ブログが前後してしまいましたね。先日冬眠に入ったRIOのプレーントゥちゃんの話です。
冬眠ケアに入る前にかっさ棒で色々頑張ったんです。
前回のブログ(④実地検証)にて重罪を犯した首藤。
犯した罪は償わねばなりません。自分で取り戻すのだ。
※前回までの防水実験はこちらから
ここにきて初めて本当の意味でかっさ棒を使うことになりました。
重度の水シミによりブラッシングでは消えなくなった雨シミを、かっさ棒でぐりぐりして解消していくことにします。
頼むこれで消えてくれ。元のかわいい笑顔を見せておくれ。そのあと君は冬眠に入ってくれ。ひどいことしてごめんよ。
何故突然のラナパー?
みなさんかっさ棒でグリグリされるとき、何を使われていますか?
首藤は今まで普通にモウブレイのデリクリを使っておりました。
こちらですね。
そのほかシュプリームクリームやクレムなんかを潤滑油替わりにしてやったりしたこともあるんですけども。ずっと思ってたんですよ。
すぐ乾いて逆にやりづれぇ…
クリームがすぐ思いのほかすぐ乾いちゃって、むしろかっさかさで滑り悪くなってやりづらいんですよね。なしでやってもいいんですけどちょっと効果がわかりにくいのと、なんか傷つきそうな気がしてそれも微妙。
上記の理由からなんとなくかっさ棒って使いづらいしめんどくさいし時間かかるしまだいいかな…とか思って遠ざけてたんですが、今回ばかりは使わざるを得ないのです。むしろこれが本来の役割な気がします。どうしたもんか…。
そんな風に思っていたところ、ふと以前かっさ棒使ったけど効果が全然わからなかったみたいな記事を書いたときに、コードバン磨きの超絶パイオニアであるタケイさん(インスタ:@takei0201)からDMでご連絡いただいていたことを思い出しました。
※これがその時の記事です。今見返すとすごい何も得られない記事ですねこれ。笑
首藤のビギナー丸出しの悩みを見かねて、なんと直接アドバイスを下さったのです…!その節は本当にありがとうございました。
タケイさんにご教示いただいた内容をまとめるとこんな感じ。
- かっさ棒を使う際はラナパーが最強
- 少し多めに塗布してマッサージ
- 多少力が入って筋がついても馬毛ブラッシングで消える
- 最後に余分なラナパーをしっかり拭き取ればベタつきもなし
ちなみにタケイさんが預かり磨きをされる際は最低でも3~4時間クリクリされてるらしいですよ…!(戦慄)
2時間クリクリのBefore/Afterを見せていただきましたが、すでにその時点でも全然違うので、今回も最低でも2時間は必要なのではないか…と思う所存です。4時間やったらどうなっちゃうんでしょうね。やばいですね。
ラナパー レザートリートメントって?
ちなみにラナパーってこんなやつです。(知らない方のために)
価格:¥3,300
容量:250ml、スポンジ2個付
成分:ビーズワックス(蜜蝋)・ホホバ油・ワセリン・ラノリン100%
靴のケアではあまり使われることはないのですが、バッグや財布などの革製品全般に有効な超万能トリートメントです。ちなみに首藤はおすすめされるがままにHERZのリュックを買った時に同時に購入しています。今でもHERZのケアはラナパーオンリー。
また実家では革張りのソファーのケアに役立っているようです。固形オイルのようなテクスチャで伸びが非常にいいのでソファーなんかの面積が広い革製品にも塗りやすいので結構使われている印象がありますね。
Renapur(ラナパー)は大きなメーカーの商品ではなく、ドイツの片田舎の小さな工場で創業者Schindler一家の手によって、創業時の1988年より変わらないレシピで作られている商品です。実家の秘伝てやつですね。今でも大規模生産はしていないので、ちょっと高価なケア用品かもしれません。
しかしながらコスパは首藤が知るケア用品の中でおそらく最強クラスだと思います。このラナパーというやつ、とにかく減りません。全くと言っていいほど減らないんですよ。笑
首藤は当時革製品も多いし結構使うだろという予想から、一番大きなサイズの250mlを購入しました。3300円だけどいいだろうと。数年持てばコスパもいいかななんて思いつつですよ。
蓋を開けてみればどうですか。バッグ、財布、時には靴にも使いましたね。いくら使えども使えども減らないんです。
それもそのはず伸びがヤバいんですよ。付属のスポンジでさっと表面を撫でてからカバンに塗るだけでとにかく広範囲までカバーできます。ある程度固形なので液体クリームのように付け過ぎるということが少ないんですよね。
それでもかなり付け過ぎの首藤ですら、全く減らないと感じるレベルでした。「これは長く使えるな」とかじゃなくて「あーこれ一生使い切れないな」という感じ。
250mlなんてもうほんとそのレベルです。たぶんお持ちの方はよくわかると思います。笑
水シミの状態を確認しよう!
なんにせよまずは状態確認ですよ。どれぐらい雨シミ残ってるんでしょう。
光の加減の関係で中々状況を伝えるのは難しいかもしれませんが、画像で出来る限りご案内します。
右足ヴァンプです。
うっすら点模様が見えるのがおわかりいただけますでしょうか。埃ではない、確実に雨シミなやつです。
アップにしてみるとこんな感じ。
履きジワのあたりとかわかりやすいのではないでしょうか。
左足ですね。
おわかりいただけただろうか。もう一度ご覧いただこう。
ドーン。さすがにこれはわかりやすいですね。完全に水玉模様です。笑
左足の方が水シミが濃いめに出来ている気がしますね。
サイドもこんな感じ。これはわかりやすい。結構ボツボツあるもんですねぇ…
こちら右足。あれ?こっちはそこまでついてないですね。
サイドを見てもやっぱりあまり確認できない。
これあれですかね。首藤式コードバン防水、ちょっとは効果はあったっていうことなんでしょうか…?
これは意外な結果ですね。
首藤式コードバン防水を施した右足の方が、ヴァンプのシミは薄めでサイドに関しては明らかに左足よりシミが少ないです。
ちょっとでも意味はあったんや…。なんか少しだけ嬉しい気持ち。
このほんの少しの成功を胸に来年もまた頑張っていこうと思います。
そうは言変わりありません。笑
ということで今回は、水シミのひどい左足をサンプルにして、かっさ棒ラナパーぐりぐり処置を施していきたいと思いますよ。
かっさ棒でグリグリケアをしていく!
ラナパーを多めに塗る!
早速始めていきましょう。
まずはラナパーです。おわかりいただけますでしょうか。まだまだ鬼のように入っているのを。笑
これをクロスに取っていきます。固めのテクスチャなので力を入れてグニッっと。イメージは固めのグリースですかね?あーワセリンとかちょっと近いかもしれません。あれより気持ち固いです。
…結構取れましたね。でも今回はこれでいいのです。
スポンジで表面を撫でる程度にしかつけないので、こんなに使うことはありません。
こんなのケア目的で塗ってたベッタベタのギットギトでフィニッシュです。
まずグリグリしたいところに塗っていきます。
最初はヴァンプからですね。
ラナパーはあくまで潤滑剤としての役割です。
しっかりふき取るのが前提なので多めに塗布&実際にグリグリするタイミングで処置していくパーツごとに乗せていく感じがいいかもしれませんね。
ヴァンプが終わったら、次はサイドにラナパーのせてまたグリグリ、次はヒール周りにのせてグリグリ、みたいな感じで。
かっさ棒で二時間グリグリ!
ということで耐久戦スタートです。
首藤は一つの工程に二時間かけることなんてまずないですが今回は別です。
これはシューケアというよりは復旧作業だと思っています。そう考えると時間がかかるのもまた当然というものです。これを以って贖罪とする…!
かっさ棒のゴリゴリのやり方は人それぞれですよね。
首藤も合ってるかよくわからないですが、とりあえずタケイさんのインスタの動画を見ながらやってます。笑
面積の広いトゥやヴァンプの部分は太い方でやります。
円を描くようにやったり縦横シャカシャカやったりと縦横無尽に駆け回ります。
尚、この時視線はHULUにくぎ付けです。ながら作業で時間を忘れるのがポイント。
ひたすらグリグリやり続けます。尚、1時間ほど経過してもラナパーが乾くことはありません。多めに塗布したおかげかいつまでもぬるぬるし続けるという寸法です。
太い方でカバーできないところは細い方に切り替えてくりくりします。トゥやサイドラインなどがそうなりますね。
それぞれやりやすい場所やりづらい場所はあるので、グリグリしながら自分で会得していきます。時間はいくらでもありますからね。二時間の間に色々検証しましょう。
滑りが悪くなってきたかなーと思えばちょい足しすればいいと思います。あんまりないと思いますが。笑
ということで二時間終了!!
長かった…長かったよ…。アニメ6話分ぐらい見ました。片足のケアで1クールの半分見れちゃうんですよすごくないですか?
ひたすら向き合ってくりくりしてるより絶対いいので、かっさ棒やるときはドラマやアニメなど見ながらやることを強くお勧めします。笑
拭き取り&ブラッシングで整える
クロスでべっとりついたラナパーを拭き取っていきます。
いつもより入念に乾拭きしましょう。油分というのはしつこいものですからね。
元々の色落ちと相まってめっちゃとれました。これも結構地味に時間かかりますね…。
出来るだけスベスベになるまでしっかり乾拭きですよ。首藤の約束です。
その後は馬毛ブラシでブラッシングをします。
これはタケイ流になかったと思いますが、なんとなく拭いただけだとあれな気がして、いつもの流れで馬毛ブラシでブラッシングしてしまいました。笑
なんか最後ののシメはブラッシングみたいな。整う印象があります。気持ちの問題かもしれませんねこれは。
ケアの結果を見てみよう!
かっさ棒に時間耐久レースが終了しました。結果を見てみましょう。
今回は首藤式コードバン防水を施さなかった左足のみ処理を行っています。
めちゃめちゃマットな質感。そしてブラッシング跡が残っています。まだ拭き取り足りないというのか…!
あとでやります。もういいのでとりあえず仕上がりを見ていきましょう。果たして水シミは消えたのか!
おー、消えて…ない?笑
かなり薄くなりましたが、完全には消えてないようですね。
しかしながらよくよくみないとわからないレベルです。
質感がマットなだけかもしれませんが…笑
うーん、まだ残ってはいますけど、許容範囲!笑
ヒールは大丈夫そうでしょうかね。
こちらはいい感じ。
二時間頑張った結果です。
個人的にはこれぐらいなら全然いいんじゃないか!レベルです。
完璧に消えなくても傍目に見えなくなれば全然いいですからね。
ちなみにBefore/Afterで比べてみましょうか。
Before
After
うん、何とも言えないですね。笑
それでも現物は結構いい感じに薄くなってるんですよ!よくよく見ないとわからないレベルまでは回復しております。
質感がマットなだけかもしれないと思いましたが、この後行った下記の冬眠ケア後の写真で水シミが全然わからなくなっているので、これはもうクリアと言ってもいいんじゃないでしょうか。
スリープシャイン、リッチモイスチャーでのケア後です。
完璧ではないですが個人的には全然OKな仕上がり!二時間頑張った甲斐がありました。
かっさ棒まで終わっての感想
正直かっさ棒の効果が超あった!!という実感はそこまでないんですが、ちゃんと薄くなったので結果オーライというところです。笑
やはりガチガチに雨シミになって水玉模様が出来てしまったら、完全に取り去るのは相当難しいのでは?と思いました。薄くするだけでも片足二時間の重労働ですからね。超きついです。
それを考えるとやっぱりコードバンは濡らさないのがベストだなと改めて想いました。笑 それか濡れたら本当に即ケアするかですね。
ほんと超絶当たり前のことですけど、身を以って知ることができたのでいい教訓になりました。
完全なコードバン防水というのもまた一つのロマンではあると思うので、またメンタルが回復していい方法を思いついたら、チャレンジしてみたいと思いますよ。
まとめ
今回はコードバンの水シミ対策、かっさ棒にラナパーを使ってみようの回でした。
この後右足もくりくりして同様に薄くなるよう頑張りましたよ。
水シミ云々にかかわらず、かっさ棒を使ってケアをする際にラナパーを使うというのは、まじでめちゃくちゃお勧めです。さすがタケイ流やで!
乾くことなくずっと潤滑剤として機能してくれるので、かっさ棒ケアには本当にうってつけだと思います。
コードバンをたくさんお持ちで、かっさ棒をよく使われる方は是非使ってみてください。超快適になりますよ。
またラナパーは、一つ持っておくとカバンや財布などの他の革製品にも万能に使えるので、そういった意味でも持っていて損はないよなーと思います。
一生買わなくていいようにするなら、首藤のように大きいサイズがいいと思います。笑
以上、かっさ棒にラナパー最強説の実証記録でしたー!おすすめ二重丸です。