ということで今回見ていただくのはこちらのお靴。
ROMのアンティークカーフに続き、”チューリッヒのボックスカーフの履きジワがどうなっているかを見る会”会長の首藤です。
ワイン片手にいい感じのシワを今日も堪能しましょう。ワイン飲めないですが。
そもそもボックスカーフとは
ボックスカーフの定義?
出典:https://www.weinheimer-leder.com/en/shoes-and-handbags/box-calf/
ボックスカーフの見本です。ボックスカーフっていう響きだけでいいですよね。革靴感あって。
実際にボックスカーフについて名前は結構有名ではありますけれども、定義やどんな革なのかっていうのはあまり調べたことがありませんでしたので調べてみました。それがこちら。
染色後タンパク系のバインダーで仕上げた後、縦横両方向にロール処理などで銀面に美しい四角なシボをつけた子牛革。クロム鞣し銀付き革の代表的なものであり、光沢のある黒色革である。現在、ボックスカーフという名で生産されているもので、四角いシボのボックス仕上げをしたものは少なく、現在ではスムースグレインが一般的である。褐色のものをウイロー カーフという。靴用甲革として高級であり、鞄やハンドバッグなどにも使用される。
…。
ほほう…?なるほど?わからんな?
カーフとはそもそも生後3~6ヵ月の仔牛の皮を用いた皮革のこと。
このカーフを素材に、短時間クロムなめしを施し、素材の表情を残しつつ、見た目の艶やかな美しさと傷つきにくい丈夫さをプラスしたのがボックスカーフです。
クロムなめしといっても短時間なので、完全に皮の表情を覆い隠してしまうことがなく、経年変化も楽しむことができます。
かつ、植物タンニンなめしの素材のように極端に表情を変えることがないので、くたびれた感じにならないのが大きなメリット。
また傷や水分、皮脂などによる汚れにも比較的強く、お手入れが簡単なのもクロムなめし革の特徴です。
表面には水シボと呼ばれる細かいシボ加工が施されているのですが、このシボ加工が光を反射し、上質なツヤを作り出しています。
大変わかりやすうございます…。ありがとうございます…ありがとうございます。
説明見て実物と見比べて、あーなるほどってなる部分結構ありますね。
ボックスカーフのタンナー
出典:https://www.freudenberg.com/fileadmin/history/history_en.html
アンティークカーフはディンケ特有のカーフですが、ボックスカーフは様々なブランドで取り扱いがありますよね。
古くは、伝説のタンナーカールフロイデンベルグから由来するこのボックスカーフですが、現在は様々なタンナーが作っています。
デュプイなんかが有名ですが、黒のボックスカーフに関してはドイツのワインハイマーのものが評価が高いですよねー。ネットやSNSで見るというレベルなので決してドヤれないですけども。
ワインハイマーは、カールフロイデンベルグの後継ブランド的な立ち位置っぽい感じで紹介されますが、なんかいいですよね。正当後継者みたいな響き。中二感があって。結界師思い出します。
そもそもカールフロイデンベルグで作っていた特殊なクロムなめしのカーフが、ボックスカーフと呼ばれていたわけで、ボックスカーフ=カールフロイデンベルグのものを指していたのですが、時代と共に変わっていったようです。
今では商材名みたいになってますよねボックスカーフ。
ディンケの黒のボックスカーフについて、タンナーは名言されていませんが、個人的にはワインハイマーのボックスカーフ説が濃厚だと思ってます。(正直デュプイ感も否めないなとは薄々思ってはいますけども)
コナン君みたいに「ペロッ…、これは…!ワインハイマー!!」みたいにわかればいいんですけどねぇ。その道はまだまだ遠そうです。
しかしながら、勝手に思っている分には誰も傷つけないので、そう思って生きていきたいと思いますよ。(決意)
履きジワを見る!!ドン
ヴァンプを見るドン
見てくださいこの美しいシワ。一時間ぐらいずっと撫でてられる。
さらにどアップで。
たまんないですねぇ…これがボックスカーフ特有の質感なんでしょうか。
上述したボックスカーフの説明にもありましたが、細かいシボが入っているので少し硬い印象がありますが、とてもいいバランス感で入っているので、シボ感とスムース感のまさにいいとこ取りな感じです。
ガラスレザーとかとはまた異なった硬質な質感ですよね。芯があるというか。
この小さなシボが絶妙に光を反射して、見事な光沢を生み出すわけですね。
履きジワまで輝きを放ってますよ!
履いた人目線だとこんな感じです。
シワが美しすぎてもはや一つの模様みたい。
両足を見るドン
皺入れは行ってないので、左右非対称のシワになってます。
しかしながら運がよかったのか、ボックスカーフの質がいいのか、左右非対称ながらも非常に近しいシワが入りました。
まさに血の通ったシワ…!!
ワイルド且つ繊細なシワの入り方です。ちょっと深く入ってしまったかなという感じもしますが、ボックスカーフの質感がそれを良質なものに変換してくれてるような気がします。
アンティークカーフ同様エイジングが楽しみですねぇ。
羽根部分のシワまで綺麗。
シワじゃないけどボックスカーフのプリケツも置いておきますね。
サイドから見るドン
アウトサイド
インサイド
お見事中のお見事ですね。たまらないー!
若くて瑞々しい革に入り始めたシワが、これからの成長を期待させます。
めっちゃ有望株。いい新入社員入りました!我が社!
レースステイ横の羽根部分のこのシワ。
地味に超好きなんですけど同じ方います?笑
ビッと釣り込まれたアッパーやヒールと違って、余裕のある表情を見せるこの部分がなんか好きです。革や作り的にいいのかはわからないですけど。笑
完璧なところにちょっと抜けてる部分があるというか。
今”完璧なのに 抜けてる”でググったら、「ちょい抜け女子」というのが出てきました。やかましいわ。
まとめ
以上で今回の催しを終了とします。
お足元の悪い中お越しいただき、誠にありがとうございました。
如何でしたか、ディンケのボックスカーフの履きジワは?よかったですかそうですかそうですか。
ボックスカーフ初体験でしたが、今までとまた違った質感で、これも非常に好きです。
願わくば色々なタンナーのボックスカーフも試してみたいですね。
次はいよいよエンツォボナフェか…?お?お?
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