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【ディンケ140th⓪】今更ですがHeinrich Dinkelacker (ハインリッヒディンケラッカー) 140周年記念シルバーエディションの何がすごいのか、暑苦しく語らせていただきたい!!

 

 

かなり今更ですが、ここでハインリッヒディンケラッカーの140周年記念イベントがどれだけ激アツなのか、ということをディンケ好き(ラッカー)の視点から解説させていただきたいと思います。

 

140周年イベントについては、こちらのブランド紹介の記事でも少し触れましたね。 

 

すでに申し込み済みの方は、ワイこんな特別なモデルをゲット出来るんや…!!と感動に打ち震えてください。 

惜しくも参加できなかった方は、革靴業界に一石を投じた、ディンケの今回の周年イベントの面白さや特別さを感じてみてください。そして是非ディンケをゲットしてラッカーとなり、次なるイベント(145周年か150周年?)に備えていきましょう。

 

150周年だと首藤は40代に突入していますが、まだディンケを履けているでしょうか。笑

履いてるといいなぁ。10年後にゴリゴリにエイジングした140周年記念モデルとの比較記事とかあげてみたいですね。

 

今回の解説記事で、ディンケ仲間(ラッカー)が増えると嬉しいです。

 

※ちなみになんとこの記事で首藤革靴出張所はめでたく100記事を突破しましたー!

これも全てはいつも読んでくださる皆様や色々教えてくれる仲間のおかげです。感謝感謝。こんな知識薄々の弱小ブログですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します!

 

 

目次

140周年記念イベントの概要

シルバーエディション?

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

THE SILVER EDIOTION(シルバーエディション)というのは、今回の140周年記念イベントの名称?テーマ?みたいなものですね。その名の通り、至るところにシルバーの要素が散りばめられています。

 

あらゆるところにシルバーを使っていくスタイル

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

特設サイトがもうシルバー推しでしたね。画像の背景もシルバーだったり。

トゥキャップは通常のゴールドからシルバーへ、ソール裏の刻印もシルバーの特別仕様です。靴紐もシルバーとブラックが用意されていますね。あとはなんと言ってもツォップナートでしょうか。特別なシルバーの糸で編んだ三つ編みは、通常仕様から感じるゴツさよりもエレガントさが先にきますね。

 

エレガントで、時代を選ばず、並外れている。ディンケ自身が自らをそう称するように、ハインリッヒディンケラッカーは、ドイツで最も古く、最も高級なメンズシューズブランドの1つです。あれ?エドワードマイヤーは?という質問はやめてくださいね。ディンケが自分で書いてるんですからね。首藤のせいじゃないですからね。)

 

そして全然関係ないんですけどこの流れで「並外れてる」ってくると、どうしても頭の中でBUDDHA BRANDの人間発電所が流れてくるんですよね。笑

粋な男のおでまし
ILLで1番いかすMC that’s me me
イカれている イっちゃってる 異ノーマル
普通じゃない 並み外れてる!

 

DEV-LARGEの登場シーン?あたり。このパンチラインは鳥肌ものですよね。ほんとディンケには全然関係ないんですけどね。でもこの曲も相当なクラシックなので、ある意味ドイツのクラシックを体現しているディンケとはちょっと繋がる?ところがある?みたいな?完全にILLでいる秘訣知ってる的な流れで行きたいですけど止まらないのでそろそろこの話やめにします。

 

まあそんなことはよくて、スローファッションの精神に則って長年伝統の製法で変わらずハイクオリティなシューズを作り続けたハインリッヒディンケラッカーですが、Shoepassionとの合併により創業140周年となる今回、このシルバーエディションをテーマに新たなる挑戦が行われました。

 

Kickstarterで実質受注生産!

Kickstarterとはクラウドファンディングの一つですね。
(ちなみにクラウドファンディングとは、あるプロジェクトをやりたい企業(又は個人)が、クラウドファンディングサイトを通して支援者を募り資金を集め、それらを元にプロジェクトを成功させ、支援者に報酬を返すというものになります。)

 

Kickstarterではプロジェクトの概要と共に、企業側が資金の代わりに提供できるサービス(プレッジ)が複数用意されており、それぞれ組み合わせやプランによって値段が違うので、支援者は自分に合ったプレッジに支援(バック)をし、支援者(バッカー)となります。
そして期間内に目標金額に達成すれば、企業側はそのプロジェクトを進めて完遂させ、支援者にプレッジ通りの報酬(リワード)を提供します。

 

これを革靴に当てはめると、 なんてことはない、ただの受注生産です。笑

クラウドファンディングという機能を利用した、全世界から応募を受け付ける新しい受注生産の形ですね。

 

応募は2019年3月28日 – 2019年4月29日の期間で行われ、この期間内に自分で欲しい靴を選んでそのプレッジにバックすれば、晴れてバッカーの仲間入りです。あとはディンケからの発送を待つだけ。

一応当初の商品完成・発送目標は10月あたりとなっていましたが、コードバンの到着に遅れが生じているようで、発送はまだ先になりそうです。

 

今回の場合だと達成すべき金額というのも正直特にないので、ほぼ一瞬で目標金額を達成しプロジェクトは成功となってましたね。笑

達成後は単純にプレッジやバックのシステムを利用した、受注生産のオーダーになりました。

 

誰でも参加できる!そして安い!!

別に靴メーカーがクラファン利用するのは珍しい話ではないんですが、ちょっと事情が違うのは、これがかなり戦略的だってことですね。

 

ただの受注生産なら単純に自社のサイトで応募すればいいんですよ。

クロケットの140周年モデルは、普通に自社サイトでの展開ですからね。(これは受注生産ではないですが一応メールオーダー的な感じだったので「自社サイトでやる」部分として引き合いに出させてもらいました)

 

ここで今回ディンケがクラファンを選択したのは、おそらく「広範囲から受注を受けること」「価格を抑えること」が理由だと思います。

 

通常の受注生産でもできるんでしょうけど、ここでポイントとなるのは、Kickstarterというクラウドファンディングのシステムとサイトを媒介することによって、すでに出来上がったフィールドで受注生産のシステムを利用したこと。

支援者側からも他の人からの支援状況や、それぞれの靴の人気の状況などが可視化され、とても新鮮なものに映ったと思います。

またクラファンには期限がありますので、その期間内でのオーダーとして期限をしっかり区切ることで、購買意欲を煽り且つ注文から製作までのスケジュールを安定させる役割もあったはずです。

 

そしてもう一つは価格を極限まで抑えられたこと。

普通周年記念モデルってレギュラーモデルより高くないですか?首藤はそんなに革靴業界の常識を知っているわけではないですけど、周年記念モデルって素材だったり作りだったりがかなり特別な仕様のものが多いので、レギュラーモデルよりも高く設定されているのが通常だと思うんですけど、今回のディンケの140周年モデルはなんと通常品より安いです。それもかなり。

 

RIO CとRIO C+を例にとってみますと、どちらも値段は495€(レートにもよりますが6万円ちょっとぐらい)です。

これ公式サイトで普通のRIOのコードバンモデルだと$1,065(約115,000円)ですよ?そして国内定価だと156,000円ですからね。

 

公式からだと約45%OFFぐらい、国内定価からだと約60%OFFぐらいになるってことですよね。

記念モデルなのにこの値段設定って、正直かなりイカれてません?笑

 

今回のような形態だと事前にオーダーを確認できるので在庫を抱える必要がないですし、受注生産形態であるために様々なコストカットが実現でき、プロパー価格よりもかなり金額を抑えて提供することが出来るためでしょう。

でもそれにしたって、記念モデルをこの価格設定にしたのは相当な決断だったと思います。下手をすればブランドの価値を落としてしまう事態になりかねないはずです。

 

恐らくこの部分については、クラファン制度を利用したことと関係があると思うのですが、価格より広範囲に認知してもらうことと購入の敷居を下げてリピーターを増やすことを優先したためではないかと首藤は考えています。(完全な推測ですよ!)

 

公式サイトからの購入でも$1,065という価格設定は、やはり敷居が高いんだと思うんですよね。

だからこのクラファンの受注生産サービスを利用し、コストを抑えて今まで憧れだけに留まっていた購買層に働きかけたのではないかと思うんですよ。値段が理由で買えなかった層をここで獲得することに意味があったのではないかと。

 

恐らく靴自体のクオリティに相当自信があるために出来る芸当なんでしょうけど、この周年モデルでそういった購買層に購入してもらうことで、その履き心地を体験させ、レギュラーラインへのリピートを狙ってるんじゃないかと思うんですよね。6万円であの履き心地とクオリティなら、正直めちゃくちゃやばいじゃないですか。だからそこで採算度外視で今後のリピーターに先行投資をした気がするのです。

 

憧れだけだった購買層も、初めて購入したのがディンケのアニバーサリーモデルでしかも履き心地が最高となれば、ハマってしまえばお金をためてもう一足買ってみるかな…となるかもしれませんからね。特にディンケは、結構中毒者が多いような印象ですし。笑 ん?誰のことかな?

 

ということでこの辺りは推測の域を出ませんが、とにかく世界中の誰でも参加できたこと、価格が大幅に安いことが今回のアニバーサリーイベントの特徴だと思います。

 

アニバーサリーモデルを解説!

今回の140周年記念のアニバーサリーモデルをご紹介していきますよー!

もうなんというか、ここまでシルバーぶち込む?笑 みたいなのばっかりです。笑

ある意味ちょっとキワモノ感あるかもしれませんね。しかしながら、それでもかっこいいんですディンケは。

 

Rio Full-Brogue STA

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

かつてここまでシルバーをテーマに推しまくった記念モデルがあったでしょうか。テーマを決めたらとことんやり切るのがジャーマンスタイルなんでしょうかね。ここまで振り切ってくるといっそのこと清々しいですね。 

 

まずはオーソドックスなRIOのフルブローグモデルです。マテリアル以外は。肝心のマテリアルはシルバー感ゴリ押しのSTA(St. Anthony leather)という謎の素材です。笑

もはや実用性があるのか不思議なところですが、まさに今回のシルバーエディションを象徴する靴でしょうね。一番の伝統を誇る木型であるRIOとシルバーレザーの組み合わせ。

正直首藤は全く履ける自信はないですが、いちラッカーとして神棚に飾っておきたいなという気持ちは少しだけあります。

 

これ日本の方でバックした方いないですかね?是非実物を拝んでみたいです。履いてみたらめっちゃくちゃかっこいいとかありそう。エレガンスなパーティーでドレスアップしたりすると、めちゃくちゃハマるかもしれないですねこれは。そんなパーティーに行く機会が首藤にあるかは疑問ですが。一部のエグゼクティブ向けなモデルなのでしょうか。

あと書いててちょっと思ったんですが、ちょっと極端なモードスタイルとかに合いそうですね。なんというか革靴としてではなく、ファッションアイテムの一つとして。ブラックで統一された細身のモードスタイルに、銀色に輝く足元。それがディンケだったりしたら、確かにめちゃくちゃかっこいい。ありかもしれない…。

 

ちなみにこれ全世界で22人のバッカーがいます。その他のセットのプレッジと合わせると、少なくとも44人の所有者がいることになるので、いつかインスタに登場してくるかもしれないですね。楽しみです。

 

ちなみにこのモデルが一番早く製造に取り掛かれているので、ファーストロットは10月末時点で発送していくことになっているはずですよ。 

 

Luzern Captoe C

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

続いてはこちら、LUZERN(ルツェルン)のストレートチップモデルですね。ディンケ流の表記だとキャップトゥオックスフォードになります。こちらは55人のバッカーがついてますね。

最近よくリリースされるオックスフォードモデルですが、今回はシルバーエディションのメインマテリアルの一つでもあるダークブルーコードバン仕様です。オックスフォード(内羽根)モデルは過去にほぼなかったんですが、最近はこのルツェルンとミラノなんかの木型を中心にリリースが増えていますよね。これも変革の影響なんでしょうか。

 

一応表記ではビジネス向けやでェ的なこと書いてありますけど、デザインはともかくダークブルーコードバンてビジネスいけます?笑 いやわかんないんですけどね、実物見てないですし。

でもわざわざダークブルーって表記にしてるってことはネイビーとは違うカラーだと思いますし、確実にネイビーより薄いはずなんですよ。紺と青ですし。ドイツの職場では許されても中々日本では厳しいのではなかろうか、と私服勤務の首藤は思います。

 

個人的にはこの靴は独特のエレガンスさを纏っているので、普通に濃いめのグレーのスラックスや黒のスラックスとシャツあたりでシンプルに合わせたいですね。ソックスにヴィヴィッドカラー(イエローとかレッドとか)を持ってきても良い感じに綺麗に収まりそうな予感がします。

 

そういえば、日本で人気なBUDAって結構世界的にも人気ありそうな気がするんですけど、なんで敢えてルツェルンなのかなー?って思ってましたが忘れてました。そういえばルツェルンてディンケの中でも世界で一番売れている木型なんですよね。

曰くハインリッヒディンケラッカーの最高傑作。ヨーロッパはおろか世界中で一番人気なのはこのルツェルンなのだそうですよ。だから記念モデルに選出されたんですねきっと。

 

同じGウィズでRIO並みのゆとりはありつつも、シャープな爪先でエレガンスさ溢れる木型ということで人気があるようですが、確かにディンケの中では、トレス向きなラストな気はしますね。

ダークブルーコードバンも相まって、特別なドレスシューズになること間違いなしです。首藤は結構これとの二足セットにするか迷いましたね。結局資金的な問題で断念しましたが。 

 

Rio Full-Brogue C

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

続いては今回のシルバーエディションのアニバーサリーモデルの中でも、一番ベーシックなシューズではないでしょうか。 レギュラーラインと同じデザインのRIOのコードバンフルブローグモデルです。もちろんレザーはシルバーエディション謹製のホーウィンのダークブルーコードバン。

 

首藤は一番最初これにしようかと思ってました。最初はテーマのシルバーがあまりにもド派手に映ったので、シンプル且つオリジナルコードバンも楽しめるのはこれかなーと思いまして。バッカーは35人でした。意外に少なかったですね。C+と競合したのかな。

 

RIOの特徴であるトリプルソール、そしてこれこそまさにと言わんばかりのブダペスターなトゥ。何より安心してRIOのかっこよさを感じられるベーシックモデルな気がします。正直ファッショントータルで考えるとこれが一番合わせやすそうですしね。笑

 

ダークブルーコードバンの時点で、見たことない初カラーですから充分にアニバーサリーモデルとしての記念感は得られると思うんですよね。でもラッカーともなるとそういう感じじゃなくなるんですかね。ちょっと物足りないなとか考えてくるわけですよ。そんな中毒者の人たちは下のモデルに手を出します。

 

Rio Full-Brogue C+

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

出ました。今回のアニバーサリーモデルの目玉です。RIOのSTAとは違ったド派手さがありますよね。

 

RIOのノルウィージャンフルブローグですよ。当然ですがマテリアルはダークブルーコードバン。ツォップナートのシルバーカラー、ブローグから覗くシルバーの下地が、シルバーエディションというテーマを全力で主張してきます。

 

首藤がバックしたのはこのRIO C+です。インスタの同志の方でもかなりの方がこちらをバックされたんじゃないでしょうか。やっぱり特別なモデルですからね。詳細は後述しますけれども。ちなみにこれやはり目玉なだけに、一番バッカーが多く95人がバックしてるようですね。

だって上のRIO Cと値段一緒ですもんね。笑 それなら特別仕様ともいえるこっちを選んじゃいますよねぇ。

 

首藤も最初はちょっとシルバーがド派手なのでどう合わせるかなーという心配はあって迷っていたんですが、靴紐を黒にしたら意外にいけるのでは?という思いが膨らんできて考えているうちになんかこのシルバーが良く見えてきちゃって、むしろこれ以外ないなと段々思うようになってきたレベルです。この画像サブリミナル効果みたいなのなんか出てる?

 

RIOのフルブローグにまさかのツォップナートが載っている特別モデルですよ。

これはラッカーからしたら、かなり特別なモデルなんですよねぇ…グッと来ます。

とにかく今回のシルバーエディションに関しては、このモデルが一番の「記念」になると思います。 

 

その他ノベルティ

 出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

その他プレッジの中には、ブランドロゴのピンやRIOのフルブローグモデルのキーホルダーなどがありました。両方かわいいですよねー。

 

キックスターターの弱点なのですが、一人一つのプレッジしかバックできないのが悔やまれます。

RIO C+に追加でバックすることができれば、首藤もどちらかを頼んでたかもしれないですね。セットのプレッジもありましたが、たぶん作成できる数が限られているので、首藤が望むセットプレッジはありませんでした。今回は泣く泣く諦めました。

 

結局何がすごいの? 

ここまで説明してきましたが、「で、結局何がすごいの?」って話だと思うんですけど、やっぱりせっかくの記念モデルなら、レギュラーラインと何が違うのかをしっかり把握したいところですよね。

 

ここでは、今回のシルバーエディションは何がすごいのかというのを解説していきます。首藤が一番書きたかったところなんですが、正直思い入れの関係からRIO C+の話題に寄っちゃってるのでそこはご容赦ください。笑

 

ソールが特別なシルバー仕様!

 出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

まずはソール仕様です。これはRIOモデルのソールについてですね。

シルバーエディションにちなんで至る所がシルバー的なスタイルに染まってるよという話は上述したと思うんですが、今回はソールの装飾が完全にシルバー仕様になってます。これはちょっと特別感ありますねぇ。履いてしまったら一日で消えてしまいそうな儚い運命を伴ってはいますけれども。

 

これが通常のRIOのソールです。

 

通常ゴールドで装飾されているRIOのソールですが、今回はすべてシルバー仕様。

飾り釘も、トゥスチールもシルバーになっています。また通常黒で印字されているロゴや文字も、すべてシルバーになってますね。個人的にはこの部分が超絶にカッコいいポイントだと思ってます。

 

シルバー刻印のHDロゴかっこよすぎません!?ポジション的にはもう5分で削れる位置取りしてますので、ほんとどうにかこれ保護できないか悩んでます。笑

完全に保護対象ですよこの美しさは。かといってラバー貼っちゃうと保護はできるけど見えなくなるし、なんなら剥がすときに一緒に塗料剥がれそうですよね。笑 めっちゃ透明なハーフラバーとかありませんかね?どうですかリファーレさん?(無茶ぶり)

 

そんな感じで、初っ端からすでに履けなくなりそうな予感満々なディテールです。

神棚シューズとなる可能性も…いやいやしっかり履くんだ。しっかりと。

 

レアカラー? Dark Blue Cordovan

 

続きましてはマテリアルのお話。 個人的にはこれ超レアなんじゃないかと思うんですがどうでしょうかね。

 

今回のシルバーエディションで使われているマテリアルは、RIO STAのSt. Anthony leather を除き、3モデル全てに『Dark Blue Cordovan(ダークブルーコードバン)』が使われます。

 

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

もちろんタンナーは泣く子も黙る、アメリカはシカゴのホーウィン社。

ちなみにディンケではレギュラーラインのコードバンも全てホーウィン社のシェルコードバンが使われています。

 

今回使用されている『ダークブルー』というカラーなんですが、今までのコードバンのカラーラインにはないはずなんですよね。(首藤の激甘調べ)

コードバン含めレザーのカラー名称って、それぞれ革靴のブランドが勝手に決めていたりするので何とも言えないところではあるんですが、少なくとも今まで首藤はダークブルーというカラーは聞いたことがありません。おそらく今回のアニバーサリーモデルにあたってのディンケ別注のオリジナルカラーの可能性があります。

 

最初ネイビーかなー?とも思ったんですが、ネイビーはすでにレギュラーラインにありますし、ネイビーなら敢えてわざわざダークブルーなんて書く必要ないですからね。アニバーサリー感もないですし。笑 ネイビーとは違ったカラーなのかと思われます。

ブルーとネイビーというぐらいですから、おそらく今回のダークブルーの方が、ネイビーよりも青みが強そうですね。

 

ちなみに通常のがネイビーこちら。

 出典:【HEINRICH DINKERLACKER】 Buda cordovanの画像

 

ハインリッヒディンケラッカーのネイビーは結構濃いネイビーで最初は黒っぽいという話を聞いたことがあるのですが、こう見ると意外に青みが強い気がしますね。笑

緑っぽい感じもしますけど、このあたりは照明や光の当たり具合で変わるので実物を見ないとなんともですね。

 

記念モデルなので、出来ればダークブルーの方はスカイブルーのような青で、ネイビーとの差別化を図ってくれると嬉しいかなーと思うんですが、あんまり明るすぎるとコーディネート的に合わせるのが難しくなるので何とも言えないところですよね。笑

 

出典:https://shoegazing.com/2019/03/31/report-from-the-london-super-trunk-show-2019/

 

色んなサイトを漁ってて見つけたんですが、完成イメージは上記の感じのようですよ!

ネイビーよりも青みが強いかもしれないですねこれは。それでいて水色、という感じではなく、その名の通りブルーでありながらもしっかりと引き締まった濃い青を連想させます。

 

これは、あれですね。めっちゃくちゃかっこいいですね…。

 

こんな存在感のあるブルーのコードバンは中々お目にかかれないので、本当に楽しみです。シルバーとの対比がまた美しいィィーー!

 

おそらく今回の記念モデルのみのオリジナル別注カラーとなるダークブルー

中々コードバンの新色なんてお目にかかれない中、めちゃくちゃゴイスーです。ディンケの本気を感じますね。 

 

もしかしたら色味的にインテンスブルーの可能性もありますけどね。

勝手にカラー名だけ変えてリリースしてるってこともありえますけど、それでも今まで使っていないカラーを使ってるレアモデルであることには変わりありません。

 

ノルウィージャン×トリプルソール

そして最後はやっぱりこれですよ。ラッカー待望の夢のクロスオーバーです。   

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

ハインリッヒディンケラッカーを象徴するデザインとして、有名過ぎる二つの意匠があります。

それは、RIOに採用されているトリプルソールと、

 

主にBUDAに採用される三つ編みのノルウィージャン製法(ツォップナート)です。

 

おそらくハインリッヒディンケラッカーをご存知の方に、「ディンケと言えば?」と質問をすると、必ずどちらかのデザインの靴が出てくると思います。一般的に。まさかの「ROM!」とかいうもの好きはかなり少ないかと思います。

 

これらは本来交わることはなく、独立した意匠としてハインリッヒディンケラッカーを長らく牽引してきました。

この二つの意匠を搭載したRIOとBUDAは、東欧製靴由来のブダペスターと見事なマッチングを見せ、アイコンモデルとして日本でも広く普及していきますが、それらは常に平行してリリースされてきました。まさに人気を二分したツートップです。(とか言いつつ実質世界で一番人気なのはルツェルンですけども。笑)

 

ディンケの歴史の中でそれぞれの意匠は、異なるラストになら搭載されています。

トリプルソールはPARISという比較的新しいラストで採用されていますし、ツォップナートはルツェルンやウィーン(日本限定)など一部のラストにて採用されていたことはあります。

 

しかしながらRIOとBUDAの二つに関しては、公式に交わることはありませんでした。

 

首藤の調べた限りたった一度だけ、その軌跡のようなコラボレーションが実施されたことがありますが…、

 

これはどちらかと言えばRIOのラストにBUDAのソールを搭載した、というのが正解かと思います。

 

というのもこのモデルは、BUDAと同じダブルソールなのです。

ラストはRIOですが、ソール仕様はBUDAのそれです。

 

それでもラッカーにとっては奇跡のような仕様なんですよね。

それが例えただの職人の気まぐれであっても、プロトタイプのみの販売であったとしても、今まで絶対に交わることがないと思っていた二つのデザインがまさか一緒になるなんて…。もうまじハンパねえ幻のモデルなわけですよ。

 

ということで…。

 

ここまで言えばもうお分かりいただけるかと思うんですが、今回の140周年の記念モデルRio Full-Brogue C+は、まさかのトリプルソールとツォップナートが完全なる融合を果たしています!!

  

出典:Heinrich Dinkelacker feiert 140. Geburtstag auf Kickstarter | schuhkurier

 

見てくださいこちらの画像!やばくないですか!まさかのトリプルソールノルウィージャン製法ですよ?イカれくるってません???

 

ソールが1,2,3枚!!そしてその上には、燦然と輝く銀色の三つ編み…!!

 

これが…、これこそが…、数多のラッカーが追い求めてきた完全なるロマン仕様!

 

今まで前だけを見てブランドを引っ張ってきた二つの意匠が、140周年というこの記念すべき時にガッチリとお互いのを手を組み、奇跡のクロスオーバーを果たしたのです…!

トリプルソールとツォップナートの夢の共演。正直この上の画像見ただけで感動ものですね。いやーもう、涙が出ちゃいます。

 

そして今回のシルバーエディションはプロトタイプの時とは違い、プレーントゥではなくブダペスターを象徴するフルブローグモデル!

やっぱりハンガリーといえば、ブダペスターといえば、フルブローグですよ!(主観ですけども)

 

さらにはマテリアルが140周年記念別注のオリジナルカラーとなるダークブルーのコードバン、そしてツォップナートはアニバーサリーテーマになぞらえて特殊な銀色の糸で編み込まれているという究極のレア仕様!!

 

もはやトッピング全部乗せどころの話ではありません。何気なくリリースしてきやがりましたが、途轍もなくレアなんですよほんとにこれ。

ディンケももっとKickstarterの説明文にいっぱい書けばよかったのに、「通常はBUDAの特徴だけど、今回はシルバーエディションの一部としてRIOにも利用可能だよ☆」みたいなめちゃくちゃサラッと書いてる意味がわからない。そんなにサラッと書くぐらいならむしろもっと前からやってくれ。

 

ディンケが全然この奇跡を伝えてこないので、代わりに勝手に首藤が伝えさせていただきます。

 

今回のモデル、特にRio Full-Brogue C+は、その美しさもさることながら、デザインやマテリアルからそのディテールに至るまでの全てに、ラッカーの夢とロマンがギッチギチに詰まっているのです。

 

  

まとめ 

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi

 

もはや書き尽くしたのでまとめることは特にないのですが、楽しんでいただけたでしょうか。

今ここまで書いていて気付いたのですが、どうやらあんだけクソ長くてやりすぎたなぁと思っていたブランド紹介記事と同じぐらいの長さになっているようです。笑 文字数の暴力ですね。

 

上にもリンク貼りましたが、お暇な方は是非ブランド紹介記事もどうぞ。さらにディンケを身近に?感じられると思います。 

 

何はともあれ参加された同志の皆さん、ハインリッヒディンケラッカーの140周年記念シルバーエディション、本当に楽しみですね!

 

ちょっと簡単に計算してみたんですが、今回のイベントに参加したバッカーは全部で271人でした。全世界で271人しかいない選ばれたラッカーになれたのですね…!選ばれたというか自分で勝手に参加したんですが。

 

セットプレッジも入れると今回の記念モデルはそれぞれ、STAが44足LUZERNが92足RIO Cが84足RIO C+が123足でした。やはり総合でもC+が一番人気でしたね。

ディンケ好きになって約1年ぐらいのヒヨッコですが、世界中で限られた123人の特別モデルのオーナーの内の一人になることができるなんて、ちょっとテンション上がっちゃいますね。

 

今回のシルバーエディションでは、バックした順番から少しずつ届くはずなので、人それぞれ受け取れるタイミングは違いそうですが、全員届いたら何かイベントやりたいですね!合わせるの難しそうだからダークブルーコードバンとのコーディネート選手権とかですかね?単純に首藤が皆さんの合わせ方参考にしたいだけなんですけど。笑

あとはなんでしょう、履き下ろし報告第一号は誰になるのか…!完全に運任せの最速履き下ろし王決定戦!とかおもしろそう。笑

 

ディンケからの定期報告によると、年内にすべての靴を発送することを目標としているようです。まあどちらにしろ、首藤は受け取れたとしても真冬なので、完全にしばらくは眺めるだけの生活になりそうなのですが…。笑

 

今回記念イベントに参加できた方もできなかった方も、どんな記念モデルだったのか、どういうコンセプトだったのか、どの部分が特別なのか、そういった部分がちょっとでも伝わると嬉しいなーと思います。

まだまだこういったイベントは、きっとどこかであるはずなので、参加できなかった方は次回を狙っていきましょう!

 

以上、遅くなりましたが、シルバーエディションの解説でした!

 

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この記事を書いた人

薄給のくせに年間100万円以上を服や靴につぎ込む30代子持ちサラリーマンです。
ハインリッヒディンケラッカーを筆頭とする東欧靴やオールデン、パラブーツなどを中心に歴代50足以上の革靴を買い漁ってきました。
主に大好きな革靴の紹介や靴磨き、ファッションレビューなどを暑苦しく語るブログです。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 格好いいです!
    そして熱量が伝わる記事で最高です。
    100記事達成おめでとうございます。

  • null11blgさん
    ありがとうございますー!書いてるうちにのってきてやめどきがわからなくなってしまいました。笑
    かっこいいと思っていただけたなら、書いた甲斐がありました!

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