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【ブランド紹介】東欧製靴技術の結晶!ドイツの古豪 Heinrich Dinkelacker (ハインリッヒディンケラッカー) の歴史と魅力を徹底解説!

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みんな大好きハインリッヒディンケラッカーのブランド紹介です。

 

どういうブランドなのか、どういったコンセプト・理念なのか、普通にググったら出てきますけれども、首藤なりにしっかりまとめてみました。

 

やっぱり愛するブランドのことなので、しっかり自分のブログで自分の言葉で紹介したいなと思います。

本当に今更かよっていう話なんですけれども、なんか色々追加したりリライトしたりしてたらすごい時間かかっちゃって。個人的にも重要な記事なので、固定でブログトップから見れるようにでもしておきましょうかね。

 

めっちゃくちゃ長くなりますので、気になるところだけ見出しからジャンプしてください。笑 

全部読みてえ!!という奇特な方は最初から順を追って読んでみてください。

 

首藤が愛するハインリッヒディンケラッカーってこんなブランドなのかというのが、ちょっとだけお分かりいただけると思います。

  

   

目次

ハインリッヒディンケラッカーとは! 

真面目に説明

出典:https://www.cuv.jp/contents/brands/imported/heinrich-dinkelacker/

 

ハインリッヒディンケラッカーは、1879年に創業された、製造をハンガリーの工場で担うドイツの名門ファクトリーです。

 

『一歩前進するごとに極上の享楽を提供する』というマインドの元、マイスターの称号を持つ職人たちによって、ブダペストに伝わる伝統的な製法で最高峰の靴が生産されています。

 

また、スローファッションの精神に沿って、今も尚、30~40人の熟練のマイスターたちによって、創業時から変わることなくハンドメイドで製造されているため、年間僅か8000足しか生産されないと言われています。

 

元々は足の弱いエグゼクティブの矯正靴を作っていたというバックボーンを持ち、人間工学に基づいたインサイドストレート、アウトサイドカーブを主軸とした木型になっているため、多くの人の足型にフィットしやすい作りになっています。

 

インパクトのある見た目とは裏腹にその足入れは柔らかく、履き込む毎に増す足との調和性や一体感は、しばしば『絨毯の上を歩いているような』履き心地と形容されます。

 

さらにハインリッヒディンケラッカーは、その素材にも並々ならぬ拘りを持っています。

 

アッパーには厳選されたホーウィン社製のコードバン、デュプイ社やワインハイマーレーダー社のボックスカーフなどを使用し、ソールには底材として最高峰の呼び声高いジョーレンデンバッハを採用しています。

 

最高の職人が、最高の素材を使って、最高の技術で製造する靴達は、まさに『靴のロールスロイス』と呼ばれるに相応しい品質と品格を備えています。

  

首藤の所感

  

兎に角、最高of最高が詰まったファクトリーだっていう事ですよね!(台無し)

 

ブランドマインドである『一歩前進するごとに極上の享楽を提供する』っていうのは、履き心地だけじゃなく、オーナーのすべての「欲」を満たしてくれる、という事でもあると思うんですよ。

 

靴バカの欲望ってのは際限がないことは皆さんがよーーくご存知だと思うんですが、上を見れば本当に限りがないですよね革靴って。

 

出来るだけ最高の素材がいい。 

最高の履き心地のものがいい。 

最高に丁寧な作りの靴が欲しい。

 

買えば買うほど、さらに先を追い求めてしまう、泳ぎ続けないと死んでしまうサメのような我々ですが、その最高到達点の一つが、このハインリッヒディンケラッカーだと思うわけです。(首藤の主観ですよ)

 

それぞれ泳いでるルートによっても、行きつく最高到達地点は違うと思いますけども。

 

ディンケの木型が足に合う人にとっては、これほど「最高」が詰め込まれた靴って中々ないと思います。

 

厳選した最高の素材に始まり、ブダペストで語り継がれるディンケラッカーにしかできない製法を使って、マイスターが一つ一つ丁寧に作っている。

 

そんな靴を所有できる時点で、満足感が半端じゃないわけです。

 

足元だけじゃなく心まで満たしてくれる = 極上の享楽を提供する

 

勝手な解釈ながら、このブランドマインドには、そういった妥協を許さないカスタマーファーストの精神やブランドとしての誇りが宿っているような気がしてならないのです。

  

  

ハインリッヒディンケラッカーの歴史を紐解く!

年表から見る歴史

出典:https://www.kickstarter.com/projects/heinrich-dinkelacker/heinrich-dinkelacker-140th-limited-anniversary-edi?lang=ja

 

ハインリッヒディンケラッカーの歴史は古く、1879年に創業されてから、今年(2019年)でなんと140年を迎えました。

英仏の歴史あるファクトリーに決して引けをとらない、伝統を持ったシューメーカーなのです。

 

ドイツには全国的に市場に流通している、有名紳士靴ブランドというのはあまり多くない印象です。

エドワードマイヤーという、歴史的背景では別格な化け物ブランドが存在しますが、ほぼ日本での市場流通はありませんね。

 

ハインリッヒディンケラッカーはドイツにありながら、その実、製造を担っているのはハンガリー(ブダペスト)の工場です。

 

デザイン・経営がドイツ、製造がハンガリーというちょっと特殊な体制を取っており、歴史を遡ってみると、そのあたりの理由が垣間見えてきます。

  

HISTORY

1879年:ハインリッヒ・ディンケラッカー氏にてドイツで創業

???:2代目の時代にアポロという社名でドイツ屈指のファクトリーに成長(公式に掲載なし)

???:バークハート・ディンケラッカー氏が18歳でアポロに入社直後、2代目が病で急逝。若くしてバークハート氏が3代目の社長に就任。アポロの成長に貢献。

1960年初頭:3代目バークハート氏がブダペストに工場を設立(おそらくこの時に手縫い部門だけを残しアポロを売却。現在のハインリッヒディンケラッカーの原型となる。)

1960年代:RIO誕生

1970年代:BUDA誕生

2005年:3代目バークハート氏退社。ディンケラッカーファンの富豪トリオが会社を引き継ぐ

2016年:Shoepassion GmbHの子会社化

2019年:140周年記念モデルとしてKickstarterでSilever Editionを発表

  

歴史を解説!

首藤なりに色々調べて歴史をまとめてみましたよ。

 

正直アポロ時代の情報は全然わかりませんでした。ヴィンテージ靴として人気を誇るアポロですが、今回は割愛します。

 

おそらく今の僕らが知っている「ハインリッヒディンケラッカー」は、3代目バークハート・ディンケラッカー氏の時に作り上げられたものかと思われます。

 

バークハート・ディンケラッカー氏! 貴重な画像ですね!

出典:http://yamazaki.naganoblog.jp/e796610.html

 

3代目バークハート・ディンケラッカー氏は、ハインリッヒディンケラッカーの前身となるアポロを売却し、手縫い部門だけを残して、新たにハンガリーのブダペストに工場を設けました。

 

バークハート氏が何故突然ブダペストに工場を構えたのかという話ですが、これは同社の特徴の一つとも言える辮髪縫いのウェルト、『ノルウィージャン製法』を得るためであったと言われています。

 

出典:https://www.cuv.jp/contents/brands/imported/heinrich-dinkelacker/

 

ハインリッヒディンケラッカーが手縫い(ハンドソーン)の製法を始めた当初、この技術が存在するのがハンガリーのブダペストのみであったため、ドイツのブランドでありながら、工場をハンガリーに建設したという経緯があります。

 

そこからは、現在の僕らが知るディンケラッカーの歩みとなります。

 

1960年代にRIOが誕生、1970年代にはBUDAが誕生し、現在のディンケラッカーで双璧を成すアイコンモデルが生まれました。

 

ちなみにRIOって誕生から60年以上経っても変わらない伝統的な木型、みたいな触れ込みなんですが、公式サイトでは1960年代に誕生って書いてあるんですよね。

 

今が2019年なので、仮に1960年に誕生していたとしてもまだ59年になるんですが、その辺の時期的なズレって何なんでしょう。笑

 

歴史の歪みかな?

 

首藤が間違ってるかもしれないので、もし知ってる方いたら優しく教えてください。 

若しくはなんとなくこう、時空の歪み的なXファイル的な感じでぬるっといきましょう。

 

次なる変革は2005年。

 

3代目バークハート氏の退社と共に、ディンケラッカー一族による経営の歴史が終焉を迎えます。 

これが少し特殊なんじゃないかと思うんですが、なんとハインリッヒディンケラッカーの熱心なファンであった富豪トリオに、経営をバトンタッチします。

 

ちなみに富豪トリオである御三方は、元IBMのマネージャー、元ポルシェのCEO、元ポルシェのスポークスマンという、かなりのビッグネームな方々です。

 

そして経営が引き継がれても、三人は機械化、合理化への恭順は良しとせず、伝統的なブダペストでのハンドソーンを続けることを選択しました。 

 

出典:https://www.cuv.jp/contents/brands/imported/heinrich-dinkelacker/

 

これが、現在まで伝統あるディンケラッカーの形を守り抜いた要因なのではないでしょうか。(違ったらサーセン)

  

そして最後の変革は、2016年。

 

なんと、Shoepassion GmbHとの合併を発表しました。

※追記:合併ではなくShoepassionの子会社になったようです。Heinrich Dinkelacker自体の会社名はなくなっていないとのこと。教えてくれてありがとうございますー!

ハインリッヒ・ディンケラッカーのアウトレット① | ロンドン散財見聞録

 

Shoepassion は、ドイツはベルリン発の、新進気鋭のシューメーカーです。

 

これにより守り抜いた伝統は、その形を保ったまま、世界へ広く発信されることになりました。 

Shoepassion との合併の子会社になったことにより、ディンケラッカーの公式サイトがShoepassion.com に併設、一新されました。 

 

 

非常にスタイリッシュで見やすくなり、グローバル世代のメーカーであるShoepassionの流通ノウハウが活かされ、海外への配送も整備されています。

 

この合併子会社化による成果は、伝統あるハインリッヒディンケラッカーの価値を落とさず、知る人ぞ知るブランドであった同社を、触れやすい(調べやすい)システムを構築したことだと、首藤は思います。

 

兎に角、現在の公式サイトはめちゃくちゃかっこいい。バグは多いけれども。

スタイリッシュで、感覚的に欲しいモデルを調べることができ、オーダーも簡単です。バグは多いけr…

 

またグローバルな流通経路も整備されたおかげか、149ドル以上であれば配送料無料などの設定もあり、海外からの購入にも優しいサイトポリシーになっています。

 

ネット社会の現代において、この変革は非常に大きな意味を持つと思います。

  

さらに今年2019年、新たな試みが始まりました。  

出典:Heinrich Dinkelacker 140th Limited Anniversary Edition by Heinrich Dinkelacker — Kickstarter

 

クラウドファンディングであるKickstarterで、140周年の記念モデルであるシルバーエディションを発表しました。

 

一応クラウドファンディングなので、支援した人がリワードを受け取れるみたいな形式なのですが、目標金額を一瞬で到達したので、実質受注生産ですね。(元々そういう設定にされていました)

 

在庫を抱える必要がなく、受注生産形態であるために様々なコストカットが実現でき、プロパー価格よりもかなり金額を抑えて購入することが出来る、画期的なアニバーサリーイベントです。(現在は受付を終了しています)

 

これディンケファンからしてもかなり特別なモデルがリリースされたんですが、それ以上にかなり広範囲に門戸を広げる画期的な試みだったと思います。

 

金額的にも認知的にも敷居の高い高級紳士靴ブランドですが、クラウドファンディングを通すことによって、全国の誰もが参加することができ、さらに一般購買層にも手が届く値段設定になっていました。

 

140周年のシルバーエディションの素晴らしさについては、また別記事で熱く語ろうとは思っていますが、これもShoepassion の合併子会社化が非常に大きい要因だったように見受けられます。(あくまで首藤の推測ですよ)

 

 伝統のクオリティや作り上げてきたブランド価値を守りながら、さらに挑戦を続けていくハインリッヒディンケラッカー。 

そういった姿勢に、魅力を感じずにはいられません。

  

 

ハインリッヒディンケラッカーの特徴

特徴的なウェルト形状(三つ編みノルウィージャン)

 

ハインリッヒディンケラッカーの特徴といえばなんと言っても、迫力あるウェルトではないでしょうか。 

BUDAをメインに、LUZERNなどにも採用されている独特のウェルトパターンです。

 

日本の代理店別注で、ローファーにも搭載されていますね。めっちゃくちゃかっこいいやつ。あれ確か日本限定だったはずです。

 

首藤も実際、一番最初に心を奪われたのはこの三つ編みのウェルトのパンチ力でした。

 

ツォップナート辮髪縫い三つ編みとも言われ、単純にノルウィージャン製法と呼ばれることもあります。

ちなみに公式では、BRAIDED WELT(ブレイデッドウェルト)と記載されています。

 

代理店ではパラブーツなどの「ノルウィージャンウェルテッド製法」や、ブランキーニの「ノルベジェーゼ製法」などとは差別化し、「ノルウィージャン製法」と表現しています。

 

わかりづらいので首藤は勝手に、三つ編みノルウィージャンと呼ぶことが多いです。笑

 

そもそもこの三つ編みノルウィージャンは、二本の革紐と一本の麻紐を三つ編みしながら縫い付けるという、ノルウェーのフィヨルド地方で雪原を歩く際に、靴に水が染み込まないように編み出されたのが起源だそうです。

 

見た目のインパクトや美しさに目が行きがちですが、その実、防水性に特化した技法になります。

 

以上のことから、ブランキーニパイセンの「ノルベジェーゼ製法」は、この三つ編みノルウィージャンの形状だけを模したものであるため、ウェルトが外に出ていないことから製法としては別物であるようですよ。 

芸術性重視なんでしょうか。あれはあれでめっちゃかっこいいですよね。

 

他のブランドも辮髪縫いやってるじゃんーーー!て最初は思ってたんですが、こういうことだったんですね。 

この辺は、このように代理店のブログに何度も登場しておりますので、詳細は下記からご覧ください。

 

この独特の三つ編みのウェルト形状は、ハインリッヒディンケラッカーだけが公式に製法として謳えるものであり、唯一無二の存在感を誇ります。

何より史上最高にかっこいいです。もうそれに尽きる。

  

ちなみに、数年前まではコードバンにはこの三つ編みノルウィージャンは施せなかったそうですよ。 

理由はあまりにも縫いが複雑(糸が太く縫いの数が多い)で難易度が高く、コードバンの持つ革質故、針が折れるか革が破れるから。

 

それがなんとここ数年の職人たちのまさかのレベルアップ(!)により、コードバンにも施せるようになったとのことで、一躍BUDAのコードバンノルウィージャンは人気モデルに躍り出ました。

 

出典:https://www.cuv.jp/contents/brands/imported/heinrich-dinkelacker/

 

何十年も不可能だと言われていたことが、長い研鑽を経て可能になる。 それも誕生から40年以上経過してからの進化ですよ。

 

凄すぎて頭の悪い感想しかでてきませんが、くっっっっそヤバくないです?

 

ただ毎日同じ靴を作っているだけじゃない。毎日進化を続ける職人たちのそんな姿勢が、不可能だと言われた技術を生み出し、新たな製法や工程を確立出来たのだと思います。

 

そんな全世界待望のコードバンノルウィージャンのモデルが、たった数年でディンケを代表するモデルになったのも頷けるというものです。

 

出来ることならリアルタイムで、その瞬間にラッカーとして立会いたかった…泣

  

トリプルソール・ハンドソーン・ウェルテッド製法

 

代表モデルであるRIOの製法です。 

 

その名の通り、レンデンバッハのソールを3枚重ねたド迫力の製法です。ソールの2層目まではハンドソーンウェルテッドで取り付けを行い、3層目はセメント接着されています。

 

その厚さなんと約1.5㎝! 

本当に曲がるのかと思うほどの分厚さですが、なんとこれが見事に曲がります。(快適な返りがつくまでは少し時間を要しますが笑)

 

そしてトリプルソールの名は伊達じゃないクッション性を誇ります。 

この部分の詳細については、RIOの履き心地記事にも載せてるので、よろしければこちらからどうぞ。

 

  

RIOのトリプルソールは、ハインリッヒディンケラッカーにおいて、最もクラシックな作りと言えるでしょう。

  

ブダペスター

 

ハインリッヒディンケラッカーの爪先形状と言えば、ブダペスターが有名です。

 

RIOなどに代表されるクラシックなラストに採用されているトゥ形状で、爪先からサイドにかけて、断崖絶壁の「箱」のような形状となっているものを指します。

 

サイドウォールがしっかり垂直に立ち上がっているため、見た目に重厚感が生まれるのと同時に、指先にスペースが出来るため、爪先が自由になるという利点があります。

 

最近は、LUZERNやMILANOなどのエレガンスな木型も増えてきたので、すべてが適用になっているわけではありませんが、ディンケラッカーの先行的なイメージといえば、このブダペスターかなと思います。

 

この「箱」感、首藤は大好物です。

  

オリジナルカラーのコードバン

ハインリッヒディンケラッカーは、様々なアッパーの種類を取り揃えていますが、メインモデルにコードバンを採用しています。 

というよりは、日本ではコードバンモデルが人気で、多く流通しているというのが正しいんでしょうか。

 

そのコードバンの中でもハインリッヒディンケラッカーには、ホーウィン社に別注しているオリジナルカラーがあります。

 

それが『ダークコニャック』『ネイビー』です。

出典:リファーレ名古屋ブログ

 

ALDENをはじめ他のブランドには存在しないカラーということで、どちらも不動の人気を誇っており、特にダークコニャックはディンケを代表するカラーだと首藤は思っております。

 

ディンケが好きになったのなら一度は憧れるカラーですね。

 

ちなみにネイビーのコードバンは割とほかのブランドでも見たことはあるんですが(ユケテン、カルミナ、クロケット等)、ダークコニャックは本当に見たことないですね。 

 

ダークブラウンとかそのあたりは見たことあるんですが、あれと同色なんでしょうか?

ネイビーもかなり黒に近い紺なので、他のブランドで使用しているネイビーとは違うんでしょうかね。

 

これに加えて、他ブランドでも展開の少ないオックスブラッド、定番のブラックの四色が、ハインリッヒディンケラッカーのコードバンカラーとなります。

 

尚、ディンケのコードバンは自然仕上げであるため、非常に革質が良く、エイジングが美しいことでも有名です。

 

生きたコードバンなんて呼ばれることもあるみたいですが、首藤は革質はそこまで詳しくないので、主観でしか語ることができないのですが、確かにすごく肉厚でもっちもちな感触です。

 

また、自然仕上げ故か、バッチバチの光沢が備わっているわけでもなく、一見マットな質感なんですが、履き込めば奥底から光りだしそうなポテンシャルはビシビシと感じます。(贔屓目でしょうかね?笑)

 

オリジナルカラーというだけでなく、コードバンの品質にも拘っていてまさに死角なしといったところ。

  

豊富なアッパー

ハインリッヒディンケラッカーと言えばコードバン!みたいになっているので、あまり知られてはいませんが、実はめちゃくちゃアッパーの種類が豊富です。

 

現在展開しているアッパーだけでもこれだけあります。

 

コードバン
ボックスカーフ
アンティークカーフ
インディアンカーフ
スエード
ヌバック
オイルドヌバック
ヴェルヴェティヌバック
アートグレイン
ソフトカーフ
ウォーターバッファロー
トスカーナカーフ

 

 さらには説明が微妙すぎて結局何なのかわからない「Acapella」「Brushed Calfskin」「Mambo」などもあり、かなり豊富なラインナップから選ぶことが出来ます。

 上記だけでなく、首藤の知らないアッパーも存在するはずです。

 

当然種類が多いだけではなく、素材の選別には相当の拘りがあるようです。

 

コードバンは自然仕上げのものを使っているため、必然的に質のいいものが選別され、ボックスカーフについては、カラー毎にタンナーを変える拘りようです。(ダークブラウンやボルドーはデュプイのカーフを使っています)

 

首藤は現時点で4種類のアッパーを所有していますが、どれもかなり上質だなという印象があります。 

革質初心者なので、どこがどう良いというのはうまく言えないんですが、とりあえず履きジワがめちゃくちゃ良いというのは感じますね。

 

どんな感じになってんのやーというのは首藤のインスタから是非ご覧ください。結構な高確率でディンケを履いておりますので。

 

アッパーの種類やその特徴については、また別途記事にて詳しく紹介していきたいと思いますよ。

   

拘りのソール

出典:https://www.cuv.jp/contents/brands/imported/heinrich-dinkelacker/

 

ディンケと言えば、ソールも一つの特徴ですよね。レザーソールでもラバーソールでも一切の死角なしといった感じです。

 

まずレザーソールですが、すべて最高峰と呼び声高いジョーレンデンバッハの底材が使われています。 

Joh. Rendenbach でジョーレンデンバッハです。JRと書いてあるので日本だと違った意味で馴染みのある文字列ですよね。

 

もはや靴バカの皆様に紹介するまでもないと思いますが、念のため。

 

このジョーレンデンバッハのソールは、所謂「オークバークソール」と言われるもので、原皮の状態からタンニンで鞣されたものです。 

このタンニン鞣しを、なんと1年間かけて行うという半ばイカれた製法により、革の繊維の目が詰まった丈夫で減りにくいソールに仕上がっていくのです。

 

じっくりしっかり仕上げれられたレンデンバッハのソールは、通常の底材よりも硬く、それ故相当な耐久力を誇ります。 

素材としての硬さは最高レベルですが、しなやかさも備えているので、馴染んでいけばしっかりかえりが付いてくるのも特徴的です。(普通よりちょっと時間はかかりますが)

 

他の一流メーカーでも採用されるこのレンデンバッハが、なんとディンケでは標準装備です。 

更に言うと首藤はローファー以外ではシングルソールのモデルを見たことがないので、「レンデンバッハのダブルソール」というのが、ローファー以外でのディンケのレザーソールの標準装備となるわけです。

堅牢さと実用性を重視する、ドイツらしいスペックですよね。

 

またこの最高の底材を、ディンケのマイスターが仕上げていくわけですが、すべてヒドゥンチャネルにより縫い付けられています。(※トリプルソールなどは三層目はセメント接着なので靴によります)

 

ヒドゥンチャネルとはソールの縫い目を隠す方法となり、通常の縫い付けの前に、ソールの横から切り込みを入れてステッチ用の溝を作り、縫いを行ってから剥がしたレザーを接着するという非常に手間のかかる製法です。

 

今でこそ当たり前のように行われているヒドゥンチャネルですが、元々はビスポーク由来の製法で、ステッチ切れによるソール剥がれを防止する効果や、靴をよりエレガンスに見せることが可能となります。

 

そういったものを含めてソールを見ると、見えないのにどうしてここまで力を入れた…?と聞きたくなるような作り込みです。笑 

履いてしまえば見えないし、歩いていれば削れてしまうのに、さらに言えば規制靴なのに、何故ここまで美しく、細部までこだわり抜いた仕上がりにしているのか。

 

ヒドゥンチャネル、HDの美しい焼き印、黒塗料の図太い縁取り、規則正しく打ち込まれた化粧釘、オリジナルのゴールドのメタルプレートなどなど。

 

一つの靴に全部盛り込まれているわけではありませんが、ソールの技術だけを見ても、もう作り込みが半端じゃないです。 

堅牢性と美しさを両立させた、唯一無二の存在感が光るソール仕上げになっています。

 

こういうところも、首藤がディンケラッカーに惹かれる要素ですね。

 

次にラバーソールですが、こちらはディンケラッカーオリジナルのラバーソールが採用されています。

 

正直ディンケのソールに関しては、レザーソールよりこっちのラバーソールの方がある意味ヤバい仕様なのではないかと思っております。

 

ラバーソールは、OKギムウィック社(読み方あってんのかな?)という検索しても全く出てこないメーカー製なんですが、ドイツの軍事用の自走砲に使用されるタイヤの素材と同じものを使用しています。

 

もうなんかこの時点で視点が違いません?笑

 

ビブラムとかダイナイトとか、パラブーツの自社製ラバーソールとか、そういうこう一般的なラバーソールとは、一線を画す何かがあると思うんですよね。 

めちゃくちゃドイツらしい視点というか。

 

ちなみに自走砲って、これのことです。 

 引用:http://barbarossa.red/tankothermilitallyvehicle/

 ※あくまで自走砲のイメージですよ!

 

なんていうか、細かいくくりは知りませんけど、普通に戦車ですよね…。笑

 

戦車のタイヤ(キャタピラ?)と同じ素材で、人間が履く靴のソールを作っちゃうおう!というのがまずイカれてますけど、採用する方もする方です。(誉め言葉)

 

以上のことからも想像できるように、ディンケのラバーソールは言わば戦車のタイヤと同等の耐久性を誇るわけで、人間程度の歩行摩擦ぐらいでは、なんらダメージを受けないのではないかというレベルなんですよね。

 

首藤はまだラバーソールを履き込んでいないので、代理店のブログから引用します。

 

どのくらい耐久力が有るのかというと、私が履いているノルウィージャンブーツのモデルは5年以上履いていて、未だに踵のディンケラッカーのマークや細かいモールドの線が消えていないくらいとなっています。

引用:https://ameblo.jp/aidas-crysta39/entry-12416518621.html

 

果たしてオールソールするをするまでに、どれぐらいの期間を要するのか。笑

ガッチリ履き込んでいつかレビューしたいと思います。

 

またラバーソールには、上記の通常使用のものの他に、同一形状でナチュラルカラーのフレキシブルラバーソールと呼ばれるものや、ローファーなどに使用されるフラットなラバーソール、またCampusというモデルにだけ採用されているギザギザ状のラバーソールなんかも存在します。

 

それぞれラストや用途によって、通常仕様以外のラバーソールが採用されることもあるので、幅広く対応していると言えます。

 

しかもすごいのが、どれもディンケ以外のメーカーでは見ないオリジナルソールなんですよね。(ギザギザソールはちょっと自信ないですけど)

 

ディンケのソールと言えばレザーソールが注目されがちですが、自社生産ではありませんが、オリジナルのラバーソールにも相当拘りがあるように見受けられます。

  

 

アイコンモデルはこれだ!!

RIO Full-Brogue Cordovan (Dark Cognac)

 

やっぱりハインリッヒディンケラッカーのアイコンモデルと言えば、まずはこれじゃないでしょうか。 

RIOのコードバンフルブローグです。

 

トリプルソール、ハンドソーン、ブダペスター、繊細且つ大胆なフルブローグ、自然仕上げのコードバン、オリジナルカラー、とディンケを代表する特徴てんこ盛りです。

  

色んなラストやマテリアルの存在を知っても尚、これがアイコンモデルだと首藤もやっぱり思います。 

一目でRIOだとわかるその佇まいや、随所から滲み出るオーラ、何か一つの完成形を目の当たりにしているような安心感がそうさせるのでしょうか。

 

『一歩前進するごとに極上の享楽を提供する』というブランドマインドを体現したかのような、品質と風格を兼ね備えている思います。

 

機械縫いの靴と手縫いの靴を並べられて、さあどっちだ?って言われても首藤には全然わからない自信があります。 

でもきっとこの靴からは、職人たちが込めに込めまくった魂みたいな、目には見えない何かを感じ取れるんじゃないかなーと思っています。

 

同モデルでコードバンだけでなく、様々なカーフやウォーターバッファローなどのアッパーで現行展開されているのも、アイコンモデル足る理由になるのではないでしょうか。

  

BUDA Full-Brogue Cordovan (Navy)

 

 出典:Rifareブログ

 

続いては、RIOに続き歴史ある木型、BUDAのフルブローグです。

 

迫力あるノルウィージャン製法の三つ編みウェルトと、ブラウンステッチで施されたフルブローグの組み合わせは圧巻の一言。 

ダブルソールながら、三つ編みのウェルトによりRIOに負けない重厚さを誇っております。

 

まあ正直カラーの選択については賛否両論あると思いますが。笑 

BUDAもダークコニャックの人気が高いとは思いますが、三つ編みノルウィージャンとのカラーの兼ね合いなのか、ブラックやネイビーの方のモデルをよく見かける気がします。

 

正直アイコンモデルの話なのでカラーはそこまで重視してないというか、代表例として出しているだけなので、その中から、オリジナルカラーであるネイビーをチョイスしただけですね。

 

RIOとBUDAのフルブローグモデル、というのがハインリッヒディンケラッカーの二大アイコンモデルであるという通例に、首藤も異論ありません。 

単純にその双璧を成す二大巨頭の他に、様々な名作が存在するというだけの話です。

 

他にも紹介しきれない名作モデルがたくさん存在しますが、また別の記事でしっかり紹介していきたいと思いますよ。

 

 

まとめ

出典:https://www.cuv.jp/contents/brands/imported/heinrich-dinkelacker/ 

 

ここまでお読みいただいた方お疲れさまでした。

 

目次クリックで飛んできた方も、なんていうか開いてくれただけでありがとうございます。笑

時間のある時に興味ある所だけ読んでみてください。

 

Heinrich Dinkelackerのブランドの歴史と特徴の紹介をさせていただきましたが、正直まだまだ書き足りないところが沢山です。

 

首藤なんかよりももっと知識の深い方からすれば、抜けてる部分や足りないところも多々あったかと思います。

 

そんなところがありましたら、コメントやインスタのDM等で色々教えてくださいませ。

 

首藤なりに感じたりまとめたりした、Heinrich Dinkelackerのブランド紹介でした。

 

拙いまとめではありますが、この記事をきっかけに、Heinrich Dinkelackerが気になったり、買ってみようかななんて思ったり、インスタで他のオーナーと交流してみようとか思ったりする方が、少しでも増えると嬉しいなーと思います。

 

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この記事を書いた人

薄給のくせに年間100万円以上を服や靴につぎ込む30代子持ちサラリーマンです。
ハインリッヒディンケラッカーを筆頭とする東欧靴やオールデン、パラブーツなどを中心に歴代50足以上の革靴を買い漁ってきました。
主に大好きな革靴の紹介や靴磨き、ファッションレビューなどを暑苦しく語るブログです。

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