先日アップしたTHE LOUNGE by Brift H の靴磨きワークショップ。
そこで学んだ靴磨きの流れを、備忘録的に記事にしました!
せっかくBrift H 流(林田流?)の磨き手順を教わったので、忘れないようにしないと。
基本的な流れの解説と、首藤が聞いて覚えてる限りの注意事項等を書いておきますよー。
手順まとめ
まずは手順をすべてまとめたものをご紹介します。
全体的な流れはこんな感じです。
①ウェットティッシュで靴の内部をクリーニング
②馬毛でブラッシング:埃落とし
③クリーナーで汚れ落とし
④クリームを塗る
⑤豚毛でブラッシング:クリームを浸透させる
⑥乾拭き
⑦下地作り
⑧ネル生地でポリッシュ
⑨ワックスをポリッシュ部以外にも塗り豚毛でブラッシング
⑩山羊毛でブラッシング:全体を馴染ませる
⑪水研ぎ
首藤が知っている流れと一致しているところもあれば、ちょっと知らなかった部分もあります。
個人的には⑨のあたりなんか、おう…、おう?という感じ。やったことない。
あと山羊毛はここで使うのか…!感がありました。笑
また今回のワークショップではフルケアを前提にしているので、①と②の間にコバの手入れも入っています。
一応毎回やるようなことじゃないので、上記手順では割愛していますのでご了承ください。
ちなみに今回磨いている靴はこちら。ハインリッヒディンケラッカーのROM(ロム)です。
具体的なケア内容と注意事項
①ウェットティッシュで靴の内部をクリーニング
右足のシミはウェットティッシュ放置によるものです。笑 乾いたら消えましたけど
まずは靴内部のクリーニングから。
自分のケアじゃあまりやらないですよねー。
意外に盲点だったりするので、しばらくやってないとホコリとか靴下の繊維とか、結構たまってるみたいです。
首藤のは比較的新しい靴なので、綺麗なもんでした。 というか普通に爪先部分まで指が届きませんでした。笑
靴の形状によっても違うんですかねきっと。
今度綿棒でも使ってやりましょうかね。
②馬毛でブラッシング:埃落とし
林田さんの手つきを見ていると、シャカシャカじゃなくてサッサッと汚れをかき出す感じでした。
普段首藤は割とシャカシャカやっていたので、今後は一方向にサッサッと汚れをかき出す感じを意識します。
割と踏まずのくびれ部分や、ウェルトの隙間に結構ホコリや汚れが溜まってることがあるみたいですよ。
※補足ケア:コバのケア
紙やすり(確か280番ぐらい?ちょっと正確に覚えてないです)で、気になる部分にやすりがけをします。
これもシャカシャカじゃなくて、長いストロークでサーッ、サーッとやっていた気がします。
ガッサガサな部分があれば、シャカシャカやっていいんでしょうけどね。
首藤の靴はトゥの部分が中々すごかったので、そこだけ集中的にやりました。シャカシャカ
コバインキをトゥに塗りました。
やっぱりもろ削れてるよりは、ちゃんと整えられている方が見栄えがいいですね。
スチールがついていない靴は、こういうところも気を配りたいところですね。
ちなみにコバインキは、めちゃくちゃスポンジに染み込んでるので、塗る前に瓶のふちでしっかり落としてから塗ることをお勧めします。
あと、このワークショップでは、塗ってすぐ次の工程に移りましたが、コバインキは手に付いたら全然取れないので、自分でやるときはしっかり乾いてから次の工程に移るようにしたいと思います。
他の参加者の方からこぼしたら地獄だという話も伺っているので、この取り扱いには十分注意ですね。笑
部屋じゃなくてベランダとかでやった方がいい気もします。
③クリーナーで汚れ落とし
色が薄い靴なので、THE CLEANER (SOFT) を使いました。
強くこすらない、一か所に集中しない、優しくサッサッと拭き取る感じ。
このあたりの注意事項は、首藤の認識と同じでした。
ストロングがもあるようですが、色の薄い靴だとシミになる可能性があるとのこと。
首藤の靴はワックスをつけていなかったので、ソフトのみです。
ワックスがついている方は、ミラクリ(THE CLEANER for Mirror shine)でワックスを落としてから、THE CLEANERで再度全体の汚れを落としていましたよ。
参加者の中では色の濃いめの靴だったら、ミラクリだけでもいけますよ、という話も出ていました。
ミラクリすごいな。次は絶対買うぞ。
④クリームを塗る
THE LOUNGE by Brift H なので用意されているクリームは、当然THE CREAMです。
初めて使いました。ありがたやー。
常識かもしれませんが靴クリームは、できれば色付きがいいそうです。(場合にもよりますが)
首藤は色々使いまわしたかったので、初期設定だと思ってニュートラルばかり集めていたので、ちょっとずつそれぞれの靴の色付きのクリームを揃えていきたいと思いますよ。
クリームの色味はできるだけ靴と同じかそれよりちょっと薄めのものをチョイス。
今回はBrift H流に則って、指にとって塗っていきます。
体温でクリームがいい感じに馴染む云々の話はよく聞くやつですよね。
クリームはムラにならないように均等に塗るよう心がけます。また塗り残しを作らないことが大事。
⑤豚毛でブラッシング:クリームを浸透させる
クリームを塗り終わったら、豚毛ブラシでクリームを浸透させます。
クリームにもよりますが、THE CREAMの場合は塗ってから時間を置かずにブラッシングしてもいいとのこと。そうなんですねー。
時間を置くのは、基本的に乾燥させてロウ分から艶を出しやすくするという目的がメインだそうなので、他のクリームでもそこまで時間を置くのは気にしなくていいのかもですね。
この辺は自分で色々試してみたいところです。
豚毛でのブラッシングはガシガシと強めにやってOK。クリームを革内部に浸透させるように、しっかりブラッシングしていきます。
一か所を集中的に、というよりは全体を満遍なくやることが大事。
実演してもらいましたが、時間的には片足約1分ぐらいで完了されてた気がするので、それぐらいで全体をブラッシングすることを目安にしようかと思います。
⑥乾拭き
次に全体を乾拭きし、余分なクリームを拭き取ります。
これ首藤あんまりやってなかったんですが、やっぱり重要なんですね。
どれぐらいやればいいのかという点について。
色がつかなくなるまでというのは中々難しいので、終わりのタイミングは、拭いていて引っ掛かりがなくなったらが目安になります。
ちなみに使う布は、汚れ落としで使った布の余った部分でOK。
⑦下地作り
ここからは鏡面磨き(ハイシャイン)の作業になります。
ワックスを指で塗り、ネル生地を使う前に鏡面磨き用の下地を作ります。
ワックスはメリっと取らず、指に少し付けるだけでOK。首藤は厚塗りになりがちなので、ここは充分に気を付けたいところ。
トゥ、ヒールを中心に指でワックス塗りこんでいきます。円を描いたり、縦横で塗ったり色々な方向から塗っていきます。
下地作りは特に、一か所に集中して塗らないようにバランスを意識します。
トゥからヒールのサイド部分のつながりも自然になるように塗っていきます。(ここはあまり重ねず適度に)
林田先生曰く、最終的にどういう風に光らせるのかというイメージを持ちながら、下地を作っていくことが大事、とのこと。
トゥ→(イン)サイド→ヒール→(アウト)サイド→トゥ~の流れで1~2周したら、片足交代。
光らせ方にもよりますが、今回はそれを3セットぐらい行いました。(最大片足6周ぐらい重ねてる状態)
革やコンディションによっても違うので、具体的な回数というのは毎回決めるのは難しいですが、一つの目安として下地の段階で、ハンドポリッシュでも段々光るようになってくるそうです。
それぐらいになってくれば、下地完成のサインだそうですよ。
⑧ネル生地でポリッシュ
新たに習得した、Brift H流のネル生地の巻き方です。
普通に間違って覚えてたので、ここでちゃんと聞いておいてよかった…笑
この巻き方だと磨く面が固定され、またしっかりと安定しているので、右手は磨きのみに集中することができます。
ネル生地を指に巻いたあとは、ハンドラップで水をつけ、ワックスを少し取って磨いていきます。
ここからがよく動画などで見る、まさしく鏡面磨き!って感じの工程ですよね。
水はコインサイズぐらい。少し湿っていればいいぐらいなので、ハンドラップで水を付けたのち、手のひらで叩いて水分を散らして、ネル生地に薄く馴染ませていきます。
しつこいですが、下地同様、ワックスはメリッと取らない。トントンと優しく叩いて表面を滑らせるぐらいでOK。
最初は、下地とネル生地につけたワックスをこねて合わせるイメージだそうです。
磨くときは下地同様、一か所に集中しないようにします。下地と同じ流れでどんどん全体に回していきます。
小さいストロークで一か所を早く擦るのではなく、大きなストロークで一回で光らせるイメージで。
林田先生によると、結構小さいストロークでグリグリやってしまっている方が多いそうです。
言われてみれば確かに、という感じ。首藤まさにそれでした。
いい感じになってきたのでは?
あとここは感覚的な問題(心持ち?)だそうですが、直線的に磨くのではなく、革のカーブを意識して磨くと良いそうです。
革靴はすべてが曲線で作られていますので、そのカーブに沿うように意識して磨いていくわけですね。
また、トゥの先、ヒールの中心から、光沢がグラデーションになると美しい仕上がりになります。
⑨ワックスをポリッシュ部以外にも塗り豚毛でブラッシング
この工程、首藤やったことないですね。
履きジワにワックスを塗ると、割れて白くなった経験しかなかったので、抵抗があったんですが…。
ポリッシュした部分と、そうでない部分の差が大きいと光り方が不自然になるので、全体にも少しワックスを塗ることで一体感を出す目的があるそうですよ。
なるほど。
ヴァンプやサイド、羽根部分にもワックスをざざっと一周塗って、豚毛でシャカシャカ磨きます。
履き皺に塗り重ねてしまうと、首藤の懸念の通り白くなってしまうので、全体に薄く延ばすぐらいでOKです。割と短時間でサクッと。散らす感じで。
あとこれは首藤の見解ですが、ポリッシュした部分とそうでない部分の境界を豚毛で馴染ませる意味もあるのかな、と思いました。
⑩山羊毛でブラッシング:全体を馴染ませる
みんな大好き山羊毛ブラシで、全体をブラッシングします。
ハンドラップで水を少し付けて馴染ませてから、ブラッシングしていきます。
水研ぎ前に山羊毛でブラッシングすることで、アッパーとワックスをさらに馴染ませやすくする目的だそうですよ。
他の参加者の方も言ってましたが、これをすることで水研ぎ時の光り方全然違うらしい。
まだその域まで行ってないので、首藤にはそこまで違いがわかりませんでした。笑
今後色々検証していきたいところですねこれは。
Brift H の最高の山羊毛ブラシをこの少し前に買ってるので、しっかり使いこなせるようになりたいと思います。
⑪水研ぎ
最後は鏡面磨きで使ったネル生地で、水研ぎをします。
ネル生地の使ってない面に水を少量付け、前回同様手のひらに叩いたりしながら、馴染ませたのち全体を磨いていきます。
ポリッシュ部分とそうでない部分も含め、最終的な仕上げになります。
林田先生曰く、最初は強めに、徐々に優しく。
うまく表現できないですが、徐々に優しくというのは、力を入れずに素早く的な?
実演を見ると、スピード感が重要に見えました。この辺は手の感覚なのでなんとも言えないですが。
やり続けるとコツがわかるんでしょうか。
磨き、完了!
以上の11工程で、基本的な磨きの流れは終了です。
慣れてないとふっつーにめっちゃ時間かかりますねこれは。笑
しかしながら、これでバッチリ輝いているはず。
では首藤の出来をご覧ください。
初めてにしては中々じゃないですか…?笑
何が正解かもまだよくわからないですが、いい感じにおいしそうになったので、個人的には大満足です。笑
つなぎの部分や細かいところはまだまだですが、一度基礎を習ったことは非常に大きなことだと思います。
今までシュプリームクリームしか塗ってこなかったROMですが、初めてバチバチに磨きました。
もうちょっと履きこんだら、アンティーク仕上げなんかにもチャレンジしてみたいですね。
まとめ
ということで、自動補正のおかげで全く参考にならないBefore/Afterをどうぞ!笑
Before
After
うん、中々いい仕上がりではないでしょうか。
Beforeがよくわかんないので、どこがよくなったかはわかんないですが。笑
でもしっかり磨き上げることで、靴の良さをいい感じに引き出せた気がします。
とりあえず我が靴ながら、めっちゃかっこいいですねぇ…オットコマエー!!
以上が、ワークショップで習った、”Brift H流(林田流)”の磨き手順の解説でした!
結局磨きの基礎がよくわからん、フルメンテって結局のところなにやるん?という方は是非参考にしてみてください。
とりあえずこの流れでやれば間違いないはず!
首藤もこれを見ながら、もう一度別の靴でフルメンテしてみます。