ハインリッヒディンケラッカーのRIO(リオ)。
このRIOというのはモデル名ではなく木型の名前なので、同じRIOでもたくさんのデザインのモデルが存在します。
キャップトゥやらホールカットやらブーツやらセミブローグやらいろいろですね。
今回はRIOの中でも代表的な二足の違いについて、比較してみますよー!
たぶんRIOは日本でメイン流通しているのはフルブローグが多いかとは思いますが、代理店なんかではプレーントゥも取り扱っているのでこの二足が一番持ってる方も多いことと思います。
インスタでも、RIOはこの二足を一番よく見かけますよね。
おんなじ木型ではありますが、デザインによって履き心地やフィット感に違いってあるんでしょうか。内羽根、外羽根、なら結構違いはありそうですけども。
今回は素材も同じコードバンで、同じ外羽根、デザインだけ違うという状態でその違いを比較していきたいと思います。
二足とも持っていて、それを比べてるブログとかってのは見たことがなかったので、中々貴重な情報なはず!(たぶん)
画像による見た目の比較と感覚的な比較しかできないのと、そもそも違いがあったからなんだって話なんですがよかったら参考にしてみてください。笑
ちなみにRIO(リオ)ってこんな靴です。
二足を並べてみる
まずは全体から。
当然ですけど、この距離で見る全体的なサイズ感や見た目は一緒ですね。
それにしても二足ともかっこいいなしかし。
右と左で。
こうして揃えてみても、やはり同じラストですが、シルエットは同じです。
しかしながら、デザインが違うと与える印象はこうも違うんですね。
アイレットの違い
アイレットの数が違う!
プレーントゥが3アイレット。
フルブローグが4アイレットです。
同じVフロントタイプでもアイレット数が違うんですね。
ちなみにBUDA(ブダ)はプレーントゥでもフルブローグでも両方3アイレット仕様ですが、RIO(リオ)の場合はデザインによってアイレット数が変わってます。ここも面白い違い。
アイレットの位置が違う!(フィット感にも違いあり)
これはちゃんと比較してみて初めて気付いたんですけど、アイレットの間隔と位置が違いますね!デザインも関係しているんですねこれ。
フルブローグの方は上部に間隔短めでスッキリとおさまっているイメージ。
逆にプレーントゥは一つ一つの間隔が大きめで、一番下のアイレットは結構下までいってます。
この違いは、履き口のフィット感に大きな影響を与えていますよ!
なんか履き心地違うんだよなーとは思ってたんですが、このアイレットの位置を見てようやく合点がいきました。
フルブローグの方は、履き口の上部でキュッと締まる感じです。
プレーントゥの方は、羽根全体をギュッと持ち上げるというか寄せるような感じなんですよね。
なので、紐をキツめにしばったときに特に違いが大きいです。
フルブローグは履き口のホールドが強くなるのに比べて、プレーントゥは羽根の部分全体がギュッとホールドされるような感じになりますね。
ちなみにフルブローグの方が間隔が狭いせいか紐は締めやすいです。
キュッと引っ張るとそこでホールドされる感じ?というんでしょうかね。
プレーントゥの方はアイレットの間隔が広いので、キュッと引っ張っても戻ろうとする力が強いので、引っ張りをキープしたまま結ばないといけない感じです。
なのでプレーントゥには紗乃織靴紐(さのはたくつひも)のような蝋引きのシューレースが相性が良きです。
ヴァンプとトゥの違い
ヴァンプのシワの入り方
ヴァンプのシワの入り方も、デザインによって違いますね!
フルブローグの方は中古なので、すでにシワは入ってたので完璧な比較とはいきませんが…。それでもウィングチップの部分があるせいか、曲がる部分が若干異なるんですね。
ウィングチップの方が、よりレースステイに近い部分に二本のシワが出来ていますね。
プレーントゥの方は、もう少しトゥに近い部分に二本のシワが生まれます。まだ二本目は薄っすらしか入ってないですけどね。そこはこれからのエイジングに期待な感じです。
トゥの違いは?
トゥのサイズ感や形状にほぼ違いはないですね。
ただ履きジワの入るポイントが異なるので、爪先の圧迫感というかスペースは若干異なる気がします。
フルブローグの方がデザイン性のあるパーツが載っていることで、屈曲する部分の当たりが違いますね。上記のようにブローグの部分に凹みの履きジワが入りますので、ここが指の第一関節にクリーンヒットして、履き始めはちょっとマメになりました。
その点プレーントゥはそういったこともなく、屈曲部も足あたりはほぼないといっていいでしょう。 このウィングチップの屈曲部が、履き心地の違いにつながっているとも言えますね。
サイドから見る
縦に並べてサイドから
このショット中々ないですねぇ。
履いてる回数のせいかウィングチップ部があるせいかわかりませんが、プレーントゥの方がトゥスプリングが効いてますね。
ただ個人的な感覚としては、まっさらなプレーントゥの方がトゥが反りやすくなるのは納得が出来ますね。
ソールを合わせてみる
まあ同じ木型同じサイズなので、ソールシルエットは完全一致でしたね。
このショットからも、プレーントゥの方がトゥスプリングが強いことがわかるかと思います。現時点でもソールのかえりというか馴染みに関しては、確かにプレーントゥの方がいいですね。
そして若干、プレーントゥの方が履き口の立ち上がりが急というか、頂点が高い気がするのですが、これは個体差の問題でしょうかね。それとも靴ひもの結び方なのか。
ヒールの違い
片方ずつ
ふむふむ
真後ろから
ヒールカップの上部に向かう絞りは、プレーントゥの方が大きいですね。
個体差や履いた期間にもよる気もしますけど、どちらかと言えばブローギングのパーツの兼ね合いでそういう風な形状になっているような気もしてきます。
若干形状に差異はありますが、踵抜け等履き心地に特別違いがあるわけではないですね。
実際に履いた時の違い
ということで実際に履いた際の見え方や履き心地の違いなんかも比較してみましょう。
なるべく似てる構図の画像を並べてみます。
まずは見た目の印象。当然ですが全然違いますね。
プレーントゥとフルブローグですしカラーも違うので当たり前なんですが、RIOの場合このデザインの違いによる印象の違いは特に大きい気がします。
このブダペスター特有のマッコウクジラ型のトゥ形状は、プレーントゥになると木型特融のぽってり感がかなり際立ちます。短い捨て寸も相まって見た目的にはある意味かわいい印象すら与える気がします。
逆にフルブローグになるとこのトゥ形状の特徴がゴツさに変換され、通常のフルブローグよりも戦車感があるように見えますね。カクカクっとした反り立ったトゥが力強さを与えます。
次に履き心地やフィット感の違いについて。
こちらは上述のアイレットの違いの部分でも記載しましたが若干の違いがあります。
実際の歩き心地に関しては大きな違いはありませんが、履き口のフィット感がちょっと異なります。
フルブローグの方は履き口の上部でキュッと締まる感じで、プレーントゥの方は羽根全体をギュッと持ち上げるというか寄せるような印象です。
特に紐をキツめにしばったときの違いが大きいですね。フルブローグは履き口のホールドが強くなるのに比べて、プレーントゥは羽根の部分全体がギュッと押さえられるような感じになりますね。
それぞれ優劣なんかはありませんが、とても特徴が分かれる二足だと思います。
ここまで印象が違うともはや木型は同じでも別の靴ですよね。揃え甲斐がありますね。
ディンケらしいゴツっとしたかっこいい靴が欲しいならフルブローグ、ディンケらしい履き心地を味わいつつも見た目的には少しカジュアル感を残した靴が欲しいならプレーントゥみたいな感じでしょうか。
まとめ
ということで、RIO(リオ)のフルブローグとプレーントゥの比較でした!
同じラストですが、デザインが違うと与える印象も全然違いますね。もう見た目的にはほんと全くの別物です。
またフルブローグとプレーントゥでは、アイレットの数や位置が違うのでその部分で少し履き心地やフィット感が異なるという結果となりました。
どちらがいいというわけではないですが、個人的には履き口でキュッと締めるフルブローグの方がRIO本来のフィット感を感じやすいのかなと思いました。ホールド的な意味合いで。
首藤は全然コンフォートに履けてますが、RIO自体若干人を選ぶラストなのでプレーントゥは特に足型との相性が必要になるかもしれませんね。
以上リオの同木型の比較でした。
皆様のRIO購入の参考になれば幸いです。
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