ついにこの日が来てしまったのか…
なんかインスタで匂わせてるなーとは思ってたんですよね…。
匂わせるなら匂わせたなりにインスタでしっかり告知してほしいところですが、そこはさすがのシューパッション。ぬるっとサイレントリリースしてました。笑
久々に公式サイト覗いたら、SHOESのタブに謎の『TRAINERS』という項目が追加されているではありませんか。
完全にやってますね。
ラッカーとしては紹介せざるを得ないでしょうこれは。
※本記事の画像は自前の画像以外はすべて下記からの出典となります。
https://www.heinrich-dinkelacker.com/london-sneaker-j.html
https://www.heinrich-dinkelacker.com/london-sneaker-tc.html
https://www.heinrich-dinkelacker.com/campus-plain-h-2.html
あのディンケがスニーカーをリリース…?
いやー正直まさかでした。
あの創業140周年越えのドイツクラシックの体現者であるHeinrich Dinkelackerが、まさかスニーカーをリリースするとは!
ラッカーの皆さんにも激震が走ったんじゃないでしょうかこれは。個人的には結構衝撃でしたねー。なんだかんだ作らないと思っていたので。
…あ、いや、違うな。
今ふと書いてて気づいたんですけど、Campus(キャンパス)がありましたねそういえば。笑
ソールが特徴的なCampus(キャンパス)ラスト
キャンパスなんて見ようによっちゃほぼスニーカーですもんね。
一応作りとかデザイン的にはまだギリギリ革靴(ドレスシューズ)の範疇かなーと個人的には思いますけども、全体的なカジュアルさで行くとほぼスニーカー寄りかなと。
まあこの辺りは革靴の定義とはみたいな話になっちゃうので言及はしませんが。
キャンパスレベルのカジュアルな靴をすでに作っていたところを見ると、流れとしてスニーカーをリリースってのも不思議ではないかもしれませんね。
まあそれでもおそらく完全に『スニーカー』として作成されたモデルは今回が初めてなんじゃないかと思います。
改めて詳細を見ていきたいと思いますよー!
※首藤が知らないだけで過去にスニーカーのリリースがあったらすいません。笑
リリース内容
改めて今回のスニーカーのリリース内容です。
LAST:LONDON / ロンドン
MODEL:2モデル全5種類(JとTCでデザインが違う)
UPPER:Greased Nubuck(J) / Tuscan Calf(TC)
Greased Nubuck(ヌバック):全2カラー / ブラック、モカ
Tuscan Calf(トスカーナカーフ):全3カラー / コニャック、ミッドナイト、ウイスキー
CONSTRUCTION:Goodyear
SOLE:Synthetic Wedge Sole featuring Rubber Lug Tread
PRICE:Greased Nubuck(J):$395 / Tuscan Calf(TC):$445
モデル/カラー含め全5モデル。2モデルリリースされていて、それぞれアッパーの種類によってデザインが異なるタイプですね。
アッパーはヌバックであるGreased Nubuck、ディンケ流のミュージアムカーフであるトスカーナカーフが採用されています。起毛系とスムース系の二種展開ですね。
トスカーナカーフは首藤も所有していますがいますが、めちゃくちゃいい色とムラ感ですよ。何故かリッチモイスチャーだけで馬鹿みたいに光りますし。笑
価格はGreased Nubuckが$395で、Tuscan Calfが$445です。
目安的にはヌバックが関税入れて5万円前後、トスカーナカーフが6万円いかないぐらいの感じでしょうかね。
ちなみに金額差については、元々他のモデルでもアッパーによって50ドルの違いがあります。ヌバックの方がちょっと安いんですね。
ラストは2モデル共通でロンドンラストです。「Comfortable Width G」という、ほぼ全てがGウィズであるディンケの中でも全体的に大きめな作りのラストになります。
ロンドンは下記のようなキャップトゥダービーが定番ですね。
正直何故ロンドン?と最初は思ったんですが、世界で一番人気と言われるルツェルンはどちらかと言えばロングノーズ気味なのでスニーカーにはちょっと不向き、BUDA/RIOは生産停止、WIENはローファー専用、となれば必然的にロンドンにお鉢が回ってくるのも頷けます。
確かに一つずつラストを見てスニーカー向きかそうでないかを考えると、ロンドンが妥当かもしれませんね。
商品説明的な部分にいつも通り「Completely Handcrafted」って書いてるしこのスニーカーもハンドソーンなのかなと思ったんですが、たぶんグッドイヤーです。
というのもURLのタイトルが両方下記の通りGoodyearになってるんですよね。笑
Goodyear-Welted Men’s Trainer in Smooth Leather | Heinrich Dinkelacker
さすがにハンドではないんですね。正直スニーカーにまでハンド感を求めているわけではないので全然問題なし。というかスニーカーでオールソールできるってことだと思いますので、それだけで充分かなと。
ソールの構造的には見た感じだとウェルト、薄いレザーミッドソール、白いウレタン系?の合成素材、ギザギザラバーソールという感じかと思います。
ただグッドイヤーでオールソールできるのはありがたいですが、正直このラバーソールの部分薄すぎでは…?という感じがしなくもないです。笑
さすがに白い合成素材の部分まで削れてまだ全然履けます!とはならないと思いますので、そう考えると結構ソール自体の寿命は短そうな気がしなくもないんですがその辺どうなんでしょう。
オールソールというかラバーソールの部分だけ剥がして、白い合成素材のうえから新しくラバーソール張り替える的な修理になるんですかね?その辺まだまだ未知数ですが、もしGETすることになれば最初に修理屋さんと相談して、どういう修理になるかどこまで履いていいのかみたいな部分を確認しておきたいところです。
それぞれのモデル詳細
London Sneaker J(ヌバック)
「J」とはGreased Nubuck=ヌバックのことですね。
Greased Nubuckの名前からしてすでにグリースが入ってますし、説明文読んでもオイル入ってるように見受けられるんですけど、オイルドヌバックという素材は別に存在するんですよね。笑
それは「H」=Waxed & Greased Nubuckという素材です。
どっちもオイルは入ってるとは思うんですけど、Jは起毛してて、Hはツヤツヤぐらいの認識でいいと思います。日本語のニュアンス的にJはヌバックでHはオイルドヌバックという感じかなと個人的には思っています。
ということでヌバックの2モデルです。カラーはブラックとモカ。
モンキーブーツのショート版みたいなデザインですね。6アイレットのシンプルなレースアップスニーカーという感じです。(構造的にはスタンスミスとおんなじ感じでしょうかね。)
かなりプレーンなデザインで上品な顔つきなので、スニーカーの中でもドレス感のある雰囲気かと思います。ソールが結構カジュアルではありますが、キレイめな服装でも通常のスニーカーほど雰囲気は崩れずにまとめてくれる気がします。
どっちのカラーもいいですねぇ。ヌバックの質感もスニーカーの雰囲気に合ってる気がします。これなら雨にも強いでしょうしタフに履ける気がします。
そして履き口のクッション素材の感じが完全にスニーカーですねぇ…。シミジミ
London Sneaker TC(トスカーナカーフ)
そしてお次はトスカーナカーフ3モデル。
コニャック(薄茶)、ミッドナイト(黒紺)、ウイスキー(濃茶)のミュージアムカーフだと思っていただいて大丈夫です。
デザインはスニーカーでよくある切り替えパターンでかなりポップめな印象ですが、素材のドレス感がハンパじゃないですね。笑
しかもそれぞれのカラーに個性がありすぎて、もはや色違いじゃなくて別の靴に見えます。
トスカーナカーフやっぱり素晴らしいですねーほんと。ミッドナイトとか画像だと全然魅力伝わらないですが実物のネイビーのムラ感相当やばいと思いますよ。スニーカーでこそ映えそうな感じがします。
コニャックもめちゃ上質なスニーカー感ありますし、ウイスキーもすごいシックな引き締まり方してますねぇ。
ウェルトとソールでかなりスニーカー感あるはずなのに、こっちは別のベクトルでドレスシューズ感ありますね。
首藤の個人的な気持ち
ディンケがスニーカーをリリースしたことに対する感想
これめっちゃ賛否両論分かれそうな気がしますけれども、個人的にはほんのちょっとだけ複雑な気持ちです。ほんのちょっとですけどね。
革靴メーカーがスニーカーをリリースすることは全然よくあることですし、昨今の情勢を考えれば自然な流れなのかなーとも思います。
ジョンロブだってベルルッティだってチャーチだってスニーカー出してますしね。さらに言えば同じ東欧勢であるルーディックライターやサンクリスピンだってスニーカー作ってますし。
ただハインリッヒディンケラッカーには、ゴツくて質実剛健で伝統バリバリの「革靴」というものだけを作るブランドでいて欲しかったなーという気持ちがちょっとだけあったのも事実です。
まあ冒頭にも書きましたが、Campusというコンフォート全振りなスニーカーみたいなモデルがある時点でこれは自分の願望でありただの幻想だっていうのは重々承知してるんですけどもね。
片一方で、ブランドを存続させていくうえで世界的な情勢やニーズを踏まえた靴づくりをしていくのは企業努力として当然ですし、新しいジャンルへの挑戦という意味ではとても好ましいことだなという気持ちがあるのもまた事実。
さらにラッカーとしては、スニーカーもディンケで揃えられるというのも非常に魅力的ではあります。笑 革靴でもディンケ、スニーカーでもディンケで揃えられたら言うことないですからね。
またいいスニーカーないかなーとちょろっと探していた時期でもあったので、このマッチング感もその気持ちに拍車をかけています。
最終的な結論としては、ちょっと寂しい気もするけどとても良いと思います!という感じです。笑
スニーカー自体の感想
全体的な感想としてはめっちゃ良い感じだと思いますし、デザインもすごく好みです!
ディンケらしいゴツドレス感を残したままスニーカーによく落とし込んだなという感じ。アッパーのチョイスもよかったですし、グッドイヤーで作ったのもすごくよかったと思います。(セメント製法で価格が落ちるなら、それならそれでよかったですが。笑)
個人的にはスニーカー専用のラストじゃなくて、ロンドンラストで作ってくれたのもちょっと嬉しかったですね。スニーカーではあるけれども、ディンケの魂をしっかり残してくれているというか。(使い回しかよという意見もなくはないかもですがそこは好意的に捉えたいところです。笑)
そして価格もディンケにしては結構頑張ってんなーという感じがしますね。そもそもディンケ自体が高いのはまああれなんですけど。笑
アッパーは通常の革靴モデルと同様のものを使用していて、且つグッドイヤーですから内容的に見ても他の革靴とほぼ同じ値段にしてもよさそうなもんですけど、しっかり50ドルぐらい下げて頑張ってるなーと思いました。
スニーカーならヌバック300ドル、TC350ドルぐらいが個人的な理想でしたけど難しいですよねきっと。わかってますわかってます。
総合的に見てどちらのスニーカーもとてもかっこいいと思います!
個人的にロンドンラストを持っていないので、ロンドンを所有するのはスニーカーでもありかなーと思うぐらいには良いと思ってます。
TCのアッパーはすでに所有しているので買うならヌバックの方かなーと思いつつデザインはTCの方が好きなんですよねー。すぐには買えないけど悩みどころです。
ちなみに他の人にお勧めするとしたら、スニーカーに5~6万払えるのであれば確実にTCの方をオススメします。トスカーナカーフの質感や色味が超かっこいいので。
まとめ
ということで今回は久々のディンケINFO、スニーカーのリリースについてでした。
中々のディンケファンじゃないと手が出ないシロモノな気はしますけど、個人的には非常に気になる内容でした。
あとはゲットするにあたって考慮すべき内容としては、
- そもそもスニーカーに5~6万円払えるか
- サイズ選びは革靴とスニーカーどちらの基準になるのか
- 実際のところ履き心地はどんなもんか(ちゃんとスニーカーなのか)
- 製法はグッドイヤーで間違いないか
あたりでしょうかね。最初のやつは本当にそもそも感ありますが。笑
この辺りは本当に購入検討するタイミングになったらディンケに直接問い合わせてみたいなーと思います。
今回はロンドンラストでのリリースでしたが、今後他のラストでのリリースはあるんでしょうか。
冒頭に記載した通り中々スニーカーに向いているラストは少ないので、どうかなーという気もしますがちょっと期待してしまいますね。
また情報が入ったらディンケINFO更新したいと思います。
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