紳士靴畑のワークブーツ素人首藤に刺さるホワイツが登場しました。なんなんやこれは…
※コメントにてこちらのスキンステッチはライトアングルではないとのご指摘をいただきました。首藤はバリバリに勘違いしていたのでとても助かりました。ありがとうございます!該当部分については打消線にて修正しております。失礼致しましたー!
WHITE’S BOOTS(ホワイツ)!
ワークブーツ素人の首藤が語るのもアレなんですが、もはやワークブーツ界では神格化されているイメージすらあります。
ブーツといえばホワイツ、ホワイツといえばブーツ。
キングオブブーツの名を欲しいままにした、まさにブーツ界の帝王と呼ぶに相応しいブランドです。
オットー・ホワイトが「世界一良質なワークブーツを作る」というコンセプトを掲げ創業。その起源は、南北戦争以前にさかのぼり、オットーの祖父と父が、ウエストバージニア州の林業従事者のために、靴底に金属の滑り止めを装着したブーツを製作販売したのがルーツとされる。
1902年に、より高品質なワークブーツを製作するため、本拠地をアイダホ州セントマリーズに移設。さらに1915年に、現在の生産拠点であるワシントン州スポケーンへと移し、カスタムオーダーを中心としたハンドメイドのブーツ作りをスタートさせた。
オットー・ホワイトは、91歳の生涯を閉じる直前までファクトリーに立ち続け、跡を継ぐ職人たちに『ホワイツブーツ』の理念、理想、品質、技術といった伝統を残した。そのおかげもあり、厳選されたレザーのみを使用したブーツは、ハンドメイドによる独特なハンドソーン・ウェルテッド製法+ステッチダウン製法で作り出され、昔から変わらぬ高いクオリティーを保持。
創業から1世紀以上経った現在でも、クラフトマンシップの精神を貫き「キング・オブ・ブーツ」の愛称で親しまれている。
歴史や伝統もさることながら、モノづくりに対する姿勢がたまりません。
>>厳選されたレザーのみを使用したブーツは、ハンドメイドによる独特なハンドソーン・ウェルテッド製法+ステッチダウン製法で作り出され、昔から変わらぬ高いクオリティーを保持。
皆さんもそうだと思うんですけど、首藤はこういうの大好物です。笑
公式サイトはこちら。
首藤とワークブーツ
ワークブーツも様々なブランドがあると思いますが、首藤の中ではハイエンドワークブーツ二大巨頭が『ウエスコ』とこの『ホワイツ』でした。
首藤の革靴遍歴の詳細は割愛しますが、首藤はドクターマーチンから革靴キャリアをスタートしているので、ワークブーツにたどり着くのは必然だったわけです。
しかしながらインスタもやってなければブログもやっておりませんでしたので、今以上に革靴に情熱を注いでいなかった時期であったため、資金的にこの2台ブランドは購入候補から外れていたのでした。あの頃の首藤にとって10万は高過ぎました。(今でも高いですけどね当たり前に。)
結果、その頃の候補にあったのは、レッドウィング、ダナー、ウルヴァリンあたりだったかと思います。価格帯的に頑張れば買えたブランドに絞ったんですよね。
ウエスコ、ホワイツは手の届かない高嶺の花子さんだったので見ないふりをしてました。細かく調べることすらしていなかったです。調べると欲しくなるんですよね。笑
そして時は流れ、ブーツから短靴へと興味が移り、現在の紳士靴に傾倒していくわけですが、それによって今度は逆の発想が生まれてきました。
『どうせ買うなら最高のワークブーツが欲しい』
紳士靴に傾倒していくと、紳士靴ブランドでもブーツがあることに気付きます。
ドレッシーなものからワーク的に使えるものまで揃っていて、正直ブーツも好きな紳士靴ブランドのもの買えばいいんですよね。オールデンのインディーブーツとかディンケのノルウィージャンブーツとかトリッカーズのカントリーブーツとか。とかとか。
でも、それでも、本物と呼ばれるワークブーツ専門のブランドのブーツを、一足は欲しいと思うのが靴バカの心情というものではないでしょうか。
もちろんレッドウィングやウルヴァリンはめちゃくちゃ好きなのですが、ここでいう最高というのは「あの時憧れた」ブランドなんですよね。
紳士靴を購入しその価値が分かってきた今だからこそ、どうせ持つならあの時買えそうで買えなった憧れのブランドで購入したいと考えるようになったわけです。
ちなみに、紳士靴を履くようになって土踏まずの曲線や絞りというのが非常に重要だなと思うようになったので、ホワイツの特徴であるアーチイーズ製法に惹かれてしまい、首藤の中でワークブーツで一番欲しいのはウエスコではなく『ホワイツ』になりました。
オールデンのモディファイドラストを超えるゴリゴリのアーチサポート。
履き慣れるとこんなクソ重いワークブーツで一日中歩き回っても疲れないという奇跡の履き心地らしいので、是非体感してみたいですね。
憧れたやつ
ホワイツの中でも首藤が憧れたのは、やっぱりこの二足ですねぇ。
スモークジャンパー
完全無欠のTHE ホワイツと言えばやっぱりスモジャンじゃないでしょうかね。
このどっからどう見ても堅牢で武骨な佇まい、それでいて曲線美から滲み出る上品さがたまりません。もう普通にマジカッケェー。
ワークブーツに求めてるゴツさと上品さが完全にマッチした最強のブーツだと思いますねほんと。
セミドレス
1930年からずっと変わらないスタイルで、主にデスクワーカーをターゲットに開発されたモデルであり、当時は医者や弁護士を中心に履かれていました。ハードワークとドレスの中間的存在だからこそ、営業職等、接客の際でも使用出来るよう開発されてたモデルになります。
そしてもう一つがセミドレス。
紳士靴のラインナップがメインとなった今、首藤的にはこれが一番欲しいモデルになりました。最初はスモジャンだったんですけど、ブーツとしては一番最高なんだろうなぁという思いはあれど、自分で履くにはちょっと合わせにくいかもしれない…という懸念から、この絶妙なドレッシーさを醸し出すセミドレスに惹かれていきました。
最初はこの曲線とかドレス感が、ハイヒールっぽいというかレディース感があって苦手だったはずなんですけどね…。ホント人の好みって変わるものですねぇ。
ドレッシーではあっても、ホワイツのワークブーツの機能はしっかり残しているというこのセミドレスが首藤の中でのワークブーツ最終解だったわけですが、なんとこれを覆すモデルが、同じホワイツからリリースされたのでした。
その名も”100 WHITE’S BOOTS MFG.”!!
なんじゃぁぁぁああこりゃぁぁぁああああ!!!
なんつーかっこよさなんだこれは!!
刺さる!!刺さりまくる!!首藤の心のやわらかい場所を今でもまだ締め付けるゥゥ!!
この画像だけでビシビシとヤバさが伝わってきますね…あれから首藤たちは何かを信じてこれたんでしょうかね…
セミドレスよりも強く感じる攻め攻めな曲線美、そこからくるドレッシーさ…
それでいて高さはスモジャン並なのでワークブーツとしてのゴツさも申し分なし…
ドレスとワークブーツが異常なまでの高次元で融合されています。なんだこれほんと。
そして後述しますがアッパー見てくださいこれ。
ライトアングルスキンステッチ入ってるんですけど…。ワークブーツなのに。イカれてません?(最高の誉め言葉)
このステッチでアッパーに立体感が生まれることによって、攻めた木型とワークブーツのフォルムが見事に溶け合ってる気がしますねぇ。なんだこれほんと。
ジャパンメイドのホワイツ!?
もう広告やらでもめちゃ話題になってるのでご存知かとも思いますが、こちらまさかのジャパンメイドのホワイツらしいのです。
なにそれどういうこと?というのは、下記のLightningの記事でそれはもうガッツリと解説されております。
ジャパンメイドのホワイツとは、米国にあるホワイツのファクトリーにて修行した日本人の職人・新城将也さんが立ち上げた、ホワイツのオリジナルラインです(だと思われます)。そして新城さんの師匠はまさかのホワイツの現代表らしいので、なんていうかもう完全に直系ですよね。
メイドインUSAの伝統あるハンドソーンと日本人の技術の融合がなんちゃら、とかはよくわからないんですけど、単純に職人である新城さんの努力とセンスがくそヤバすぎてホワイツの新たなシーンを切り拓いただけっていう風に首藤は受け止めてます。笑
首藤がワークブーツの何たるかをわかってないだけなんですけどね。
でもそんなワークブーツ素人から見ても、この靴はほんとにすごいと思うんですよ。
スペックについても、おそらく靴バカなら悶絶するような好き好き要素が詰まってる気がするので、詳細を見ていきたいと思います。
スペック詳細!
まずアウトソールなんですけど、まさかの出し縫い(ワークブーツも出し縫いでいいのかな?)が手縫いです。笑 完全な10分仕立てじゃないですかこれ。フルハンドソーン。
ワークブーツのこんな分厚いソールを、しかもラバーソールなんですけど、これ手で縫ってるんですね。どうなってんですかねこれ。
そして踏まずの絞り。ワークブーツには見えない絞り込まれたシェイプ。たまりません。
そして踏まず部分のコバ処理やばくないですか?え、これどうなってんの?滑らか過ぎてもうアンティーク家具みたいになってますね。
ホワイツと言えば!なピッチドヒール。
ただ単純に斜めに絞られてるだけじゃない、美しい曲線を描いて絞られているこのシェイプがお見事ですねぇ。
最初はこういうドレッシーな作りは嫌いでしたけど、今となってはなんて美しい意匠なんだ…とため息が出ちゃうぐらいには好きです。
そしてジャパンメイドのホワイツの最大のポイントと言えば、これ。ライトアングルスキンステッチじゃないでしょうか。
訂正させていただきましたが、これほんとよく見るとライトアングルじゃないですね。笑
繋ぎ合わせてるんじゃなくて、一枚革のアッパーに装飾的にスキンステッチを施しているんでしょうか?実物見てないので何ともですけど、たぶんそれっぽい!
< スキンステッチ >
1.4mmの革の厚みの断面に針を通し、裂けることなく一枚の境目のないように縫う技術は、熟練の職人の中でも選ばれた者しかできないもの。出典:復活の熟練職人技術、シャープなアッパーに駆けるライトアングルスキンステッチ | 紳士靴 | 42nd Royal Highland 代官山 | 日本
スキンステッチは言わずと知れたエドワードグリーンのDOVERなどのUチップに用いられる、高級紳士靴御用達の超絶技巧ですね。 最近でこそ結構良く見る意匠ですけれども、なんだかんだこれ超ハイレベルな縫い方なんですよね?
それをワークブーツの分厚い革でやっちゃうんですね。あーでも革の内部を縫うから分厚い方がスキンステッチしやすいんですかね?どうなんだろう。どちらにしろ簡単ではないと思いますけど。
そして普通に見てて思ったんですけど、これ爪先の縫いの部分も全部ライトアングルスキンステッチじゃないですか?しかもこの立体感。
ドーバーとか通常の紳士靴のUチップってこの部分はパラレルのスキンステッチですよね。この部分までも難易度の高いライトアングルスキンステッチで縫っちゃうなんてどうかしてますねほんと。たまりません。
超絶技巧だから良い靴ってわけではないと思いますが、単純にめっちゃすごいですしめっちゃかっこいいです。笑
職人さんのコメントでも「一番大事にしていることは、『こだわり』ではなく、『工夫』です」とあるので、この意匠も間違いなく何か理由があってされていると思うんですよね。購入するときに是非ともそういう部分は聞いてみたいですねぇ。
まとめ
まとめてみると、出し縫いまで手縫いのフルハンドソーン(10分仕立て)、極限までシェイプされたウェスト、変態的なまでに美しく処理されたコバ、途轍もない技術力を感じるライトアングルスキンステッチ、美しいカーブを描いたピッチドヒール。
なんだこれ、普通にビスポークじゃん…。
高級紳士靴のビスポークでよく見る仕様じゃないですか。ワークブーツなのになにこれ。
それでいて、アッパーはブーツにピッタリのホーウィン社のクロムエクセルレザー、しかも厚さはなんと2.5mmの超極厚で、茶芯が浮き出るよう経年加工が施されているときたもんですよ。マテリアルはゴリゴリのワークじゃないですか。なんだこれはほんに。
結局ワークブーツの何たるかも、そのルーツも全然わかってないですし、ファッションも全然ワーク感ないにわか素人野郎ですけれども、単純にかっこいいから欲しい。
ただただかっこいいから欲しい。もうそれでいいんじゃないかって思います。笑
ジャンルとかファッションとか伝統とかUSAメイドだとかジャパンメイドだとか、そんな拘り全部ぶっ飛ばすぐらい純粋にくそかっこいいんです。
ワークブーツだけどワックスでバッチバチに光らせたい欲もあるし、本来の使い方的にアウトドアやらなんやらで傷も気にせずガッシガシ使っていきたい欲もある。
こんな風に紐は一周グルッと巻いて、デニムに限らず色んなパンツに合わせたいですねぇ。
なんか最近インスタの広告とかにも結構出てくるので、ステマっぽいタイミングになってるのが気がかりなんですが。笑
こんな弱小ブログにそんなお話は来ないので、単純に首藤が欲しいと思ってんだなとご安心いただければと思います。もしステマとか金もらって広告するなら、こんなホシイホシイカッケエカッケエな文章じゃなくてもっとちゃんとそれっぽく説明します。笑
いやーマジで欲しいですねこれ。セミドレスの時もいつか必ずと思っていて、それよりも欲しい紳士靴がいっぱいあったのでほんとに「いつか」だと思ってたんですが、このジャパンメイドは本当に必ず欲しい。
これはセミドレスよりもかなり現実的に欲しいですね。色々前倒しにして購入を考えるレベル。
たださすがにこれは個人輸入とかセールとか裏技を駆使して安く買えるということはなさそうなので、しっかり試着してから購入したいところ。
北国に住む首藤には中々その機会はありませんが、タイミングがあれば実物を見て試着してしっかり検討したいですね。
以上、本当にただの欲しいものでした。笑
ブーツフェスティバルで先行販売していたようですので、インスタ等々で画像があがるのを楽しみにしています。
ちなみに現在は公式サイトのオンラインショップでも販売してるみたいですね!
楽天で他のホワイツを探してみる!
コメント
コメント一覧 (4件)
誤解されているようですが、このステッチはライトアングルではありません。ライトアングルは1ピースでは出来ず、2ピース必要ですから。
そして、見事に日本の靴メディアに毒されていますね(笑)ライトアングルは特別難しい技術ではありません。一度実際に見てみて、どういうものか理解されることをお勧め致します。
大志田 さん
ステッチの件ご指摘いただきありがとうございます!めちゃくちゃ勘違いしていたので助かりました。訂正させていただきましたー!
そして日本の靴メディアの皆様に、見事に毒されて楽しませてもらっています(笑)。ライトアングルの難易度については、僕は靴を見ただけじゃ判断できないですし実際に現場を見る機会も中々ないので、いつか靴職人の方とお話出来る機会等ありましたら聞いてみたいと思いますよー!
ぜひ実物を手に取ってご覧になって下さい!
大したこと無いですよ!!
オールデンのインディーブーツの方が、断然完成度が高いです。
もちろん、普通のスモークジャンパーやセミドレスはお勧めします。
通りすがり さん
コメントありがとうございます。最初のテンションからのお勧めしないコメントの落差にちょっと笑ってしまいました。笑
是非実物を手に取って自分の感性や好みで判断してみたいと思いました!いつか見れる日が楽しみです。