバーとなっており、トップリフトはディンケ得意の飾り釘が入ったレザー仕様です。せっかくのラバーソールですが滑りそうな気がしないでもないですね…。笑
出典:https://www.heinrich-dinkelacker.com/luzern-full-brogue-v.html
これも上記のフレキシブルラバーソール同様ローファーや、上記のようなスエードルツェルンなどのライトなシューズに適用されるイメージがあります。
ちなみに日本限定のノルウィージャンローファーはこのロゴプリントされたラバーソールの仕様になっていますね。
Double Sole featuring Synthetic Wedge
A synthetic outsole and leather midsole ensure a high level of flexibility. A synthetic layer makes this sole light and flexible.合成のアウトソールと革のミッドソールは、高いレベルの柔軟性を保証します。 合成層がこのソールを軽くて柔軟にします。
出典:https://www.heinrich-dinkelacker.com/luzern-full-brogue-v.html
公式の説明書きを読むと、かなり柔軟性に重きを置いているようですね。
確かに最初からある意味ハーフラバー仕様となるので他のタイプのラバーソールよりは柔軟性がありそうです。
シンセティックウェッジソール
出典:https://www.heinrich-dinkelacker.de/campus-full-brogue-ag.html#
https://www.heinrich-dinkelacker.com/campus-full-brogue-c.html#
珍しいソールのご登場ですよ。
ビブラムにもこういうソールありましたよね。ソフトなシャークソールみたいな感じでしょうか。
公式の説明文は以下の通りです。
・Synthetic Wedge Sole featuring Rubber Lug Tread
A rubber outsole with a sawtooth lug tread and a thin leather midsole ensure a high level of flexibility. A synthetic layer makes this sole light and flexible.ノコギリ歯のトレッドを備えたゴム製のアウトソールと薄い革のミッドソールにより、高い柔軟性が確保されています。 合成層がこのソールを軽くて柔軟にします。
出典:https://www.heinrich-dinkelacker.com/campus-full-brogue-c.html#
なんか上のロゴプリントのソールとおんなじようなこと書いてますが、こちらも柔軟性を重視したソールのようですね。
こちらのソールは首藤はCAMPUS(キャンパス)というラストでしか見たことがありません。
CAMPUS(キャンパス)ラストはこのソールでの展開が多く(むしろ他にソール展開あったかな?というレベル)、過去の展開を見るにおそらくリラックススタイルメインのラストになっているのではないかなと思いました。
ディンケにしてはかなりポップでカジュアルな印象です。
アッパーはコードバンやグレインレザー、またヌバックなど様々な展開がありましたので、通常のビジネススタイルとは異なるリゾートスタイルでのディンケらしさの提案の一つだったのではないかと思います。
そういった狙いとしてはこのソールはうってつけですね。
非常にライトで夏らしさを感じさせるソールの仕上がりになっています。
ブログ執筆時にはすでにCAMPUS(キャンパス)の展開はありませんが、いつか再度リリースされることがあったら手にしてみたいものです。
トリプルクレープソール
お次の変わり種はこちら。クレープソールです。
それもただのクレープソールではなくトリプルソール仕様。
かわいいのにパンチありますねぇ。
・Triple Sole with Natural Crepe
The triple sole consists of a leather midsole as well as two natural crepe rubber soles and is, therefore, particularly suitable for wet and cold days.トリプルソールは、レザーミッドソールと2つの天然クレープラバーソールで構成されているため、特に雨天や寒い日に適しています。
過去にもリリースされた履歴があったどうかはわかりませんが、これは2019AWで展開されたRIOに採用されたモデルのうちの一つですね。
MAMBOというオイルレザーでブーツと短靴の2モデルが展開され、そのソールとして採用されたのがこのトリプルクレープソールです。
上から、レザーソール・クレープソール・クレープソールの組み合わせトリプルソールになってます。
MAMBOというのがオイルレザーで防水性を売りにしたモデルだったので、それに伴いこちらもそういった特性が仕様として記載されていますね。
このモデルを履いたことはありませんが、首藤の体感的にもクレープソールを含むフラットなラバーソールは、冬道で予想以上のグリップを発揮することを体験済みです。
このクレープソールは若干ラインが入っているので、どれだけの防滑性を秘めているのかはわかりませんが、感覚的に雪道もいけそうな気がします。
写真のRIOのチャッカブーツモデルは北国の冬でも充分に活躍しそうなので、縁があれば履いてみたいものですね。
またいつか新たなモデルで、クレープソールがリリースされることを期待しています。
まとめ
ということでディンケのソール一覧のご紹介でした!
現在展開されていて把握できているソールは下記となります。
- トリプルソール
- ダブルソール
- シングルソール
- ラバーラグトレッド(ラバーソール)
- フレキシブルラバーソール
- ロゴプリントラバーソール
- シンセティックウェッジソール
- トリプルクレープソール
新たなソールが確認でき次第追加していきたいと思います!