ご存知ALDENを代表する木型であるモディファイドラスト。
※モディファイドLWBの詳細はコチラからどうぞ。
散々語りつくされてきている話であると思うのですが、首藤も例に漏れずこの問題にぶち当たりました。
手持ちのシューツリーがモディファイドラストに合わねぇ…
ALDENのインスタの投稿なんかを見ていると、「コードバン特有のモコ皺を維持するためシューツリーは入れない」などのご意見も結構ありまして、それに甘んじてあんまり入れてこなかったシューツリー。
俺も?モコ皺にしたいし?しっかりかえりが付いた状態を維持したいし?まじALDENは元々ワイルドなメーカーだから保管もワイルド?みたいな?イケイケ?モディファイドイケイケ?と首藤の中のチャラゴーストが囁いていたのですが、加齢と共に段々冷静になるスピードも速くなり、突然心配になってきました。
ここにきて全く入れないのもどうなんだろうと思い始め、手持ちのツリーで試してみたんですが、まさかの合わないツリー多すぎ問題に直面。焦る。
※ちなみに首藤はそこまでこの靴にはこのツリー!みたいな拘りがあるタイプではなく、割と合いそうなものをローテで使ってる感じです
しかしながら、奇跡的に一つだけ何故か妙にジャストフィットしたツリーがあったので、今回はそちらのご紹介です。
モディファイドラストについて
個人的にはもうALDENと言えば!な木型です。モディファイドラスト。
そもそも唯一の所有ALDENであるこのLWBは、モディファイドラストだからはるばる個人輸入までして購入したようなもんです。
一度履いてしまえば、土踏まずを突き上げるような独特のフィット感に衝撃を受けること間違いなし。
元々矯正靴を作っていたALDENならではの木型で、土踏まず部分に尋常ならざるくびれのあるウェスト、絞りの効いた小さめのヒール、ワイドに取られたボールジョイントなどが特徴です。
首藤は通常UK6.5E、ディンケだとUK6.0Gを履きますが、モディファイドラストだとUS7.0Dを履いています。
7Dで足先は結構なリラックスフィット。履き口と土踏まずの縦のライン(上下のライン?)でしっかり固定されているので、歩いている最中も靴の中で足がずれることがありません。
土踏まずの突き上げ部分でしっかり、固定されていて、前に荷重がかかるのを押しとどめてくれている感じ?がしますね。
基本的には日本とフランス(アナトミカ)のみの展開となり、ALDENの中でも独自路線をいく木型です。
有名なのはVチップでしょうかね。
例外としてモディファイドラストばかりを取り扱う、MOULDED SHOEというNYのちょっとネジの外れた最高なショップがあるのですが、そこからも個人輸入で購入することが出来ます。(要転送サービス)
合うシューツリー少ない説
兎にも角にもこのシェイプされたウェストが特徴的なモディファイドラストですが、この独特な形状のせいで中々シューツリーに難儀します。
ディンケから個人輸入して入れたろうかとも思いましたが、絶対合わないので止めました。これは絶対合わない。(確信)
上記のソール形状からもお分かりいただけると思いますが、踏まずのくびれがすんごいので、下手なもっこり系の直線的なシューツリーだと奥まで入っていきません。
一方ちょっとシャープなツリーを入れてみても、足先はワイドに作られているので、全然シワが伸びず、スカスカになってしまいます。
どうせえっちゅうねん……
そんな一種独特な世界観を持つモディファイドラストですが、現在支持されているツリーは下記の三つぐらいでしょうか?
モディフライドラストに合うツリー3選
純正シューツリー
そんなワガママボディを有するモディファイドラストですが、結構そのままALDENの純正シューツリーを使われている方も多い印象です。
これだとボールジョイント付近のシワは全然伸びないので、ヴァンプ部分とソールのそりの矯正に重きを置いているのだと思います。(ヴァンプのシワが伸びるのかはちょっと疑問ですが。)
まあでもそれ以上に純正のシューツリーについては、一体感というか満足感に寄与する部分が大きいかもしれませんね。ALDENには純正シューツリーが似合うのは間違いないですし。
あとはコードバンなら、ヴァンプのシワはそこまで伸ばさなくてもいいという気もしますしね。
ALDENには純正ツリーで!という意見には概ね賛成です。笑
純粋にかっこいいですし、何よりかくあるべきみたいな、おさまるところにおさまってる感みたいな、そういうのを一番感じるセットですよね。
スレイプニルのトラディショナルシューキーパー
お次はスレイプニルのシューツリーです!
そもそもツリーの完成度として評価の高いスレイプニルですが、モディファイドラストにも合うとのこと。
ちなみにスレイプニルはヨーロピアンとトラディショナルがあり、モディファイドラストにお勧めされているのは、トラディショナルの方ですね。
ちなみに楽天のリンクの方は下記です。
サイズのおすすめや木型のおすすめなんかもかなり細かく書いてあって、まずはこちらを見るといいと思います!
楽天の商品ページのレビューでも、かなり信頼性の高い効果が得られるようですねー。
価格は6480円。うむ。ちょっと高いけど高すぎない絶妙な価格設定。…いや高いんですけどね。笑
首藤的には若干高いなぁ…とちょっとだけ尻込みする価格ですかね。
普段2000~4000円ぐらいまでのシューツリーでおさめているので、ここまで出すのはちょっと勇気がいります。
買っちゃえばいいものなのはわかるんですけど、シューツリーって靴が増えるたび買うものなので、毎回毎回そんなにお金かけてもらんないんですよね…。
このあたりは価値観の違いなので人それぞれだと思いますが、首藤のこの感覚、ちょっとわかるぜって方いらっしゃるんじゃないでしょうか?
“SPRINGLINE”דRESH”のモディファイド専用シューツリー
最後は迷える子羊たちの前に、彗星の如く現れたRESHとスプリングラインの共同開発シューツリーです。
スプリングライン シューツリー for Alden モディファイドラスト用(シューキーパー 木製 オールデン専用)
詳細はこちらの記事をどうぞ。
もうほぼ最強のタッグですよね。間違いないでしょう。
数々のメーカーのシューツリーを作成してきた巨匠スプリングラインと、ジャパンリペア界の雄RESHが手を組んだ最高品質のシューツリーです。
モディファイドラストのためだけに作られた、超絶贅沢なモデルです。
専用になるのでこれさえ買っとけば間違いないですよね。
ただ高い…!税込みでほぼ2万です…。
素晴らしい靴をいい状態でキープしてくれる、シューツリーでこれさえあれば絶対間違いないのはわかってるんですよ?ただこの2万があれば、別の靴の軍資金になるのでは?というレベルの金額になるので、やっぱりちょっと躊躇してしまいますよね…。
ちなみにこれ我らがもでぃふぁいど氏が購入済みでレビューされています。詳しくはこちらをどうぞ。くぅーー見ると欲しくなるなぁー…
首藤の答え!
おすすめはグロッシーシュのシューツリー!
Amazonや楽天で購入できる、所謂格安シューツリーの一つですね!
もう溢れんばかりのコピー商品類似商品があり、どれ買ったらいいの!??!?となるうちの一つです。
この辺は正直どれでもいいんですけどね。ほとんどがブランド名変えただけの同一商品ですから。笑
しかしながら、たまーに違いがある商品もあるので、その辺ちょっと注意が必要です。それが「Love-KANKEI」タイプ。
ちょっと前までAmazonでシューツリーで検索すると、「Love-KANKEI」とこの「グロッシーシュ」の2強だったんですが、今はもっといろんなところからコピー商品がでてますね。
たぶん工場がいくつかあって、そこから業者が買い付けて勝手に自社ブランドを名乗って出してるだけなのででしょう。実態は数通りのツリーしかないはずですよ。
そのうち「Love-KANKEI」で使われているツリーはヒールがかなりでかいです。
最近は結構ヒールが絞られている靴が多いのでこれは結構致命的。
それに比べて「グロッシーシュ」で使われているツリーは、若干ヒールが小さめ。(それでも純正のものやある程度の値段のものなんかと比べると大きいですが)
そのため、割とフィットしやすい特徴があります。
それぞれのヒールのサイズ感の感想をざっくり説明すると…、
「Love-KANKEI」は絶対に履き口が広がるので、手持ちのどの靴にも入れたくないです。笑
「グロッシーシュ」はディンケには入れたくないですね。パラブーツのモジーンやチャーチのシャノンには結構いい感じでした。
シューツリーを見てみる
実際にシューツリーを見てみましょう。値段の割にいい感じです。
ダブルチューブ、爪先はバネ式のオーソドックスなタイプです。
噂のヒール。格安シューツリーの中では、小さめに作られている方だと思います。
並べてみました。
なんかこの時点でちょっと合いそうな予感…!(気のせい?)
いざ、入れてみる!
するっといきます。
ぐっとバネを押し込むといい感じのスキマが出来ていれやすいです。
入りましたー。
チューブの力で程よくテンションがかかっています。
ビチビチ!というほどでもなく、割とすんなり入りますね。
ヒールも綺麗な収まり。全然広がってる感じではないですよ!
綺麗にキープできてません?
ヒールを上から見ても…いい感じ!
ツリーを入れても、元々のヒール形状をキープできています。
ヒールカップの形状が売りの靴で、ツリーのせいで型崩れしちゃったりしたら、結構絶望しますよね。なのでヒール部分は結構重視してます。
インサイドは若干の隙間がありますね。
でもここは別に伸ばさなくていいので大丈夫。
アウトサイドは見事にジャスト!
独特なツイストも邪魔していません。
重要なポイントとなる、ヴァンプとボールジョイントのフィット感ですが、なんと恐るべきジャストフィットです。笑
ビッタビタにフィットしていてしっかりシワが伸びていますが、それでいてテンションがガチガチというわけでもないですね。なんなんだこのフィット感は…本当に格安シューツリーなのか…
内部はこんな感じ。
タン部分や上部には、若干隙間がありますかね。
このあたりは格安シューツリーの限界ということでしょうか。
いやいやモディファイドラスト相手によくやってるよ君は。
首藤がシューツリーで重視しているのは、適度なテンション・ヴァンプとボールジョイントのフィット感・ヒールカップのサイズ感の3つなので、タン部分にちょっと隙間があろうが、全然かまわないですね。
あとはトゥスプリングが行き過ぎないように矯正してくれるというのも、メインの役割だと思いますので、それも問題なくクリアしています。
全体的なフィット感を見る
全体像です。まあ普通ですね。笑
ヴァンプです。こことボールジョイントのバッチバチのフィット感には驚きを隠せませんね。(個人の主観です)
グロッシーシュのシューツリーのデメリット!
この価格帯でモディファイドラストに合った形状である時点でもう相当な買い商品ではあるのですが、一つだけ首藤が感じたデメリットがあります。
それはネジの耐久性。
お買い得な価格ではあるので、そこまでは求められないかなーというのが正直なところですが、購入時からこのフック部分がクルクルと無限に回転します。笑
そして購入から数か月でこのフックがグリっと取れそうになってしまいました。
まだ完全には抜けてないんですが、あと1,2回でボロンと取れそうかな?という感じです。
この部分は元々シューツリーの機能的にかなり強い負荷がかかるので、仕様的にしょうがない部分なのかもしれないですが、予想よりもちょっと早かったかなという印象。
まあこれぐらいなら一回グリっと外してしまって100均で購入したボンドを流し込んで再度装着すれば補修は全然可能なので、首藤のようにそういうのが気にならない方にとってはそこまでデメリットではないかもしれませんね!
これだけのクオリティとモディファイドラストへの相性の良さを誇るのであれば全く目をつぶれる部分です。
あとは本当に若干サイズ差や素材感に差がありますが、首藤的には全く気にならない程度です。
以上が首藤が感じた唯一のデメリットですね。
モディファイドラストへのフィット感を求めて辿りついた方には正直全然デメリットにはなってない感じもしますけど。笑
まとめ
ということで、首藤的モディファイドラストに合うシューツリーのおすすめでした!
まさか手持ちの格安ツリーがここまでフィットするとは。
他のフィットするといわれているツリーを使ったことがないので、現時点で比較はできないのですが、首藤的にはこのフィット感で大満足です。お見事。
ちなみに首藤はモディファイド7.0Dに対して、
40/41 (約25.5cm~26.5cm)を入れています。
モディファイドラストのツリー問題で、未だ迷いの森を彷徨っている方がいらっしゃいましたら、一つの選択肢として視野にいれてみてください!