やってきましたVASSプレメンテ後編。
※前編はこちら
今回はグレーのミュージアムカーフはワックスでどう仕上がるかというところがポイントですね。
正直無色でやればいい話だったんですけど、どうしてもリンカーンワックス使ってみたくてやってしまいました。少しだけ後悔しています。笑
前回までの状態確認
それでは前回までの状態確認を少し。
前回はリムーバーで汚れを落として、リッチモイスチャーで保湿まで終わった状態です。
塗った後はしばらくベタついていたため、一日浸透させる時間を待って乾拭きを行いました。
じんわりシャインで良い感じです。
靴によってはもうこのレベルでいいぐらいですね。
そしてやっぱり革が柔らかくなってる気がします。
ハリでパンパンだったのが、しなやかになっているという感じ?硬さはあるのですが、こう弾力があるというか。とにかくいい状態になったと思います。
念のため始める前にササっと乾拭きをば。
油性クリーム:クレム1925を塗る!
ということでまずはクリームを塗っていきます。
一応リッチモイスチャーもオイルたっぷりですが、あくまでデリクリの枠内ですし、艶はそこまで出ないので、全体にクレムを塗ることにします。
せっかくのミュージアムカーフなのでニュートラルをチョイス。
いつも通り指にとって塗っていきます。
最近は指にもかなり薄めに付けて、伸ばせるだけ伸ばしてこまめに足していくスタイルにしています。でもまだ塗り過ぎな気がします。笑
塗り終わったので5分待ちます。
あとは思う存分シャカシャカ。
大体片足1分ぐらいでいいと思うんですけど、首藤はこの工程が好きなので、2~3分ぐらい好きなだけシャカシャカします。指跡のマットな状態から光りだす感じがたまりませんねクレムは。クレム俺だ!結婚してくれ!!
そして乾拭きをして、
終了!
ビッカーーーーーン
どうですこの輝き。もうこれだけでいいんじゃないでしょうか。ワックスいる?レベルです個人的には。この質感大好き。
というかVASSのミュージアムカーフの革の感じやばくないですか?油性クリームだけで宝石みたいになるなんて。
何かの記事でVASSは作りは良いけど革質だけちょっと…みたいなの読んだことある気がするんですが、個人的には全くそんなことは感じないですよー!お見事な革だと初心者首藤は思います。革質についてはあまりわかってないのでアレなんですが、写真見て是非とも各々の好みと照らし合わせてみてください。
ワックスで磨く!
下地作りから
次はワックスで磨いていきたいと思いますよ。
今回はですね、リンカーンワックスを使い倒したいということで、ちょっと下地にブルーを使って、仕上げをブラックで行いたいと思います。ただかっこつけてみたいとかそういうんじゃないですよ。まじまじ。
ブルーを使う理由は、グレーのミュージアムカーフって光の加減によって紫っぽく見えるんですけど首藤はあれがめっちゃ好きで、ブルーを使うことでアレをより強調できないかなーと思ったんですよね。
出来るかはわかりませんがものは試しということで、やってみましょう。
まずはリンカーンワックスのブルーを用意します。
(まだブルー少しだけ残ってる…!!)
なくなってた場合はこちらからどうぞ。
指でコネコネしたりヌリヌリしたりする場合はこちらが必須になりますので、お手元にご用意されることをお勧めいたします。
下地作りは今回もタケイ流に則って行います。
指でコネコネして柔らかくしていきます。
体温で溶けてかなり早い段階でやわらかいペースト状になります。
まずは多めにドーン。
うわ、なんかすんごい絵の具感!笑
いきなりやっちまった感がすごいですが、もはや引き下がれません。
ヒールにも多めに塗布して。うわぁ、青い…。笑
馬毛ブラシで素早くブラッシングしてならします。
今度は通常の下地と同様に薄めに塗っていきます。
薄めに広げたのち、同様に馬毛ブラシでブラッシングをしてならしていきます。
これを数回繰り返します。今回はプレメンテなので軽めの2回。まずはトゥを守れるぐらいでいいかなという感じなので。
ネル生地での磨き
下地作りが終わったら、ネル生地を巻いて磨いていきます。
ハンドラップで水を付けて、これは付け過ぎなので手のひらにパンパンして水分を適度に飛ばします。このパンパンがプロっぽくて首藤は好きです。無駄にパンパンします。パンパン首藤。
そして改めてピトッとワックスを付けて
思う存分磨いていきましょう。
円を描くようにネル生地で磨いていきますよー。クルクルクルクルクルクルクルクルクル
この部分についてはたぶんめっちゃ集中していて画像が抜け落ちています。笑
最初はブルーで塗ってますが、この後すぐにブラックに切り替えてます。
今思い返すと二色使う意味はあったのかな?と思うんですが、仕上がり見てもよくわからないので、なかった気がします。笑
せっかくなら黒だけと青だけにすればよかったんですけどね。全然そこまで思考が回らなかったですね。次回検討してみましょう。
ラスト仕上げ三種!
全体に薄くワックス&ブラッシング!
ワックスの乗ってないヴァンプやサイドの部分なんかに薄くワックスをのせていきます。
履きジワにワックスをのせるなんてまさかそんな…!!って最初は戦慄していたんですけど、薄く延ばしてブラッシングすれば何の問題もありません。
そしてブラッシング。
ワックスでバチバチにしたところと薄めにワックスを伸ばした部分の境界を少し馴染ませるように。
こうすることであの靴先っぽだけ光ってるって言われなくなります。(たぶん)
山羊毛ブラッシング!
あるものは使う!山羊毛でブラッシング!
使うのは史上最強のBrift Hの山羊毛ブラシです。最高。
ハンドラップで水をつけて
ちょいちょいと全体になじませてから
全体をブラッシングしていきます。
これでワックスが全体にさらに馴染み、水研ぎの時の光り方が変わります。(らしいです)
水研ぎ!
アッパー全体を水研ぎしていきますよー。
ワックスの時と同じように水付けからのパンパンで準備したら、緩急をつけながら全体を大きいフォームで磨いていきます。
このあたりのやり方やポイントについては、下記の解説記事をご参照ください。
結果を比較!!
ということで、左足だけ磨いてみましたので、クレム仕上げの右足と比較してみましょう。
有色ワックスを使ったので、ミュージアムカーフのムラ感がどうなるか比べてみたいと思います。
右足がクレム、左足が有色ワックスです。
トゥはあれですね。完全にムラ感が消えてますね。笑
ワックスはめちゃめちゃ乗りやすいので、すごい光りやすくはありますね。
有色でムラ感を埋めてしまうので、アンティーク仕上げっぽい雰囲気にはなりますね。これはこれで良い感じはします。
ヒールも同様ですね。ムラ感は塗りつぶされてしまいますが、よく光るという印象。
そしてここにきて光に当たると若干の青みがわかりますね。これは首藤の求めていたあの紫感ではないですね。笑 普通に青いです。
この角度いいですね。めちゃくちゃ違いがわかる。
これを見て、個人的には爪先までムラ感があった方が好きだということを確信しました。笑
でもほんとの爪先だけはちょっと黒い方がいいでしょうか。
この辺りはニュートラル+黒で考えるべきですね。ふむふむ。
ヒールもムラ感あったほうがいいな…笑
両足完成!!見て見てギャラリー!
そうは言ってももう後戻りはできないので、同じ要領で右足も磨きました。
仕上がりをギャラリー的にどうぞー!
とはいえ全体的にはかなり良い感じにまとまったのではないでしょうか!
好みは別としてVASSのミュージアムカーフの革の良さと、リンカーンワックスの使いやすさに関してはかなり良い感じだと再認識できましたね。
まとめ
今回はリンカーンワックスを使ってVASSをプレメンテしてみました。
結果的にミュージアムカーフのムラ感を生かすなら、無色のワックスのほうが個人的に好みということがわかりました。笑
トゥとヒールがかなり良い感じにムラムラしているので、そこを潰してしまうのはもったいないと思ってしまいました。自分ミュージアムカーフ童貞なもので。
まあワックスの着色であれば落とせばいくらでも修正は効くのでよしとしましょう。
それ以上にこの爆裂真冬を目の前にして、いかにしてこの靴を履くかということの方が重要です。ハーフラバーで武装すべきか…