せっかくの在宅ワークなので履き下ろし&履き慣らしを自宅でやってしまおうという何番煎じかもわからないアレです。
ディンケのトスカーナカーフという情報の少ない革ですが、まずはどんなシワが入るかご紹介したいと思いますよ。
在宅履き下ろしをしよう!
テレワーク故自宅で革靴が履けるということは、自宅で履き下ろしが出来ちゃうということに他なりません!!
会社ワークだろうが現場ワークだろうが家に帰れば自宅で履き下ろしはできますけど、そういうことを言ってるんじゃない。そういうわかりきった突っ込みはいりません。違う違うそうじゃそうじゃない。
自宅で仕事をしている間中ずっと革靴を履いていられるということは、自宅で履き下ろしと同時に履き慣らしが出来ちゃうということではないですか。
新しい革靴というのは、本格的な履き下ろしの前に履き慣らしというものが必要になることがあります。特に攻めたフィッティングだったりヒールカップが結構エグめにすぼまってるものだったり、ダブルソール×レンデンバッハ等アウトソールがガチガチのものだったり。まあほぼディンケの話なんですけどね。
履き下ろし初日から出勤で会社に履いていって一日働くとか首藤にとっては死刑宣告にも等しいサムシングなわけですけど、まあこれも何度も踵を犠牲にしてようやく気付いた話であります。踵今まで本当にごめんな。履き慣らしって必要なんだな。
通常であればちょっとしたお出かけとか、コンビニ行ったりドラッグストアいったりゴミ出ししたりなんだりかんだりで短時間に何度も履いてどんどん歩く距離を伸ばしてようやく眼鏡からコンタクトにして本気の私・デビュー☆ミするわけですけど、あれって結構時間かかるんですよね。いつ履けるんだよっていう。
短時間でも踵が大根おろしのように削られて水ぶくれが出来たりして、それが治るまで別の靴履いて治ったらまた履き慣らししてまた水ぶくれが出来て(以下略エンドレス という工程を挟みますからね。長いですよね。
まあプロドM靴紳士ともなればそんな時間すらも愛おしいぜみたいな修験者モードに入るわけですけど、怒涛の勢いで靴が増えていくとそんなことばっかりやってるわけにもいきません。一生履き下ろせない靴とかも出てきそうです。
まあ、前置きはこれぐらいにして。
それらを一気に解決できる方法が、在宅ワークでの履き慣らしというわけです。
在宅とはいえ仕事中もずっと靴を履いているということは、出勤しているときと同じレベルの時間履き続けていられるということ。
歩かずとも長い時間履き続けることで、ゆっくりとではありますが革が足に馴染んできます。そしてトイレやコーヒー、ちょっとした休憩などで少ないながらも家の中を歩きますから、徐々に歩き慣らしもできるというわけです。
そしてデスクに座って仕事をしているときにもちょっとソールの屈曲をしてみたりなんかして、そんな工夫をしていけばソールの返りもついてくるという。
まさに新時代の履き慣らし方法なのではないかと思うわけです。
無理してマメや水ぶくれにまみれて泣きながら履き慣らしをする必要もない。
自宅でゆっくり、そして確実に履き慣らしができるような時代がやってきたのですッ…!!
はい。そんな感じで今回自宅で履き下ろしてみるのはこちら。
ハインリッヒディンケラッカー、ルツェルンのノルウィージャンダブルモンクです。
首藤にとって初めての木型なので、どれぐらい履き下ろしがエグいのかちょっと想像が付きません。万が一BUDAレベルであれば普通の外出の履き下ろしだとどちらかの踵を犠牲にするぐらいの覚悟は必要となりましょう。
スペック的にはレンデンバッハのダブルソール×ガチモンの三つ編みノルウィージャンウェルトであることからソールの返りがいい要素が見当たりませんので、おそらくどちらかの踵は死んでいただく必要があるのかなとは思ってます。
若干の救いポイントとしては、ちょっとロングノーズめな木型なのでその分ソールがかえりやすい(といいな)ということぐらいでしょうか。
まあヤバければすぐに脱げばいいのも在宅履き下ろしのいいところ。上記のような決死の覚悟も必要ありません。(たぶん)
ということで履いてみましょう。
スッっと履いてみる。
ああ、なるほど。あれです。くそかっこいいです。どっちかの踵ぐらい犠牲にしてもいいかな、ぐらいにはかっこいい。
そしてルツェルンの履き心地、BUDAやRIOとは違ったリラックス感があります。これはいい…。
ナチュラルシワ入れ!
右側グニィィーーーン
そしてさっそくシワ入れをしていきます。
今回はもうペンとかなしでいきました。もうナチュラルに足なりに曲がったそのままのシワでいこうということが脳内会議で決まりました。(事後)
そして左側も。せいやっ。
おお、両方いい感じな気がしますよ!
デスクの下で狭かったのでちょっと広いところに来ました。
シワ入れも済んだので心置きなく歩けます。
どうでしょうこの感じ。個人的にはめっちゃくちゃいい感じなんですが。
両足グニィィーーーンしてみましょうかね。
めちゃめちゃいい位置に入ってますよこれ!両足均等な感じ。
カーフの中では理想的なシワの入り方です。首藤的に。
そして肝心のトスカーナカーフのシワはというと。
めっちゃくちゃいい感じじゃないですかこれ?キメの細かい皴ですよ!
へこみの部分だけ見るとコードバンみたいなシワ。
トスカーナカーフ、いいですねぇ。
在宅履き下ろし二日目ぐらい
そんな感じで初日の履き下ろしを終えたので、二日目も履いてみました。
ちょっと馴染んだ感じのある靴ですがどんなもんでしょうか。
トスカーナカーフつやんつやん。素敵。
そしてシワもやっぱり薄目でいい感じですね。履き下ろし間もないのもありますけども。靴によっては初回からガツーン入っちゃうのもある中で、これは本当にいい感じがします。
上から見てもいい感じ。これちょっと足曲げてます。
グニィィーーーンといくとこんなかんじ。エラスティック伸びてるーーー。
すごい好きなシワの入り方です。カーフなのに本当にいいモコ皴。
シワの入った佇まいが圧巻
そして自宅履き下ろし&履き慣らし後の初ヤレ画像です。蔵出しです。
もうなんか、かっこよすぎてもうこれ。
二日目にして意味不明な貫禄出てますね。無駄な屈伸運動の効果ありですねこれは。
シワがキメ細かくて美しいですが両際のモコモコ感がすごくよく出てます。
ノルウィージャンウェルトもパンチと相まってめちゃくちゃかっこいいですねーこれ。
この靴も間違いなくシワが入った方がかっこいいタイプの靴です。
履き込んだらめっちゃくちゃやばいことになりそう。
トスカーナカーフは光の当たり方によって本当に表情が変わります。
ミュージアムカーフならではですが、特にこのウイスキーというカラーは取り分け表情にバリエーションがある気がしますね。
最高な予感しかしない…!
まとめ
ということでルツェルンのノルウィージャンダブルモンクの履き下ろし&履き慣らしからのシワ入れでした。
めっちゃくちゃいい感じのシワが入りましたね、トスカーナカーフ。
これはかなり期待ができそうな革です。アンティークカーフの後継みたいな位置付けだったと思いますが、どちらもいいですがトスカーナカーフの方がよりモダンな印象があります。
アンティークカーフのシワの入り方が個人的にはめちゃくちゃ好きだったんですが、それとほぼ同レベルの感触です。好きです、トスカーナ。