ラッカーとして一番渋いと思ってるモデルの履き心地レビューをしようと思いますよ。
さすがにROM持ってる人はあんまりいないだろうと思うんですが、どうでしょうかね。
というかあまり持ってる人もいないし、公式にも現行品の掲載はなくて、中古市場にも出ないんじゃ、レビューしてもあんまり意味ないんj…意味なくない!!!!
意味のないことなんて!!一つもないの!!
(今日はこのテンションで進めます)
ROM(ロム)のラストの特徴について
シャープなトゥ
ROMのラストの特徴といえば、まず真っ先に来るのが、このディンケらしからぬトゥ形状でしょうか。
RIOやBUDAと比べて、グイっと長めのシャープ気味なトゥになってます。
そしてよーく見ると、トゥの中心が若干内振りになっているのがお分かりいただけるでしょうか?
この左右非対称なトゥのトップ形状もROMの特徴です。(公式にもなにやらそのような記載がありますね)
全体的に甲低な形状
そして通常ディンケラッカーの靴であれば爪先が甲高でスペースがあり割とフリーな傾向にあるんですが、なんとROMは爪先までもが低いのです。
甲が低いどころか爪先まで低いので、甲全体のフィット感に関しては抜群なわけです。
甲低な首藤に見事にマッチしてくれます。まあ履き口のところでグイっと急速に立ち上がるので、羽根は結構閉じ気味になっちゃうんですけど。
この爪先を含めた甲全体が低めの作りになっている、というのもROMのラストの特徴でしょう。
通常のディンケラッカーのフィッティング理念とは異なる部分です。
ヒールカップのカーブ(のエグさ)
あと個人的になんですが、ヒールカップの左右のカーブ。
この内側のカーブが一番エグいのが、ROMだと思ってます。笑
チューリッヒも中々の猛者ですが、それ以上に首藤はこいつにヤラれてきました。何度泣かされたことか…。
踵の内側なんて初めて靴擦れしましたよ。どんだけやほんまに。
犠牲者(踵さん達)を数多く出してきたヒールカップですが、馴染んでくると驚異的なフィットを見せます。これはディンケの全木型共通な気がしますけど。
ということでちょっと癖のある木型ですが、その癖の強さが逆にいいんですよね。
この薄くてのぺっとした感じのUチップ。好みです。非常に好みです。地味に隠れファンもいるはず。
多分こういうUチップ系で最初にいいなーと思ったのは、ルーディックライターのUチップなんですけど、こういう甲の薄いUチップ(出来れば色も薄い)やつが一足あると、夏とか短パンで軽めに履けるんだろうなぁとか妄想してました。
あとはクロケットのモールトンですか。
改めて見ると超かっこいいですねモールトン。
このあたりの煎餅みたいなライト系Uチップが、一時期の首藤のトレンドだったので、ディンケでROMを見つけたときはガッツポーズしましたね。しかもセール。
完全に導かれましたね。大いなる靴のなんちゃらに。
ダブルソールについて
ROMは見ての通りダブルソールです。
公式サイトの画像だと、シングルソールかと思うぐらいライトな印象だったんですが、実際届いてみて結構ごつくてびっくりしました。
しっかりレンデンバッハのダブルソールやで!!感がありましたね。
ハインリッヒディンケラッカーにおいてはローファーのWIEN以外、レザーソールの場合基本的にレンデンバッハのソールが使われており、首藤の知る限りシングルソールのモデルはありません。(知らないだけかもしれない可能性もありよりのあり)
つまりレザーソールに限定すると、一部のトリプルソールなんかを除けばこのダブルレザーソールが一番オーソドックスな標準仕様と言えるでしょう。
標準装備がレンデンバッハのダブルソールって、結構やばいメーカーですよね。警察の標準装備がマシンガンみたいな。普通ならダブルはゴツくてかっこいい!みたいになるところが、ディンケの標準ですからねぇ。
ディンケを買っていくと段々ダブルソールが普通になってくるので、もはや見慣れた光景になってきます。何ならラバーソールの方が薄いぐらいです。どんだけお願いマッスルなの。
肝心の履き心地をビュー
ディンケとしてはRIOとWIENなどの木型を除けば、全てダブルソールが標準仕様となります。
ディンケの標準仕様であるレンデンバッハのダブルソールがどんなものなのか、またROMラストの特徴が履き心地にどう影響してくるのかについて解説していきたいと思います。
足裏のフィット感が素晴らしい
シングルソールに比べると、衝撃吸収力は軒並み高く踏みしめた感触は硬めです。
しっかりとした安心感があり、悪路でも気にせずゴリゴリ歩けちゃう感じ。
また足裏のフィット感が素晴らしく、立体的なラストなのか足裏全体がインソールにピッタリとくっつく感触があります。
見た目は薄っぺらくてライトに見えますが、予想以上に安定してガッシリした履き心地ですよ!
それでいて機動性をそこまで失うものでもないので、このダブルソールは非常にバランスの取れた履き心地だと思います。電車に乗り遅れそうなときの小走りぐらいなら余裕ですよ。(よくやってました)
一方シングルソールの方は足裏の感覚がダイレクトに地面に伝えられるので、踏ん張りが効くというか足の指?の本来の力が出しやすいですよね。動きが制御しやすいというか。
どっちも長短ありますので、好みや用途によって選ぶべきですね。
少なくともシングルLOVEもうシングル以外愛せないみたいな方は、ただでさえレンデンバッハ自体が硬めの底材なので、そもそもディンケには向かないかもしれません。
レンデンバッハのダブルでもしっかり曲がる
ダブルソールでも全然曲がりますね。
踵もしっかり喰いついてきます。というか喰らいつかれています。笑
ZURICHやBUDAなんかと比べて曲がりやすいかなーと思うのは、おそらくトゥの形状のおかげだと思います。
トゥシェイプがスマートで捨て寸も長めなので、その分ソールも曲がりやすくなりますしね。
内振りなトゥが正しい歩行を促してくれる(気がする)
前から見るとこんな感じ
ROMの履き心地の特徴は、上述の通りラストの形状として爪先のトップがインサイド寄りなため、しっかり親指を使って蹴れるということだと思います。それがいい感じに歩きやすさに繋がっています。
トゥがシャープでロングノーズなおかげか、てこの原理(?)でソールがかえりやすいですし蹴り足のバネが気持ちいいですね。
この内振りなトゥのおかげかわかりませんが、正しい力の入れ方で歩けている気がします。正しい歩行を促されているっていうんでしょうか。
足の前方部分の全体を使ってしっかり地面を捉えられている感触があります。
本当に正しいのかわかりませんけども。でもなんとなーくそこに、強制靴由来のドイツの面影を感じますね。
ウィークポイント?
ウィークポイントって程でもないんですけどね。大体は買う前に予想はつくことなので。
しかしながら、良い面を書いたなら悪い面もいる気がするので、敢えて言うならという感じで。
- それなりにソールが硬い。
- トリプルソールより滑る。No.1で滑る。(個体差?)
- ヒールカップがエグいので人によっては要修行。
- マイナー過ぎてディンケだと思われない
こんなとこですかね。
ソールの硬さは言わずもがななんでもういいですかね。もう硬いです。レンデンバッハ自体が硬いからしょうがない。
しかしながら、しなやかなことには変わりないので、馴染むまで頑張りましょう。
廉価素材のダブルソールより馴染みは早いはずです。
あとここは言っておきたいんですけど、個体差か知りませんが、首藤のROM信じられないぐらい滑ります。笑
同じROM持ってる人いたら是非聞いてみたいなぁ。
条件でいうとチューリッヒも同じダブルソールなんですが、そっちよりも明らかに滑るんですよ。普通に地下街のタイルで歩いてても、時折スベッ、スベッていう感触が伝わってくるぐらい。
普通に歩けてはいますけど、通常歩行の段階で滑る要素が混ざってくるので、ここはちょっと気になってます。笑
おそらく冬に向けてハーフラバー貼っちゃうので、今後は関係なくなっちゃうんですけどね。
あとは上述の通り、ヒールカップの内側の絞りがエグいです。踵の形や相性にもよると思いますが、覚悟はしておいたほうがいいと思います。笑
それで何もなければ万々歳。
マイナー過ぎてディンケだと思われない、という点についてはどうでしょうね。
やっぱり履いてて目に見えてディンケ感が欲しいなら、間違いなくRIOやBUDAを買うべきでしょうね。
少なくともそういう方の一足目にはお勧めしないです。
まあその人の性格や履き方によると思いますので、定番品じゃなくて敢えての!を買いたがるタイプの人にはとてもいいと思いますよ。(首藤とか首藤とか首藤とか)
でも逆に考えると利点でもありますよね。その靴どこのですか?からの「実はディンケなんですよ(ドヤァァァァァ」が出来ますからね。(?)
まとめ
ということで、Heinrich Dinkelacker ROM(ロム)の履き心地のレビューでした。
癖のある木型ですが、足との相性が合えば素晴らしい履き心地を得られます。
木型的に首藤のエジプト型の細足にもマッチしているので、エジプト型の皆様におすすめですよ。
サイズ感のレビューも書こうと思ってますけど、なんかもう書き尽くした感があるので、他のラストとの比較になりそうです。
今後はアンティークカーフのエイジング状況とか書きたいですねぇ。
ほんとにこのアンティークカーフ好きです。
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