寒くなると革の表面に出てくる白い粉状のモノ…。
もしかして…、私の年収、低すぎ?!カビ?!!?!?
なんて王道な前振りをしましたけどもご安心ください。コードバンにおいては大体の場合はカビじゃないです。
そもそも革靴にカビが発生するのは、大抵の場合雨の日に履いて濡れたまま放置パターンが圧倒的に多いです。コードバンの靴をバッチバチに濡らすことってあんまりないですよね。
中には雨でも気にせず履く方はいると思いますが、そういう方はしっかり履いた後にケアされてるのでこんな心配はしてないでしょう。
晴れの日にしか履かない大事なコードバン。 それが何故か白くなった。
今日はそんなコードバンに出てきた「白い粉」の正体と、見分け方&対策について書いていきますよー!(例に漏れずうっすーい知識と経験談ですのであしからず)
白い粉が浮き出てきた…!
まずは白い粉がアッパーに浮き出てる状態を見てみましょう。
はい、こちらドーン。
どーん。からの首藤のRIOちゃんが…!!
アッパーに何やら白い粉のような、シミのようなものが浮き出てますね。
これはいったい何なん? とそう思う前に、まずはいつもの流れで馬毛ブラシでブラッシングしちゃいました。
なんかブルームっぽいし。なんでもとりあえずブラッシングやで、な世代。悩む前にブラッシング。 ブラッシングしてから考える派。断然革靴派。
そしてなんと。
綺麗になったではないですか。
ただのブルームだったかー。
<翌日>
また出てる…!!
※注:フォルダサルベージの都合上同じ画像です
ブルームなら、一回ブラッシングすれば消えるんじゃないの!?
よくブログで見るパラブーツは一回で消えてるし、毎日出てくるなんて書いてませんでしたが??が???
ほんとはみんな毎日やってんの??? な感じになったのでとりあえず調べました。
その結果、白い粉状のものが出る原因は大体下記の4種類であることがわかりました。
白い粉四天王
さあ白い粉四天王の紹介です。
- カビ:キングオブ白い粉。見たものには絶望が訪れる。
- 塩スピュー:別名塩吹き。革靴にしみ込んだ汗などの塩分が浮き出てくるやつ
- 脂肪スピュー:主に衣料革で発生。脂肪分がアッパーに浮き出てくるやつ。
- ブルーム:革に染み込んだオイルやロウが気温差などによって表面に浮き出てきたもの。
ということでそれぞれの詳細を解説していきます。
カビ
まずカビはいいですよね。
土砂降りの中歩きまわった日にケアをせず玄関に放置したりとか、ジッメジメの超絶湿度の下駄箱に長期間入れっぱなしとか、もうそういう心当たりのあるときに出てくるものです。
一度発見したら最後。 決死の覚悟でゴリゴリのカビ落とし&丸洗い防カビフルメンテをするか、プロにクリーニングしてもらってください。首藤的にはプロにお任せが推奨。
ちなみにカビは予防が非常に大切なので、カビが生えやすい地域にお住まいの方はこういうのでしっかりケアすることをお勧めしますよ。
次に見分け方として、まずカビは見た目と臭いでわかることが多いです。
粉というよりはモハモハした感じ。そしてばっちりカビ臭い。もはやなんか雰囲気が別格。これは経験がなくても出会っちゃったら一発でわかる系のやつなのでそこまで見分け方は心配しなくてもいいでしょう。
今回のRIO)(リオ)に関してはカビ臭さもないですし、雨の日は履かず普通にしっかり手入れして風通しのいいところに保管していたので、まずカビはないでしょうということで今回は除外。
ちなみにカビが発生してしまった際に自分でケアする場合は、モールドクリーナーでしっかりふき取ったのちサドルソープで丸洗いというのが王道コースでしょうか。
(激アツセット発見しました。)
塩スピューと脂肪スピュー
次にスピューです。
いや待て待てい。そもそもスピューとはなんぞや。なんぞやですよ。
ネットの海で泳ぎながらウォッチングしてみると、どうやら革に浸透していた塩分が浮き出てきたのが塩スピュー、脂肪分が浮き出てきたのが脂肪スピューらしいということがわかりました。
ちなみに首藤はこちらを参照。
塩スピューは所謂「塩吹き」でしょうか。
雨などに濡れた際に汗に含まれる塩分が革に浸透し、さらに乾燥して水分が蒸発すると同時に内部の塩分がアッパーに浮き出てくる現象です。
脂肪スピューは主に皮革衣料に出てくる現象らしいんですけど、革に残っていた脂肪分が表に浮き出てくる現象らしい。
繰り返しになりますがコードバンなので雨の日に履かないです。ということで塩吹きではなさそう。
というかそもそもコードバンに塩吹きって出るんでしょうか。あんまり聞いたことないですね。よく聞くのはカーフの革靴な気がします。
とりあえず首藤は汗っかきなので塩分は浸透してそうですが、塩スピューはどうやら拭きとっても消えないらしいです。そこが判断ポイントでしょうか。
脂肪スピューはよくわからないしほぼほぼ衣料らしいのでとりあえずスルーで。笑
ドライヤー等で温めてから拭き取ればいいという対策だけ覚えておきます。笑
ちなみに塩スピューが出てきてしまった時の対策は、濡れたタオルで優しくふき取り、乾燥後デリクリを入れてあげる感じみたいです。雨に濡れた時のケアとほぼ対策は一緒ですね。
ブルーム
今回の本命、ブルームです。
もうたぶんこれですよね。思い返してみれば上記の画像の通りRIOは購入時にすでにブルームが出ていました。これとおんなじ空気を感じます。
この時期(10月前後)北国の夜は日によっては10度を下回るので、昼との温度差でブルームが出てきてもおかしくない。
もうこれだ。ブルームだ。完全にこれ。これ一択。
コードバンは元々油分やロウ分が多いですし、改めて出てきても全然おかしくないですしね。というかオールデンのコードバンシューズでも全然ブルーム出てきますしディンケで出てきてもおかしくない。
今回においてはカビと脂肪スピューは却下として、塩スピューの可能性もあるのでとりあえずブラッシングしてから判断することにしましょう。
そしてブラッシングついでに思い出したんですが、初めてのコードバンなので過保護に育てようってことで、ネット知識から当初馬毛ブラッシングしかしてこなかったんですよね。もしかしてそのせいもあるのかなと。
もしかして馬毛ブラシではしっかりと油分が革に浸透していないのでは?
浸透せず余って浮き出た油分が出てきてしまっているのでは?とちょっと思いついたわけです。
なので今回は実験的に右足を豚毛、左足を馬毛でブラッシングして翌日確かめてみることにしました。
これで塩スピューかブルームか、もしくはブルームならブラシの種類が原因なのかが確認できるという寸法です。
白い粉対策実験!結果は?
気になる結果はこちらです!!
ドーーーーン!
はい、ということで予想的中でしたー。
豚毛でしっかりブラッシングした右足は、翌日も白い粉のないきれいな状態を保っておりました。
引き続き馬毛でブラッシングした左足は、またブルームが浮き出てしまってますね。
右足はこの通り白い粉のない綺麗な状態です。 逆に油分がしっかり浸透してちょっと艶が増したような気もしないでもないような? ガッシガシ力入れて磨いたんですけどね。むしろそれが良かったのかな?
細かい部分を含めて全体を見ていきましょう。まずは豚毛ブラシを使った右足。
完全に白い粉(ブルーム)は消え去っていますね。
よかったーーーー。カビでもスピューでもなくて。大丈夫だとは思ってましたけど本当によかったです。
続いて馬毛ブラッシングをした左足です。
多少は薄くなってきてはいますが、結構ブルームが浮き出てますねこれは。
ブラッシング後なら履けないこともないですが、どれぐらいでブルームが再発するのかがわからないのでそんな爆弾を抱えたまま一日を過ごしたくはないですね。
やはり豚毛ブラシでのブラッシングがジャスティス。
ということで、左足も豚毛でしっかりブラッシングをしてガッシガシブルームを押し込んでいきます。
はい綺麗になりましたー!
最後にモゥブレイのグローブクロスで磨けば…はい綺麗ー!
やっぱりなんか艶が増した気がしますね。
ブルームは味方!パラブーツと一緒で油分をしっかり革に押し込めば艶に変わる…!
まとめ
ということで今回はコードバンに出てきた白い粉の正体と調べ方、そしてその対策について解説しました。
結論としてはコードバンの頑固なブルームには、馬毛ブラシではなく豚毛ブラシを使う!
念入りに油分を押し込むようにブラッシングしましょう!
またブルームかどうか判断が出来ないときは、下記の手順で白い粉対策です。
- まずは見た目と匂いで判断。カビは匂いと共にオーラが別格なのでなんとなくわかる。範囲が狭くて微妙に判断できないときは次へ。
- ネル生地等で軽く拭いてみる。消えたらブルームの可能性が高いので、油分を押し込むように念入りに豚毛ブラシでブラッシング。
- ブラッシングで消えなければ塩スピューを疑う。水に濡らし固く絞った布でしっかり拭き取る。
- それでも消えなきゃ脂肪スピュー!ドライヤー等で温めてからしっかり拭き取る。
- これで消えなきゃカビの可能性大!丸洗い防カビコンボかプロに頼ろう!
以上です。皆様の白い粉問題のご参考になれば幸いです。
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